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Symphonieorchester
Mariss Jansons | Mitsuko Uchida
5. Abo A
【 FREITAG 18.3.2011 Munchen, Philharmonie im Gasteig 】
Dirigent: Mariss Jansons  Mitsuko Uchida, Klavier
Gast: Anton Barachovsky, 1. Konzertmeister des Symphonieorchesters
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks


■ Ludwig van Beethoven:Konzert fur Klavier und Orchester Nr. 3 c-Moll, op. 37
■ Richard Strauss:"Ein Heldenleben", op. 40

Das Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks, Mitsuko Uchida und Mariss Jansons widmen dieses Konzert den Opfern der durch ein Erdbeben ausgelosten Katastrophe in Japan.
ガスタイクホール2日目。昨日に引き続き、雨が降ったり止んだりのお天気です。
この日も日中は色々ミュンヘンを歩き回って、友人と私は相当疲れ気味(汗)
昨日と同じパターンではいけないと、フリスクのようなミントを購入し(万が一の時のために)、また ホテルを出る前に30分ほど睡眠を取りました。

なので、本日はタクシーに乗ってガスタイクへ!
タクシーの運転手さんはクラシックファンなのか(?確認していないので不明)、ラジオからショパンのピアノ曲のオムニバスが流れておりました。
ガスタイクホールの車寄せは丁度楽屋口の前なのですね。本日は裏側(?)の入口からホールへ入りました。

本日の席は座席表を見た限りでは舞台右手側の席なのかな?と思っておりました。
実際座ってみるとオーケストラの真正面の席(の3階席位かな)でした。ガスタイクホールは席の並びが複雑です。でも、思いがけずに正面から舞台を見ることが出来てラッキーでした!

私の前に座っているおじ様は、クラシック通の方のようで(クラシック通と言うか英雄の生涯ファンというか)。お隣の奥様となにやら興奮して話しをされていました。そのまた隣の方は日本人の女性で、途中からこの夫婦の話に加わったようなのですが(ドイツ語で)、私、この方のお顔に記憶があります。誰とは思い出せないのですが、たぶん演奏家の方だと思います。

この日の演奏はBR-KLASSIKで生中継されていました。いつも日本で聞いて録音しているあの放送に、あの拍手に、私も今加わっているのだ…と思うと、無性に感激してしまいました。(もちろん、この放送はホテルで予約録音していましたよ!←これも旅の目標の1つだったりして、笑)
ラジオ放送以外にも、記録のためだと思うのですが昨日も本日も、舞台に2台と2階席左に1台、カメラが入っておりました。いつか映像の放送もして欲しいです! このカメラ、結構オーケストラのギリギリにまで寄って来て撮影するのですよ(笑)

拍手の中、マイクを持ったヤンソンスさんが登場!>今ラジオでこの光景が放送されているのね。

昨日同様、演奏後は拍手は無しで黙祷をしたい、ドイツの音楽が日本の皆様に届きますように…とヤンソンスさんのお言葉があり(本当はもっと違うこと言っているのだと思いますが)、グリーグの『ペール・ギュント』組曲より「ソルヴェイグの歌」が演奏されました。

昨日以上にヤンソンスさんのお姿とBRSOの音色が胸に響きました(涙)
最初の、ホールに冷たく響き渡るハープと弦の音から…
今でも録音した演奏を聴くと、じーーーんと来てしまいます。
音楽で伝わることってあるのだなぁと思います(普段はそれほど信じていない私ですが)。ヤンソンスさんの、BRSOの皆様の、皆の思いが音に乗っている気がしました。

演奏後は昨日同様、会場の皆様が起立。

本日の席は中央の位置だったこともありまして。
ホール全体の人々が日本の被災地の方たちのために目を瞑って頭を下げている姿が私の目に入ってきました。私よりもはるかに背の高い人たちの後頭部と背中で私の視界が一杯になりました。

大きなホールに集まった全員、ですよ。
ヤンソンスさんもBRSOの皆様も起立し、頭を下げて黙祷。
もしかしたら日本のことなどどうでも良いと思っている人もいたかもしれません。
でも、ホールはその時無音になり、少なくとも会場の誰もが1秒以上は「日本」という国のことを思い、黙祷した。。。日本に思いを寄せた。。。

この光景と空気を出来ることなら日本に持って帰り、1人でも多くの方にお伝えしたかったです。
人を思う気持ちってすごい力を持っているな、と思いました。
言葉で聞くのと、実際この場に居合わせるのとでは、全然違うのです。綺麗事とかではなくて。
この場にいる皆さんにものすごい力をいただいた気がしました。これは体験しないと分からないことです。でも私にはそれを言葉で表現することしか出来ないのがもどかしいです。
本当にお伝えしたい方たちに、いつかお伝えすることが出来るといいのですが…

恐らくこのような演奏会は世界の各地で開かれていることと思いますが、こういった気持ちに支えられている限り 日本は頑張れる、と思いました。
>私のような立場でこんなことを語るのもおこがましいのですが、そういう気持ちにさせられました。
今すぐで無くても、何年かかかるかもしれませんが、絶対。
その時にですね、ミュンヘンのガスタイクでこうやって日本へ思いを送った人たちがいたということを思い出したいし、その気持ちを力にしてさらに皆で頑張っていきたいと思いました。

黙祷が終わるとヤンソンスさんが舞台から去り、皆は着席しました。

そして昨日同様、青いドレスの内田女史とヤンソンスさんが登場!
内田さんは会場に向かって深々とおじぎをし、ヤンソンスさんとコンサートマスターのバラホフスキーさんに握手をしました。

内田女史のピアノ。

やっぱり素晴らしい…(涙)

何でこうやってスッと自分の心に入ってくるのだろうかと。
音が言葉になるのですよね。
このベートーヴェンの第3番を聴いている時間が楽しくて仕方が無くて、あっという間の時間でした。ずっと何度も聴き続けていたかったです。この曲も大好きになりました。>内田さんの演奏だからかな。
昨日も惹き込まれたBRSOと内田女史との会話はやはり素晴らしいし(聴けば聴くほど新しい発見があるといいますか)、内田女史が奏でるピアノの音色そのものも素晴らしいし。
第2楽章についても、私の言葉では表現不可能…
BRSOの方が内田女史を「amazing Pianist」と言っていたのがすごく印象に残っているのですが、本当、amazingという言葉を抜きには語れない方でした。

演奏後は会場から大きな拍手!
深々とおじぎをする内田女史に、本日は女性の方が花束を(昨日の男性でなくて良かった!)。

アンコールは曲目が分かりませんが、昨日とは違った曲だったと思います(ラジオではモーツァルトのアンダンテと言っているように聴こえるのですが)。
内田さんの演奏をもっと知りたくなりました。今度少しずつアルバムを聴いてみようと思いました。
客席もラジオの放送時間を意識しているのか、昨日とは違い、数回のカーテンコールで前半は終了致しました。

‐‐‐ 休憩時間です。

「後半は絶対眠らないぞ!」

そのためにもコーヒーを飲んでおきたいところ。
昨日行ったカウンターではコーヒーらしき文字がメニューに見当たりませんでした(とにかくドイツ語が読めなくて、何が飲めるのかが分からない、汗)。昨日は確かアイスティーを注文したのですが、とても大きな瓶に入ったものが出てきてびっくり…!(苦笑)>これを全部飲めと…
値段が2種類あったので何かなと思ってはいたのですが。>値段の高い方を注文した私たち。

本日は中央の大き目なカウンターに行ってみるとCafeの文字がありました!
これでコーラーが出てきてしまうのが通常私のお約束なのですが(どうしてでしょう、涙)、今回は無事にコーヒーをGet(先に友人が注文し、続けて「同じもの下さい」と言ったので!)。こういう小さな1つ1つの行動にしても、私の大切な思い出になっております(笑)

さらに念を入れてハンカチの上にミントを8粒ほど乗せて後半に備えます。(結局、ミントの出番がないくらいに後半を楽しんでしまったのですが!)

舞台にバラさんを始めとしてBRSOの皆様が出てこられ、最後にヤンソンスさんが登場!

そうしたら急に「もうこれで今回の旅行の目的である公演は最後の曲なんだ…」と頭の中でスイッチが入ってしまい(これが悲しみだったのか、それとも興奮だったのかは分からないのですが)、妙に目と頭がギラギラに冴えてしまいました(爆)

ジャーーーーン ジャジャジャジャジャジャーーーーーーン

コントラバスとチェロの低音がホール全体に鳴り響くと、頭の中に『旅』という文字が浮かびました!

… そうだった。
いつもヤンソンスさんの公演を聴いているとき、私はヤンソンスさんとオーケストラと一緒に旅をしていたんだ、と。(昨日はその気持ちを忘れていました。)

色々な楽器が次々とこの旅に合流して、皆で空を飛んでいるかのようでした。すごく気持ちが良かったです。>頭、おかしくないですよ。

そして、ヤンソンスさんお得意の(?)、オケの音を「ピタッ」と何度も止めて、演奏を魅せる部分。舞台の上の皆様がすごく格好いいのです!>ヤンソンスさん…vvv

続く、昨日は?と思った木管も本日は素敵だったと思います。違和感ありませんでした。
(私の前の席のおじさまも、うん、うん、と満足そうに頷いておりましたので。)

楽しみの1つだったバラさんのソロ。

何というか、ものすごく色っぽくて、素敵でした〜vvv
(音の入り方が。録音でも何度も聴いてしまいます。)
昨日よりもさらに脂がのっているといいますか、昨日も素敵でしたが今日はもっともっと素敵。
こんなにソロを聴けていいのかな、と得した気分でした。
音が深くて、1人で弾いている感じではないみたいでした。

当然なのかもしれませんが、バラさんは今回楽譜は自分用に1冊持っており、自分でめくっていました(通常は隣の方と一緒に見て、隣の方がめくってくれています)。
後日修正:BR KLASSIKで放送された映像を見ますと、やはり通常のように2人で1つの譜台を使っておりました!
これからソロ弾くぞー! って少し前から準備(あご当てのハンカチを直したり、座り直したり)する姿も見ていて幸せだったり。バラさん、大活躍でした。ああ、本当にここまで聴きに来て良かった!
>友人、ありがとう!

音楽なのに、これは物語なのですよね。それがどんどん伝わってきました〜v

英雄が戦う場面、そして静かに(?)息を引きとる場面。
途中で 「あ、昨日はここで私は目を覚ましたのだっけ」 と寒い思い出が蘇ったりもしました(汗)

最後は弦楽パートはお休みで、管楽器・打楽器で盛大にフィニッシュ。

音が細くなって消え、演奏が終わっても会場はしばらくしーーーんと静まり返り(この余韻を、音がシュンと消える瞬間を感じられるのが嬉しいです)、ヤンソンスさんが客席を向くと大きな拍手が!

もう、素っっっ晴らしかったです!
私も、いっぱい拍手をしてしまいました。
拍手を止めると帰らなくてはいけないので(笑)、拍手が止められない!

これが、本場ミュンヘンでの 『Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks』 なのかと体で感じることが出来て嬉しかったです。

ヤンソンスさんに昨日同様、花束(緑・黄色・オレンジの色が印象的な小さな花束でした)が贈られました。ヤンソンスさんはその花束を、やはり昨日同様、バラホフスキーさんにお渡ししました。

そして本日は各楽器パートの方たちを次々に立たせていました。
昨日はソロを弾かれたバラホフスキーさん以外は立たせませんでしたので、本日の公演はヤンソンスさんにとっても満足のいくものだったのだなぁと、さらに嬉しくなりました♪

このオーケストラが次に来日される時は、指揮者はヤンソンスさんでは無いと聞いています。
元々ヤンソンスさんがお目当てで聴きに行き始めたBRSOですが、でも必ず聴きに行きます!
そして私はミュンヘンで、もう一度BRSOの音楽が聴きたいです。
もう1つのホール、ヘラクレスザールでも聴きたい!>実現してもかなり先の話になると思いますが。

ガスタイクホールを立ち去るのは寂しかったですが、でも次への課題(野望?)がどんどん頭の中へ溢れ出てきて、自然と元気に楽しくホールを後にすることが出来ました。

この2日間の公演で感じた沢山のことを、そしてミュンヘンの街を、いつまでも忘れずにいたいです。
とても素敵な思い出となりました。
本当はもっともっと語りたいことがあるのですが、まとまりがつかないのでこの辺で(笑)


思い出のチケット*日本の一般的なチケットよりも厚紙で、キラキラが入っていて素敵なのですよ♪

※ そしておまけのどうでもいい話
演奏後、ホテルに戻るために地下鉄に乗っていると、前の席にはヴァイオリンを持ったBRSOの団員さん(男性。その方のお顔に私は記憶が無かったのですが…涙)が他の方と話をされていました。
で、その方が話をしながら手にハンドクリームを塗っていたのです。
そのハンドクリームがとても素敵な香りがしてですね。。。
しばらく長い間、その香りが車内に漂っていたのですv

ふとその方の手を見ると、すっごく綺麗なのでびっくり!
すべすべのツルツルですよ! 指先も美しい!
ヴァイオリニストさんって手や指先のケアをしっかりされているのかしら…と。
気付いた時にはハンドクリームをバックにしまわれていたので、メーカーは分からなかったのですが、もし分かっていたら 私、お土産に沢山買って帰っていた所でした(笑)


2011年3月31日 記

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