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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
【 2010年11月22日(月) at ミューザ川崎シンフォニーホール 】
指揮:マリス・ヤンソンス  アルト:アンナ・ラーソン
合唱:新国立劇場合唱団 東京FM少年合唱団


■ マーラー : 交響曲 第3番 ニ短調
あっという間の関東4公演でした…
ヤンソンスさん、RCOの皆様、楽しくて幸せな時間をありがとうございました!

本日最終日。夜になると少し小雨がパラついておりましたが、昨日のマーラー3番の興奮が冷めやらぬ中、そそくさとサントリーホールへ向かいました。
仕事など手に着きません(笑)! 昼間は1日中ドキドキしっぱなしでした。
早く会場に着いたので、久しぶりに開場時のサントリーホールの扉の上のオルゴール(?)の演奏を聴きました。外国の方は携帯で動画を撮っていたようです。

本日は少年合唱団と合唱団の方たちはP席にスタンバイするようです。
P席の3列目までに座っている方には係りの方が説明に行って、他の席に変更させれられているようでした。これはヤンソンスさんの御希望による変更なのでしょうか(ですよね)。それとも、間違えて販売してしまったのでしょうか。
4列目以降はお客様座っています。合唱団が起立する第5楽章は恐らく舞台が観えないですね…

本日の私の席は、いままでよりは気持ち後ろの席でした。この日のために WORLD ORCHESTRAS SERIES B を取ったのですもの! 気合い、入っていますよ!
でも、それでも管楽器は観えない席なのですよね(どんな取り方をしたのだろう、私)。
打楽器も観たかったです。一体、1人でどれ位の楽器を担当されているのかと。

いつものように舞台にRCOの皆様が登場され、ヤンソンスさんも登場!
今日でお別れなのだな…と思うと、たくさん拍手をしてしまいました。
合唱団がP席なので、舞台上も昨日よりは少し余裕があるようです。
昨日は本当にぎゅうぎゅうでしたから!

私も昨日マーラー3番を聴いたので、少し心に余裕が生まれたのか、今日は昨日以上に楽しむことが出来たと思います。そして、席のせいかホールのせいか、音の広がりが昨日のミューザ川崎よりも良かったです! 心にバーーーン!と何度も来ました。
私はミューザ川崎の方が好きなホールですので(心に残る演奏に数多く出会っています)、ちょっと意外でした。サントリーホールもなかなかだな…なんて、上から目線で感心したりして(笑)

今まではヤンソンスさんが目的で聴きにきているのに、ついRCOの方々に目を奪われてしまいましたが、今日は本来の目的であるヤンソンスさんをしっかりと目に焼き付けるぞ!と。

パ パーパパパーパ パ パーパパパパパーパ パーパーパパパー (ホルン)

ダン! ドン! (ティンパニー他)

ここでヤンソンスさん、激しく指揮棒を「左っ 右っ!」と横へ振ります。>格好いい〜!!!

そして、弦パートはビオラのトレモロ(というのでしょうか? ジャカジャカジャカ…と細かく音を出すことを)から始まります。
昨日も思ったのですが、このビオラが地味なのですがとても格好良いのです。
ビオラのトップの方は日本の方なのですが、輝いて見えます!

そして、チェロ・コントラバス…と次々と格好良いなぁ〜と思わず見とれてしまう演奏が続きます。
皆、格好良すぎです。格好良い以外の言葉が出てこない。。。

何やら牧神が目を覚まし、チェロとコントラバスのリズムは牧神の足音のような感じがします。
次々と奏でられる管楽器は生命力そのもの!

ヤンソンスさんもとても楽しそうに、左へ右へと指揮棒の動きも滑らかです。時々ガチョーーーン!という感じに左手で金管に指示を出します。

盛り上がる時など 縦っ!横っ! って感じに激しく十字を切って指揮をしたり(ジャンプしながら)、それに合わせてRCOの音も変化するので、やっぱりヤンソンスさんは魔法使いだ…と。

徐々に演奏する楽器が増えて行って、シンバルがバーーーン!と鳴る中盤最高潮の所は何度でも聴きたい位。ホール一体が音で埋め尽くされる時は胸がギュッとなります。生ならではの醍醐味です。舞台上が輝いているのですよね〜v
この盛り上がり部分は、ヤンソンスさんの歌声も大きくなってしまうようです。歌いながら指揮をされていました。一体どのパートを歌われているのだろう…と注意をして聴いてみたのですが、私が分かった時はファーストヴァイオリンパートでした。

昨日に比べて、ヤンソンスさんは一音一音をより丁寧に指示されているようでした。そして、音の消えていく間というものを重視しているように感じました(特に金管のソロを吹く辺りなど)。

後半の行進の際に、チェロの方は何と楽しそうに弾くのでしょう!
調べたら Johan van Iersel という方。東京文化会館の時から気にはなっていたのですが、マーラー3番では特に彼の魅力が爆発しておりました(笑) ヤンソンスさんもそうですが、Johanさんを見ていても、本当楽しくて。

生きている喜びとか。

大地から溢れだすエネルギーとか。

自然であれ人間であれ、生きとし生けるものを慈しみ、大切にしなければならない、というような気持ちにさせられた第1楽章でした。「自分は生きているんだ!」ということを強く感じるのですよね。
そして、今この瞬間ヤンソンスさんとRCOの皆様とそして会場の皆がここに集まっていることへの感謝の気持ちとか。全てが大切なことのように思えてしまったりして。
恐らくマーラーが考えていたこととは違うのだと思いますが。

1楽章の最後  ジャン!

ヤンソンスさんは右手をバシッと下へ振り、RCOの弦の皆様はバシッと右手の弓を高く上へあげて締めました。
そして、美しいアンナ・ラーソンさんが登場!
ヤンソンスさんは一生懸命にお顔と首の汗を拭かれています。

第2楽章はオーボエ(たぶん)のソロ、チェロのピチカートで始まるのですが、このチェロのピチカートが可愛らしさを演出していましてv
ヤンソンスさんも蝶がひらひらと飛ぶように左へ右へと滑らかに指揮をされていました。そのような感じの曲です。マーラーが最初に付けたタイトルは「野の花が私に語ること」。ちなみに第1楽章のタイトルは「牧神が目覚める。夏が進みくる」です。

第3楽章は「森の動物たちが私に語ること」。
ビオラのピチカートから始まり、木管の旋律がとても可愛くて!(第2楽章の可愛らしさとはまた別です) ヤンソンスさんも右に左にと肩を揺らし、小さく飛び跳ねながら指揮をされていました♪
時々人差し指だけで「ちょん」って感じで指示を出したりもして。
チェロの方も力入っています!
仮のタイトル通り、動物たちと遊んでいるようでした。

そしてこの楽章のもう1つの聴きどころ、ポストホルン。
いやーーー。昨日以上に素晴らしかったです! すごくいい!
ミューザ川崎の扉は手前にあったので、今一遠くから聴こえてくる感が欠けておりましたが、サントリーホールは舞台の奥の方に扉があるのでしょうか?
自分の目の前に山々が見えまして、その向うから聴こえてくるような、遠く、澄みきった音色でした。癒されました。泣きそうになりました。
昨日同様、前半が上手から、後半が下手から、演奏されておりました。

このホルン奏者、昨日家に帰って調べてみましたら、バイエルン放送交響楽団のゲストソロ(?)トランペットの方(Hannes Laubin さんと言います)だったのですね! これでさらに好感度upでしたv
今日も楽しみにしていました。大満足です。

第4楽章「夜が私に語ること」。「人が私に語ること」と書いてあることもありますね。
コントラバス、ハープの伴奏からして雰囲気が最高で、今日はニーチェの歌詞のことを敢えて考えずに聴いたのですが、アンナ・ラーソンさんの歌はまるで讃美歌のように聴こえました。
満天の星空の下で私が1人立っているようでもあり… 大変美しい世界でした。
ヴァイオリン・ソロもラーソンさんの歌声と良く合っていて。

第4楽章から6楽章までは続けて弾かれたので、第5楽章「朝の鐘が私に語ること」になると少年合唱団の子どもたちがスクッと立ち上がり、「ビム、バム…」が始まりました。

ビム、バム、良かった! 可愛い〜!!!
さすがP席なのか、今日は少年合唱団も合唱団の美しい歌声もホールを響いておりました。どちらもすごく良かったです。
そうです。私はこれを昨日聴きたかったのです!

最後の方のビムバムはヤンソンスさんも合わせて「ビム(縦)」「バム(横)」と手を動かして指揮をされておりました♪

そしてついに、涙、涙の最終楽章。>ここまでたどり着いて欲しくなかった。
泣けてきますね… 思い出すだけでも、じーーーんと来てしまいます。
私が好きなのは生命力溢れる第1楽章ですが、この第6楽章もとても良かったです。

弦の重厚な響きがこの4公演の終わりを告げているようで、昨日以上に心に染みました。
チェロのJohanさんも思い入れたっぷり。左右大きく体を揺らして弾いています。

マーラーが最初に付けたタイトルは「愛が私に語ること」。

…いいタイトルです。テーマが大きい!

ヤンソンスさんも胸の前で小さく指揮をされていたようで、背中しか見えない私は、まるで両手を合わせて祈っているかのように見えました。
皆さん、大切に、大切に、1音を出されていました。
(あ、金管が入る辺りで合唱団の皆様は着席されていました。)

そして盛り上がってくる所は指揮も爆発しておりましたが、ヤンソンスさんの歌声も爆発。
よく聴こえてきます!

人の命の行きつく先はこのような場所でありたいなと思ってしまうような、美しい世界でした。

ヤンソンスさんは両手を使ってまろやかに柔らかく指示を出していきます。
そして時々笑顔になって。

私は最後の最後のヤンソンスさんのお姿をしっかりと目に焼き付けてきました。

以下、ティンパニーの音に合わせて。

ダーーーーーー ダン・ドン・ダン・ドン

ダーーーーーー ダン・ドン・ダン・ドン

ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(左側の人たちに指示)
ダン… ドン…

(右側の人たちに指示)
ダン… ドン…

(全体に向かって両手を上げてジャンプ)
ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(伸ばしながらも、もっと大きく、もっと大きく、と指示を出して)

(さらに大きく!と指示を出して) >なかなか最後は終わりません!

そして、ジャンプしてフィニッシュ。

シュン…と、音が消えてから、拍手〜!!! ブラボーーー!!! となりました。
(何書いているかの意味不明かもしれませんが、これが私の頭の中の最後の記憶です。)

欲を言えば、あとさらに3秒程余韻の時間が欲しかったですが、昨日に比べたら大満足です!
音が消えた瞬間の舞台上の皆様、何か良かったなぁ。
興奮して拍手する手も全然疲れないし、いつまでもカーテンコールを続けたかったです。

私の左隣の男性2名は早々に席を離れましたので、ここぞとばかりにステージ前まで行って拍手してしまいました(爆)
最後は目の前までヤンソンスさんが来て下さり、今年のヤンソンス祭りは終了致しました。

幸せな4日間を、本当にありがとうございます。
ヤンソンスさんもRCOの皆様も、次回日本に来て下さる日を楽しみにお待ちしております!


2010年11月24日 記

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