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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
【 2010年11月21日(日) at ミューザ川崎シンフォニーホール 】
指揮:マリス・ヤンソンス  アルト:アンナ・ラーソン
合唱:新国立劇場合唱団 東京FM少年合唱団


■ マーラー : 交響曲 第3番 ニ短調
今回のRCOとヤンソンスさんの来日公演で、一番楽しみにしていたマーラー3番の日がやってまいりました! わーい!
マーラー、マーラー、と楽しみにしていたくせに数日前に曲を予習した私(知っている曲でも無いのにマーラーというだけで騒いでおりました…)。それでもいいのです、幸せならば。
そんな状態ですので、曲をよく分からないまま以下書き連ねます。(いつも以上に上手くまとめることが出来ませんでした。)

私にしてはとても珍しく、開場の17:30より前に入口に着きました。
サントリーホールは開場の際に入口の上のオルゴールが鳴りますが、ミューザ川崎は入口の横で男性が手巻きオルゴール(?)を鳴らすのですね。クリスマスの曲が流れておりまして、何だか幸せ気分が倍増しましたv

本日も2列目(だから、私はオーケストラ全体を見渡したいのですが…>思うようにチケットが取れませんでした、涙)。コンサートマスターさんが目の前にいらっしゃる席ですv 本日のコンサートマスターさんは、BSで放送された公演と同じくロイヤルさん(私が付けた呼び名です)でした。

久しぶりにミューザ川崎の前列の席に座りましたが、舞台は低いし、客席との距離もものすごく近いですね〜! これは関西フィルさんのコミュニティーコンサートで聴くよりも近いのではないかと思いました(あれも近いとワクワクしましたが)。本当に目の前で演奏しているという状態で、贅沢極まりなかったです。手を伸ばせばロイヤルさんが触れるのではないかと思う位。恐らく音は後ろの席の方がいいと思いますが、素敵な弦パートの音色を沢山浴びてきました♪

詳しい編成などは分かりませんが、舞台上は人でギュウギュウ。
合唱団、少年合唱団の方々も、舞台の後ろに配置されています。打楽器もよく見えませんが、沢山あるようで。

大拍手の中 ヤンソンスさんが登場し(ヴァイオリンの方たちがヤンソンスさんの通る幅を確保しなきゃと椅子をずらした位、舞台のギリギリまで椅子が並んでおりました)、約100分の旅が始まりました。
ミューザ川崎はヤンソンスさんがお気に入りのホールです。ヤンソンスさんも気合い入っていらっしゃるだろうなぁと、こちらもワクワクしてしまいます。

会場皆が期待をし、しーーーんと静まり返る中での最初のホルン。
私はもうすでにこのホルンの2音位で涙がウルウル来てしまいました(爆)>早すぎ!
予習をしている時、もうここら辺で意識が無くなっていたのだよなぁ…とか、この演奏を聴くまでのこの数日間のことを考えたら感無量で。

そして映像の場合、睡魔が襲う原因とも言える弱音の繊細な打楽器の音色。
CDですと「ちゃんと再生しているのかな?」とか機器を疑ってしまう位、小さな小さな音。
当然ですが生演奏は全然眠くありません!
その繊細な音に耳を傾けるために集中し、RCOの打楽器の方はやはり上手だなぁと感心し。

続いて行進曲の部分の盛り上がりが皆様とても素晴らしくて!
私の席には弦の綺麗な音色がビシバシ伝わってきました。リズムも良いですよね〜v
チェロの方などは休みの部分も左足で拍子を取り、体を動かして一緒に歌っていました。そうやって引き続き演奏に入るのですから、リズムが悪い訳がありません! 楽しそうに笑顔で弾かれていたのが印象的でした。弦パート、どれも良かったなぁ。

素人が見た感じでは、ヴァイオリンだけでも3〜4パート位あるように感じ、2列の同じパートでもそれぞれ隣と違うように弾かれている部分もあったり。チェロも後ろと前とでパートが違うように感じました。あ、今日は後ろのチェロパートにテツラフさん(私が勝手に付けた呼び名)がいました。
そんな入り混じった楽器たちを取りまとめる指揮者(ヤンソンスさん)はとても大変なのだろう…と思いました。複雑すぎて頭が混乱してしまいそうです。
途中、弦と管とのリズムがごちゃごちゃしているように感じた部分もあるのですが、それが難しさなのか、マーラ流の混沌さなのかが私には分かりませんでした。
ヤンソンスさんがしきりに歌って演奏をリードしていました(どのパートを歌っているのか私には分かりませんでした)。いつも以上に大きなお声だったので、主旋律はヤンソンスさん…?!みたいな状態に。そうしないとまとまめられない位、難しい曲なのだろうなと思いました。
演奏する皆様が1人1人輝いていて、どこを見てもすごいな〜とワクワクしました。
しばらくお休みで、暇そうにしているパートを見るもの楽しかったです(笑)

Wikipediaでも歌詞カードでも、マーラー3番についての解説には必ず書いてあるのですが、ブルーノ・ワルターという人がシュタインバッハにマーラーを尋ねて行った時、周りの自然に目を奪われたそうなのですが、その時にマーラーが「君はそんなにながめてる必要はないのだ。なぜなら私が、そのすべてをもう作曲してしまったから!」と言ったのだとか。
その言葉の意味が、少しだけ分かったような気がします。シュタインバッハに行ったことはありませんが、この曲は生命に満ち溢れていて、目に見える自然だけではなく、「パン(牧神)」というキーワードをマーラーが使っているように、自然の先にある神の存在までもが音符に含まれているように感じました。

30分はある第1楽章が終わると、ヤンソンスさんは汗びっしょり。何度もハンカチで汗を拭かれていました。個人的にはこの第1楽章が一番私の好みでした♪ あの舞台上の盛り上がりが。

そしてアルトのアンナ・ラーソンさんが舞台に登場。美しい方です v
少年合唱団の横に座られました。

第3楽章では舞台裏からイングリッシュホルンが美しく鳴り響くのですが、前半は上手、後半は下手の扉の奥から演奏されていたようです。急いで舞台裏を横切られたのかな…なんて、思いました(笑)
イングリッシュホルンも素敵でした〜v
こちらも恐らくBSで放送された時の公演と同じ方だと思います。
(追記:後日映像を確認しましたら、全然違う方でした!すいません。)

第4楽章。アルトのアンナ・ラーソンさんの出番です!
ニーチェの不思議な言葉に、マーラーは上手く音を合わせたなぁと思うのですが(私にとってはデビット・リンチ監督の世界です)、ラーソンさんの美しい歌声はその世界を見事に広げて下さいました。

第5楽章が始まると、スクッと(本当にスクッと)少年合唱団の皆が立ち上がりました。
これは可愛かったです♪ それを見て、セカンドヴァイオリンの女性もにっこり笑っていました。
でも彼らの「ビム・バム」は小さすぎて聴こえないよ! 楽しみにしていたのに…(涙)
完全に鐘の音にかき消され、いてもいなくても変わらないような気がしました。
合唱団の方たちも少しは聴こえましたが、ほぼ金管の音色に消されていたのが残念でした。
合唱については、最初のあたりはヤンソンスさんも激しく歌っていて、私の耳にはヤンソンスさんのお声が鳴り響いておりました(それはちょっと幸せだったりして♪)。
そう考えると、ラーソンさんの歌声ってすごいなぁと思います。ラーソンさんのお声ははっきりと耳に届きましたから。

第6楽章。あっという間でした。長い旅の終着点。
ここまで旅をしてきた御褒美ともいうような、心にしんみりとくる造りになっています。
そして、最後の最後がなかなか終わらない(笑) ここまできたのだから、簡単に終わらせるものか!というマーラーの気持ちが見えてくるようです。

終わりに近づいた頃、私は余計なことをふと考えてしまいました。
ここまで約100分演奏してきて、最後の一音が終わった時に会場は一体どうなるのだろう。今日のお客様はどのような方たちなのだろう…と。(私の両隣はすでに熟睡。左のおじいさんは私に寄りかかった状態デス、汗)

フライングブラボーとかあったら最悪。早めの拍手も勘弁して欲しいなぁ…

結果。
音が消える前に拍手した人がいて(怒) それにつられて周りも拍手をしてしまって。
>余韻台無し。というかこれでは余韻を作れない状態… これ、少年合唱団の御家族の方だったりしたら怒るよ!
1列目のオッちゃんは、タイミングの悪い「ブラボー」を飛ばすし!

私たちの100分を返して下さい、と言いたかったです。

初めてマーラー3番の生演奏に出会って感無量でしたが、早めの拍手だけが残念でした。
明日のサントリーホールでは、こういうことの無いように願っております。

アルトのアンナ・ラーソンさん。舞台の前に出てきて下さいましたが、とても背の高い方でした! ヤンソンスさんやコンサートマスターのロイヤルさんよりも高いです。そして、とても美しい方でした。おじきの仕方も綺麗〜v 拍手をたくさん送ってしまいました。

もう、とにかく3番が聴けて嬉しい1日でした。
最後まできちんと(眠ることなく)楽しめた自分もすごいと思いましたし、舞台上の世界が本当に輝いていました!>毎公演のことですが。
マーラーが初めてRCOの指揮をしたのがこの3番で、この曲はマーラーとRCOを結ぶきっかけとなったRCOにとっても特別な意味を持つ曲なのだそうですが、当時の方たちはマーラーとRCOの演奏を聴いてどう思っていたのかなぁ…などと思ったり。

明日の最終公演も、たっぷり楽しんできます!

2010年11月22日 記

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