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関西フィルハーモニー管弦楽団 伝説のオペラ歌手、ジョゼ・ヴァン・ダム唯一の東京公演実現! 創立40周年記念ガラ・コンサート 東京特別演奏会vol.2 |
【 2010年9月14日(火) at サントリーホール・大ホール 】 指揮&ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ バス・バリトン:ジョゼ・ヴァン・ダム 管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団 ■ モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」 ジョゼ・ヴァン・ダム、華麗なるオペラ・アリア選 ■ モーツァルト:カタログの歌「奥様、これが恋人のカタログ」(歌劇「ドン・ジョヴァンニ」) ■ モーツァルト:「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(歌劇「フィガロの結婚」) ■ モーツァルト:「ため息をつきながら」(歌劇「フィガロの結婚」) ■ ヴェルディ:「ひとり寂しく眠ろう」(歌劇「ドン・カルロ」より) ■ ドリーブ:「おまえの優しい眼差し」(歌劇「ラクメ」) ■ ロッシーニ:「中傷とはそよ風のように」(歌劇「セヴィリアの理髪師」) ************************************* ■ ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93 アンコール ■ ビゼー:アダージェット(「アルルの女」第1組曲より) |
本日の公演は、10日に聴いたものと同じプログラム。ですが、場所は東京 サントリーホールです! デュメイさん、ようこそ東京へ! 待っていました!!! それだけでも私は嬉しいです。仕事は早々に片付けてサントリーホールへ向かいました。 10日の公演が最初から最後までとても良かったので、モーツァルトのvn協奏曲第5番とベートーヴェンの交響曲第8番を改めて予習して行きました。気合い、入っています! 楽器を持ったお子様を連れた親子をよく見かけました。ですが先日のシンフォニーホール同様、男性が 多かったのは、休憩中のお手洗いの長蛇の列から見ても明らかでした。男性のお手洗いの列がこれだけ長いのは、滅多にありません。恐らくヴァン・ダムさんのお声が目的なのでしょう。 早めに着いたので喫茶室でゆっくりしてからホールに入ると、舞台にはすでに西濱事務局長のお姿が…(汗)そうでした。関西フィルさんの場合は演奏前に挨拶があるのでした。それは東京公演でも同じでした。 周りを見渡しますと、残念ながら空席があります(涙) でも仕方無いです。有名な演奏家でもサントリーホールが満席になることはなかなかないですし(超注目の公演くらいです)、他のオーケストラでもこの位の空席はありますし… と、私が申し訳ない気分に。>デュメイさんとの(デュメイさんがいなくても)東京公演は今後何度もしていただきたいので。 西濱事務局長の話が終わり、オーケストラの皆様が舞台に登場しても客席からの拍手は無し。 大阪ではいつも温かい拍手で迎えているので、これまた申し訳ない気分に。 こちらでは拍手がある時と無い時があるのですよね。今回の客席は拍手はしない方たちが集まったようで。先頭切って拍手する勇気も私には無く。申し訳ありませんでした。 関西フィルの皆様も何となく緊張されているような気がして、舞台からそのような空気が伝わってくるような気がして、なぜか私がドキドキしてしまいました。 コンサートマスターの岩谷さん、そして元気良くデュメイさんが登場! この時は大きな拍手がありました! 今日の私の席は1階の後方の席です。 1曲目のモーツァルトのvn協奏曲が始まりますと、その素敵な音のバランスに感激しました。弦全体はモワっとした感じではあったのですが(サントリーホールのこの辺りの席ってモワっとしますよね)、舞台上の全体のバランスがとてもいいです。 いつも大阪では前の方の席に座っているので、デュメイさんのヴァイオリンを中心とした音が耳に入ってきます(笑) それはそれで好きなのですが、今日の音は嬉しくなる位素敵。 私の気合いが入り過ぎて妄想の世界に入り込んでいたのかもしれませんが、この関西フィルさんのモーツァルトの1音が、デュメイさんと一緒にモーツァルトを録音されているトゥールーズ国立室内管弦楽団の音と同じに聴こえました。舞台上にヨーロッパの風が吹いていたのです! 弦も管もすごいなぁ…と。 少し早目のテンポかなと思いましたが、強く弾く所やリズムなどを強調してデュメイさんは指示を出されていました。 そしてソリストのデュメイさんのヴァイオリンが、ゆっくりとその音の中に入って行って…(至福♪) 大阪ではデュメイさんはヴァイオリンに集中されているように感じましたが、今日のデュメイさんはオケの方たちとたくさんアイコンタクトをされていて、表情も多彩にして弾かれているようでした。私の席からはデュメイさんの細かな表情は見えなかったので 実際は違うのかもしれませんが、私にはそう感じました(あの優しく暖かな音を出すには、あの表情しかないでしょう!と勝手に妄想、笑)。 カデンツァでサントリーホール一杯に響き渡るデュメイさんの音色。 幸せすぎました… デュメイさんのヴァイオリン、大好きです! カデンツァの最後にはデュメイさんの唸り声も聴こえて、あぁ、デュメイさんは相当気合いが入っていらっしゃるのだなぁとこれまた感激。 続くデュメイさんのヴァイオリンが満喫出来る第2楽章も、1音も聴きもらさないぞ!という気持ちでしっかりと聴きました。席のせいなのか、今日は関西フィルさんとデュメイさんとのハーモニーがとてもいいのです。 第3楽章。これで今年のデュメイさんのヴァイオリンが聴けるのも最後なのね… と悲しくなりましたが、でもとても面白い演奏でもありました。 大阪では熱演のあまりに眼鏡を飛ばしてしまったデュメイさん。そのことが気になったのか、第3楽章ではしきりに眼鏡の位置を直されていました(笑) 途中でデュメイさん、チェロパートに向かって挑みかけるようにジャカジャカジャカ…って弾いたりして(ここで曲の雰囲気がすごく変わったような気がします)、そのチェロパートの先頭には体の大きな向井さんがいらっしゃって、私にはデュメイさんvs向井さんの戦いにしか見えなくなってしまいました。 この曲って、こんな挑戦的な曲だったのか…と。 そうしてトルコ行進曲の部分に突入。そうなると今度はチェロ軍団がデュメイさんに反撃しているようで。そうか、この曲は戦いの曲だったのか…と(違います)。 その(私の妄想上の)やりとりが、とても面白かったです。音楽の世界が膨らみました。 そしてまた元の平和的な(?)優しい曲調に戻って、フィニッシュ。 デュメイさんのヴァイオリンが聴けなくなるのかと思うと寂しいですが、でもとても素晴らしい演奏を聴くことが出来ました! 大満足です。 会場も大拍手! そして、開演時間に間に合わなかった方たち(ヴァン・ダムさんがお目当てと思われます)がたくさん入ってきました。満席ではありませんが、でもお席が結構埋まって一安心。 デュメイさん以上の(…涙)大拍手の中、ジョゼ・ヴァン・ダムさんが登場! 初対面でもあれだけ人を引き付ける魅力って何なのでしょう。 私も先日に続いて2度目ですが、それでもヴァン・ダムさんに魅せられてしまって。 そして、よく分からずにもこれがさよなら公演だということで(具体的にどういうさよなら公演なのかが私には未だに分かりません)、悲しくなってしまったりして。 イタリア語は分からないし、オペラも分からないのに、ヴァン・ダムさんのお声と表情で(派手な動きなどはなさらない方でした)、その世界に入ることが出来るのです。愉快になったり、神妙になったり。 ヴァン・ダムさんが手前に立っているはずなのに、遠近法でデュメイさんが手前に立っているように錯覚をおこしたりもしました。時々デュメイさんを見ると、不思議な気持ちになりました(汗) デュメイさんは本日も素敵な指揮者でした。ヴァン・ダムさんの世界に当たり前のように溶け込んでいました。お二人を見ていると、幸せな気持ちになれました。 一度ヴァン・ダムさんとデュメイさんが舞台を去って、オーケストラの編成も少し変って、後半はヴェルディの「ひとり寂しく眠ろう」からです。 大阪でも感じましたが、この時の向井さんのチェロがものすごく格好良いのです! 物語のあらすじを、チェロが語っているようで。(先程のモーツァルトでは、私の頭の中でデュメイさんと戦っていた方なのに、笑) ヴァン・ダムさんのお声も胸にじーーーんときて(内容は分かりませんが)、正にオペラのワンシーンを見ているかのようでした。 全部の曲を歌い終わると、ヴァン・ダムさんとデュメイさんは固く抱き合いました(涙) ヴァン・ダムさんもデュメイさんも、きっとお互い「ありがとう」と言っているのだなと思いました。 会場、大拍手。ブラボーも飛びます。 拍手が鳴りやまず、ヴァン・ダムさんは何度も舞台を行き来されました。ここで拍手を止めなければ、ずっとヴァン・ダムさんは歌い続けて下さるような気がして(このサントリーホールで、では無くてオペラ歌手として、という意味です)私も拍手の手を止めることが出来ませんでした。 …そして、ヴァン・ダムさんのさよなら公演は終わりました。 休憩後、ヴァン・ダムさん目当ての方は帰られてしまった方もいたようで、私の周りの空いているお席が気になりました。 勿体無い。後半のベートーヴェンの8番を聴かないで帰るなんて! デュメイさんの8番はやはり速かったです。 音を強める所にすごく指示を出されていたようで、メリハリのある出だしでした。 ティンパニの音が大きすぎて、その他の楽器が聴こえない部分もあったのが残念でした。 「ティンパニ鳴らせばベートーヴェン、という訳ではないのにっ!」と怒りも少しあったのですが、その強さはデュメイさんの指示によるもののような気もしまして、良く分からないけどそういうデュメイさんのイメージならば、それはそれでいいのだろうな、と(苦笑) とにかくデュメイさんが楽しそうで、幸せそうで、真剣で。 音の伸ばし方や切り方なども、先日のコミュニティーコンサートで関西フィルの方々がお話されたように、これがフランスのエスプリなのかな?と思えるように独特でした。 時々私としては「?」な部分もありましたが、でもこれがデュメイさんの表現したい世界なのだろうなと思うと、納得してしまうと言いますか。 不思議な魅力を持ったベートーヴェンでした。 今回、「この東京公演を成功させるぞ!」というデュメイさんと関西フィルさんの気合いと団結力が客席に強く、強く、伝わってくるような公演でした。 そして友人が「この千秋楽の東京公演に焦点を合わせて、これまでの公演をデュメイさんと共に演奏されてきたかのようだ」と言っていたのですが、私もそうだと感じました。その気持ちがサントリーホールで見事に結果として出ていたようで、素晴らしかったです。 2011年からはデュメイさんは関西フィルの音楽監督に就任されるとのこと(しかも5年間も!)。 4月はピリスさんとゴムツィアコフさんとの共演もあります。すごいです! 本格的にCD録音のお話も進んでいるようですし、来年もデュメイさん+関西フィルさんの音楽を聴く機会がたくさん作れたらいいなぁと楽しみにしております♪ いやーーー、でも今回のデュメイさん。何度も言いますが超絶好調でした。嬉しかったです。 2010年9月26日 記 |
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