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関西フィルハーモニー管弦楽団 コミュニティーコンサートVol.48 |
【 2010年9月12日(日) at オークホール(関西フィル練習場) 】 指揮およびヴァイオリン独奏:オーギュスタン・デュメイ 司会:西濱秀樹 管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団 【 第1部 】 デュメイの指導を受けたアンサンブル ■ フランセ:八重奏曲より 第1楽章・第4楽章 ヴァイオリン:友永健二・西村千奈美 / ヴィオラ:山本知資 / チェロ:夏秋彩 コントラバス:袖下績 / クラリネット:梅本貴子 / ファゴット:星野則雄 / ホルン:永武靖子 華麗なるデュメイのソロ ■ ブラームス:スケルツォ(F.A.Eソナタより) ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ / ピアノ:加地美秀子 デュメイと首席奏者たちの華麗なる共演 ■ シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 D.667 「ます」 ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ / ヴィオラ:中島悦子 / チェロ:向井航 コントラバス:大野緑 / ピアノ:加地美秀子 ‐‐‐ 休憩 ‐‐‐ 【 第2部 】 デュメイが指揮する関西フィル弦楽アンサンブル ■ モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136 指揮:オーギュスタン・デュメイ 第1ヴァイオリン:岩谷祐之 徳岡裕紀 森本一人 境三千代 第2ヴァイオリン:鈴木洋子 平野あずさ 齋藤清 伊勢久乃 ヴィオラ:中島悦子 飛田千寿子 多田素子 ステファン・ポポフ チェロ:向井航 渡部良 分藤美紀子 コントラバス:猪飼正代 アンコール ■ ビゼー:アダージェット(「アルルの女」第1組曲より) |
前日京都観光で歩き回ってしまい、全身筋肉痛、そして疲れが溜まってきた(遊びすぎて)2010年秋 デュメイさんの大阪公演最終日。 大阪3公演を一緒に聴いた友人は、前日東京を日帰りされていました。 彼女もだいぶ疲れていたことと思います。 ですので、大阪駅から本日の会場オークホールのある弁天町駅へ向かう電車を2人で自信満々に乗り間違えたり、帰りの電車のホームも違う方へ上がってしまったりという、波乱万丈の(?)1日でした。 でも、そのような部分1つ1つも私にとっては大切な思い出です♪ そのような訳で、せっかく大阪2泊してデュメイさんの演奏を聴きに来たのに、デュメイさんの生音が間近で聴けるという、普通ではありえないような(こんなチャンスがあるのはラ・フォル・ジュルネかコミュニティーコンサートか、って感じですね、笑)シチュエーションであるにも関わらず、演奏中の私の意識はかなり遠くの世界を彷徨っておりました〜〜〜(涙) デュメイさん、本当にすいませんでした。 >余談ですが、帰りの新幹線では新大阪〜品川間を爆睡でした。。。 本日会場に着いて まず驚いたのが、本日のプログラムがオフセット印刷されていること。 昨年はカラー用紙に白黒コピーでした。定員数が少ないコンサートですし、これが普通だよね…と思っていたのですが(少部数印刷だと1部あたりのお値段が高くなりますし、そのためにきちんとデザインをするのも大変ですし)。 とても素敵な、関西フィルさんのデュメイさんへの熱い思いが伝わってくるようなパンフレットに仕上がっておりました♪ 青色もデザインもシンプルですが私の好みでした〜v 早速 その好印象のパンフレットを開いて本日の曲目を見てみますと、デュメイさんのブラームス「スケルツォ」が! おぉ!!! 今回のデュメイさんのコンサートで数年前を思い出すことが多い気がするのですが、ここでも逗子で初めてデュメイさんのヴァイオリンの生音に出会った時の光景を、スケルツォの衝撃を思い出しました…(涙) ピアノは小山実稚恵さんで、お二人ともものすごく格好良かったのです! デュメイさんのスケルツォは最高なのですよね。今日も楽しみ♪ 楽しみ♪ また、パンフレットの最終ページは1枚大きく使ってSOYJOYの広告が。 そうか、本日の公演のスポンサー(?)もあの製薬会社さんなのね… ということは、今日は7本セットをまたいただけるのかな?! と、こちらの期待も高まりました(笑、SOYJOY嬉しいです) 実際、終演後に出口で7本セットをいただくことが出来ました! わーい! 関西フィルさんの創立40周年と、デュメイさんの音楽監督就任を記念して今年は7本なのです。 最初に西濱事務局長のお話があって(東京や他のホールではこんな値段でデュメイさんの音楽は聴けないのですよ〜!というお約束のジョークもあり、笑)、1曲目はフランセの八重奏曲です。 先日どちらかの場所で、このメンバーでこのフランセを演奏されたそうです。そして、デュメイさんが来日されてから 改めてこの曲の指導を受けたということです。 私はフランセという作曲家自体知りませんでした。管楽器のリズムがとても可愛くて、初めて聴く人でも入り込みやすい楽しい曲だなぁと思いました。(最初聴いた楽章が、運動会とか遊園地のようなイメージ、次に聴いた楽章がダンスパーティーのような優雅なイメージとして記憶に残っています。ラヴェルのラ・ヴァルスのような。曖昧な記憶ですが。) 演奏が終わりますと、クラリネットの梅本さんより少しお話をお聞きしました。 数ある八重奏曲の中でも楽しい曲をということで、フランセの曲を選んだのだそうです。 そして、この曲はフランスのエスプリな雰囲気をどのように表現していくかが難しいのだそうです。 「私たちオーケストラの者は、どうしてもドイツの演奏…常に張りつめたような演奏をしてしまいがちなのですが、今回デュメイ先生から少し力を抜いて演奏する奏法…そういうフランス的な雰囲気作り、フランスの香りを教えていただきました。」 というお言葉が(私の記憶が薄れているので少し違うかもしれませんが)私には印象的でした。 今までは頭の中で何となく感じていたデュメイさんの魅力を、的確な言葉で表現して下さったように感じました。 デュメイさんって時々フッと力を抜いて曲の流れを作るといいますか、その変化に客席は魅せられる(吸い込まれる)時があるのですよね。メンデルスゾーンのvn協奏曲などは正にそうでした。 すごくいい言葉を聞いたなぁと、嬉しくなりました。これがデュメイさんの秘密の力だったのですね(笑) 続いて、西濱事務局長よりF.A.E.ソナタの説明(この曲はシューマンとディートリヒとブラームスが作曲したもので、またF.A.E.とはヨアヒムのモットーである「自由だが孤独に」(Frei aber einsam)の頭文字をとったもの)があった後にデュメイさん大拍手の中 登場! ヴァイオリンの弦をポン、ポン、と指で弾きながら、(恐らく「Bonjour!」と)私たちに挨拶をしているようでした。こういうデュメイさんの姿、久しぶりに見ました。本当、今回は絶好調なのですね、デュメイさん。この挨拶は演奏後も、次のシューベルトの時もずっとされていました〜v このスケルツォは大好きですし、デュメイさんもピアノの方も大変素晴らしい演奏をされたのだとおもいます。 でも、こちらの気持ちがまだ高まりきれずに2曲目でいきなりこのデュメイさんからのアウト・プットの多い曲を弾かれても、受け止めきれません〜 4曲目位でじっくり聴きたかった〜〜〜(涙) こちらが曲に入り込んでいない間に(短い曲ですので)終わってしまいました。。。 ガーーーン! もちろんすごいなぁとは思いましたが、本当はもっともっと感激出来たと思うのです。(だって、デュメイさんのスケルツォですよ!) 自分自身の疲れもあって、残念なのと同時にデュメイさんに申し訳なくも思いました。 そして、次が今回のコンサートの目玉でもある(と思う)シューベルトのピアノ五重奏曲! 「ます」です!!! ですが、私の疲れはここが一番ピークを迎え、あまり記憶が…(以下自粛) 演奏して下さった皆様に申し訳なく思いました。昨年のシューマンの時の感動を再び感じたかったのですが。きちんと聴いていれば、大興奮だったに違いありません! そのような中でも、有名な旋律をデュメイさんが目の前で演奏し、それを私の耳が生音で聴けていることの感激、このような機会を作って下さった関西フィルさんに感謝いたしました。 デュメイさんの「ます」が聴けるとは… あとは、この曲は私はピアノ中心で聴いてしまうのだな…(苦笑)ということも分かりました。デュメイさんのヴァイオリンというよりもピアノの加地さんの音を耳が追ってしまいました。そしてその音の先にはダルベルト先生の旋律があったりして(シューベルト=ダルベルト先生というイメージがありますし、LFJで聴いた「ます」のダルベルト先生の姿は忘れられないので←素晴らしかったデス!)。 演奏後にヴィオラの中島さんのお話がありまして、そのお話にまた惹きつけられました。 コミュニティーコンサートの魅力は、身近な距離で演奏を聴けるということだけでなく、演奏後のこういったお話が(私にとっては)とても価値のあるもので、時間のある限りずっと聞いていたいです。 特に中島さんのお話は、言葉の選び方に無駄が無く、イメージもしやすく、とても共感出来ました。 デュメイ先生と一緒に演奏し、指導を受けることが出来る喜びというものがすごく伝わってきました! そして、先程のクラリネットの梅本さん同様、お話の中に「フランスのエスプリ」「フランスの香り」という単語が何度も登場しました。>香りというのは音楽だけでなく、デュメイさんご自身大変良い香り(香水)がするとの補足情報も(笑) 「デュメイさんは演奏する度に 違う演奏をされて(違う変化をつけられて)、その都度違う指示も受けるので、先程の演奏もそうでしたが いつも気が抜けないというか真剣勝負です。」 …のようなお話でした。先程の演奏(シューベルト)も大変満足されていらっしゃいました♪ また、中島さんはドイツ系の○○(お名前を忘れてしまいました。とても有名な方です。)先生にも指導を受けられていているそうで、その先生とデュメイ先生との違いを分かりやすく述べられていました(言葉のニュアンスによるものなので、それを文字で表現することが出来ないのですが)。 やはりクラリネットの梅本さんのようにドイツの先生は最初から一直線というか、ガツッと音を出すような感じで(この表現は違うかもしれませんが)、デュメイ先生は大変変化のある柔らかい、私が中島さんの説明を聞いた感じではワルツをしているかのような、そういう音作りをされている違いがあるようです。>私の言葉では分かりやすいお話も分かりづらくなります… 次のモーツァルトのディヴェルティメントも、デュメイさんの手によって今まで聴いたことの無いような仕上がりになっているので、ぜひお楽しみ下さいとのことでした。 昨年のように この時 18時を回っていて(16時開演)、でも休憩後の1曲は短い曲なのですぐに終わります、という西濱事務局長の説明が。 デュメイさんはヴァイオリニストとしての立場(気持ち)と指揮者としての立場(気持ち)を切り分けないと演奏が出来ないそうで、どうしてもこのように片寄ったプログラムになってしまうのだそうです(後半のモーツァルトは指揮なので)。指揮をした後にはヴァイオリンは弾けないのだそうです。 休憩中に気分転換です。後半はしっかり聴くぞ! と反省の意味も込めて気合い十分でした。 余談ですが、関西フィルの練習場であるオークホールには自動販売機が3台(確か)ありました。 でも本日は大塚製薬がサポートしている公演なので、大塚製薬の自動販売機1台のみが稼働していました(他の2台にはシートがかけられていました!)。こういう関西フィルさんのスポンサーに対する気配りもすごいなぁと思いました。 思い出しましたが、いつもの関西フィルさんの公演では指揮台にスポンサーのロゴを入れているのですが(客席から見えるように)、デュメイさんの場合は指揮台を使わないので 表示が出来ずに申し訳ありません、のようなお話も先日のシンフォニーホールの際にありました。 すぐに終わるという後半のモーツァルト ディヴェルティメント K.136。 モーツァルトの曲は沢山あるので、番号を見てもどの曲かは私には分かりません。恐らく私の知らない曲だろうな、と思っていました。 ですが演奏が始まったとたんに、私の頭でフッと蘇ったのです。 ゴルダン・ニコリッチさん ――― テーマがモーツァルトの年のLFJで、私はゴルダン・ニコリッチさんの弾き振り(といいますか、オーケストラに指揮者がいない状態といいますか)でこの曲を聴いていたのでした。 私にとっては穴埋め的な公演だったのですが、ゴルダン・ニコリッチさんの演奏に魅せられてしまい、また別の機会に聴きに行きたい…と思いつつ、それっきりとなっていました。 私はこの曲を聴くと、16歳のモーツァルトが草原を駆け抜けていくような、爽やかなイメージが浮かびます。若さと勢いと清々しさがあって。元気と笑顔が生まれる曲です。 デュメイさんのこのディヴェルティメントは、弦の美しさというよりも、リズムの刻み方(?アクセントの付け方?)を重視して曲を作っているように感じました。そして、先程梅本さんと中島さんがお話されていたように、時々音がふわっとして(力を抜いて)変化を出しているように感じました。 演奏も素晴らしかったですし、私も幸せ気分になりましたし、何より頭の中はゴルダン・ニコリッチさんのことで一杯になりました(爆、集中できずに申し訳ありません) どうしてデュメイさんはこの曲を選ばれたのかな?とも思いました。デュメイさんの指揮には力が入っていました。思いがけず この曲と再会して、とても嬉しかったです。 これで関西3公演は終わり。大変充実した3公演でした。大阪で色々お世話になった友人ともしばらくお別れです(しばらく、ということはまた別の場所で会う予定があるのですが!)。 次は待ちに待った東京での千秋楽、そして関西フィルさん+デュメイさんの初めての公演! 再びヴァン・ダムさんのお声も聴けます! この日は何としてでも会社を出るぞ!と決意しながら東京に帰りました。 2010年9月26日 記 |
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