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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 3日目
熱狂の日 音楽祭2010 「ショパンの宇宙」
2010年5月4日(火) at 東京国際フォーラム
【322】 ホールB7 ドラクロワ
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

■ リスト:12の超絶技巧練習曲集
■ リスト:12の超絶技巧練習曲から
   第4番「マゼッパ」 / 第5番「鬼火」 /第8番 「狩」/ 第11番「夕べの調べ」
■ ショパン:舟歌 op.60
■ ショパン:12の練習曲 op.10より
   第1番 / 第3番「別れ」 / 第4番 / 第5番「黒鍵」 / 第6番
■ ショパン:ワルツ 第5番 op.42「大円舞曲」
アンコール
■ チェーシンズ:香港のラッシュアワー
【336】 ホールB5 ジョルジュ・サンド
小山実稚恵(ピアノ) モディリアーニ弦楽四重奏団

■ ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11(ピアノ弦楽四重奏版)
あっという間に最終日。本日の私は元気です!
今年は3日間通い続けました。昨年に比べて客足が少ないように感じたのですが、実際はどうだったのでしょうか? また、お子様も少なかったように思います。(たまたま私の周りにいなかっただけなのかもしれませんが。)

本日の1公演目。
ベレゾフスキーさんの12の超絶技巧練習曲集。

ベレゾフ好きーな友人から「ベレの超絶技巧はすごいですよっ!」と聴いていたので、私も興味が沸いてチケットを取りました(笑) 予習用のCDもいただいて、珍しく最初から最後まで頭に叩き込むことが出来ました。

どーんと来い! な気持ちでこの公演を迎えたのですが、ベレゾフスキーさん舞台に登場するなり

「Good Morning!
今日はプログラムを変更します。超絶技巧練習曲集から4曲弾いて、残りはショパンにします。」
※ 日本語部分は何となくそんな感じだったということで。

… はい??? 今、何と言いましたか?!

これこそルネ・マルタンさんの説明を求めたいような事態となりました(苦笑)

といいますのも、私の友人や私だけでなく、超絶技巧を楽しみに集まった方が沢山いるのです。
開演前も「この曲が全部一度に聴けるのって、すごくめずらしいんだよ〜」という声をあちこちで聴きました。皆さん、ショパンだけを求めて東京国際フォーラムに集まっているわけではないと思います。

でも、ベレゾフスキーさんの演奏は素敵だったと思います。
ベレゾフスキーさんの姿が全く見えない席でしたので(汗)、音だけに集中できたからか 昨日よりもたくさん音色を吸収したような気がしました。
特に「夕べの調べ」なんて、ホール全体にピアノの音が響き渡って、じーんときてしまいました。
夕暮れの光景が浮かんできましたよ。

これをぜひ、練習曲全部聴いた後のラストで聴きたかったと(涙)

公演終了後に係りの方に詰め寄っていた方が数人いらっしゃいました。
気持ちは分からなくはないですが… 仕方のないことですよね。

また、1階で友人を待っていた際に上からベレゾフスキーさんが下りていらしたのですが、気付いた女性のファンの方が駆け寄り「○番と△番が聴きたかった〜!」と声を掛けていたのですが(しかも日本語で。まるで知り合いのような口調でしたが、この女性たちは一体どなただったのでしょう、汗)、その際も冷たくあしらう感じで向うに行かれてしまいました。
ベレゾフスキーさんは「女性には常に笑顔」のイメージがあったのですが、このプログラム変更はベレゾフスキーさんの本意では無いということなのかな?なんて思ったりしました。
※ と、ここまで書いたら友人からメールがありまして、この公演後に予定されていたベレゾフスキーさんのサイン会は体調不良のため中止となったそうです(もしかしたら夕方に時間を変更してやったかも、と)。
体調不良だったのですね… 小菅さんといい、本当、それでも何とか演奏しよう! として下さる皆様に感謝、感謝です。


そして今年のLFJ最後の公演は、小山実稚恵さんと昨日大感激したモディリアーニ弦楽四重奏団さんとのショパンピアノ協奏曲第1番です。

私の席は、なぜか人と人の間から小山さんだけがはっきりと見える席で(モディリアーニさんは見えない…チェロに至っては全く見えませんでした、汗)、小山さんの動きを最初から最後までしっかりと目に焼き付けてきました!

小山さんのショパン1番は今年のニューイヤーで都響さんとの演奏を聴き、爆睡してしまった思い出があります(汗)

ですが、本日の私は全く違いました!

…といいますか、舞台上の演奏が素晴らしかったからだと思うのですが、ワクワクして聴いているうちにあっという間に終わってしまったというのが本日の感想です。

弦楽四重奏版はシンプルなだけにピアノの旋律がはっきりと伝わってきて、ショパンがピアノをどう表現したかったのかということが素人の私が聴いていてもイメージ出来たのです(そのようなことを、以前友人に教えていただいたのですが、正にその通りでした!)。
今まで聴いた小山さんの中で、一番素敵かも…と思った位です。素敵でシンプルで分かりやすい!
この曲に対して、新しい発見が私なりに色々ありました。

小山さんが引き立ったというのは、もちろんモディリアーニさんの演奏も良かったからだと思います。小山さんもオーケストラと一緒に演奏しているように、全力でピアノを弾かれていました。

オーケストラ部分を4人の弦で表現しているのですが、ただ表現しているのだけではなく、きちんと弦楽四重奏の面白みも感じることが出来ました。1stヴァイオリン→2ndヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ…とリレー(?)させている部分もありますし、意識して(?)ハモらせている部分などもありますし、ピアノ協奏曲だけど弦楽四重奏も楽しめるという、1粒で2度美味しいような公演でした♪

最後にこんな素敵な演奏を聴けて、幸せでした。

来年のテーマはブラームスを中心に、友人のリストやマーラーを取り上げるそうです。
(リスト…ベレゾフスキーさんの超絶技巧は再度聴くチャンスはあるのでしょうか?!)
ものすごく楽しみです! ブラームスとマーラーの交響曲は全部聴きたいです!

また、今回気になったのが演奏家の方の体調不良。どうぞ無理せず、元気なお姿で来日していただけたらと思っています。

2010年5月4日 記

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