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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2日目
熱狂の日 音楽祭2010 「ショパンの宇宙」
2010年5月3日(月) at 東京国際フォーラム
【242】 ホールC ヴィアルド
小菅優(ピアノ) ※急病により欠席 / 竹澤恭子(ヴァイオリン) / シンフォニア・ヴァルソヴィア
ヤツェク・カスプシク(指揮) / 小曽根真(ピアノ) ※小菅さんの代わりに

■ メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 op.25
■ ロッシーニ:オペラ「アルジェリアのイタリア女」序曲 (ピアノ協奏曲の代わりに)
■ モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 K.219「トルコ風」
■ ショパン:ショパンの作品に基づく即興演奏 (小曽根さんがピアノ協奏曲の代わりに2曲)
【243】 ホールC ヴィアルド
マリア・ケオハネ(ソプラノ) / リチェルカール・コンソート / フィリップ・ピエルロ(指揮)

■ ヘンデル : オペラ「ファラモンド」HWV39より「ふたつの風に翻弄され」
■ ヘンデル : オペラ「アルチーナ」HWV34より「ああ私の心よ」
■ ヘンデル : オペラ「復活」HWV47より序曲
■ ヘンデル : オラトリオ「テオドーラ」HWV68より「わが嘆きの暗闇で」
■ ヘンデル : オペラ「ジュリオ・チェーザレ」HWV17より「嵐の海で難破した小舟は」
■ ヘンデル : オペラ「アグリッピーナ」HWV6より「胸さわぎが私を苦しめる」
■ ヘンデル : オラトリオ「メサイア」HWV56より「シオンの娘たちよ、大いに喜べ」
■ ヘンデル : オペラ「リナルド」HWV7より「涙の流れるままに」
【234】 ホールB5 ジョルジュ・サンド
モディリアーニ弦楽四重奏団

■ シューマン:弦楽四重奏曲第3番 イ長調 op.41-3
■ メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第6番 ヘ短調 op.80
昨日の疲れが抜けないまま、本日は11:15の公演から私は始まります。
(そうです、疲れが抜けなかったのです、爆)

会場のホールCの案内板を見ますと、何やら文字が…

「小菅優さんは 体調不良のため 出演できなくなりました。」

…できなくなりましたって、もう少し言葉の選び方があるのでは…(汗)
だから何?どうするの?って、そこが聞きたいですよ。

予定開演時間の11:15を過ぎ、11:30になっても舞台上には誰も現れません。シンフォニア・ヴァルソヴィアの方々が舞台の袖で練習している音は聴こえてきます。

私は入口の案内板を見たので理由は何となく分かりますが、館内アナウンスはした方がいいのではないかなぁ。でも以前友人が「変更があった際にはルネ・マルタンさん本人が必ず事情を説明しに来る」って言っていたから、ルネ・マルタンさん待ちなのかな…

その後「大変お待たせしておりますが、もうしばらくお待ちください」の曖昧なアナウンスが。

私の隣の御家族は、
「パパ、こんなに開演時間が遅くなると、次のホールAは間に合わなくなるわよ。」(とお母さん)
「途中からは入れないの?」(と、スポーツ新聞を読みながらお父さん)
「曲が終われば、途中から入れるかもしれないけど…」
「じゃあ、途中から入ればいいでしょう。仕方無いよ、待ちましょう。」

横でやりとりを聞いていた私は、心の広い(音楽にあまり関心が無いとも言う)お父さんに心の中で拍手! そうそう、これ位の余裕が必要ですよね。私も忘れかけていた心でした。

そして、やはり舞台にルネ・マルタンさんが通訳の方と一緒に登場。

「大変申し訳ありませんが、小菅優さんは体調を崩され入院しました。
よって本日の演奏は出来なくなりました。
でも、幸せなことに このラ・フォル・ジュルネには代役をして下さる演奏家が沢山います。
小菅優さんの代わりに小曽根真さんが急遽、演奏して下さることになりました!」

会場大拍手!
小曽根さんのメンデルスゾーンが聴けるの…?! すごくないですか?

「…ということで」(と、話をまとめるマルタン氏)

「小菅優さんのメンデルスゾーン ピアノ協奏曲の代わりに、シンフォニア・ヴァルソヴィアが最初にロッシーニのイタリア女、竹澤恭子さんがモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、そして小曽根真さんがショパンの即興演奏を行います」

…メンデルスゾーンでは無いのですね。でも、初めて小曽根さんのソロを聴くので楽しみです。小菅さんも早くお元気になられると良いなぁと思いました。
>ブログを検索してみますと、午後の公演には参加されていたようです。少し快復されたようで安心しました。

この時すでに11:40。開演時間から25分も過ぎています。
対応方法は良かったと思うのですが、開演時間が大幅にずれたのは良くないことですね。最終的には終わった時間が予定よりも40分オーバーしておりました。時間が重なってホールAとホールB7公演に行けなかった方には返金の手続きがされたようです。

竹澤さんがソリストのモーツァルトヴァイオリン協奏曲第5番。
竹澤さんのヴァイオリンの音はいいですね〜v 私は竹澤さんの曲に向かい合う姿勢も好きです(少し熱すぎるかな、という気もしないではないのですが、そこがまた良いです)。

私はモーツァルトの5番といいますと、オーギュスタン・デュメイさんの弾かれるヨアヒムのカデンツァしか知らないのですが、それにしても今回の竹澤さんのカデンツァは回数多いし長い…
竹澤さんクラスの方がモーツァルトの5番に楽譜持参?! と最初はびっくりしたのですが、カデンツァを弾くための楽譜だったのかと納得です。
じっくり聴いて頭の中に入れ込みたい! という気持ちとは裏腹に、だんだん意識が遠のいてしまいまして(汗) 本当にしょっちゅうカデンツァがありましたし、長いのですよ。
今度改めて聴く機会があったらいいなぁと思います。きちんと聴くと、素敵なカデンツァだと思うのです。勿体無く、また失礼なことをしてしまいました。

そして開演時間が遅れたこともあって、第2楽章が終わると急いでホールを立ち去る人多数!
事情が事情ですし、ラ・フォル・ジュルネだから仕方がないと言えば仕方がないのかもしれませんが、これは演奏家に対して失礼なのでは…と。曲中に退場って…ねぇ。どうなのでしょう?
次の公演が本命だったりする方もいらっしゃると思いますし、一方的に非難は出来ないのですが。

その影響もあってか、第3楽章に入ると「ここで?」と思われるような個所で指がもつれることが続き、少し音を小さくしてパランスを取ったり調整されていたように感じました。

体調を崩された小菅さんも大変ですが、そのような環境の中で演奏された竹澤さんも大変だったと思います。ありがとうございました! とたくさん拍手してしまいました。

続いてラフな格好の小曽根さんが登場(演奏中はジャケットを脱いでTシャツ姿に)。
「次がホールAの方はお時間が気になるかと思うのですが、私はこれから弾きますが、これはアンコールという軽い気持ちで聴いていただいて、遠慮なく途中でも退出されて結構ですので!」と丁寧なあいさつを。(で、本当に曲の途中で退出する人がいるから泣けてくるのですが…)

小曽根さんの即興演奏は噂では聞いていたのですが、とても素晴らしいですね!
ジャスなのですが…ジャズなのですが、ショパンでした。面白い〜 そして、ピアノの音色も綺麗!
来年は小曽根さんの公演も1つ取りたいと思いました。
こういう縁で、知らない演奏家との出会いもあるのだなぁと。
マルタンさんも小菅さんの代わりとして日本人が納得する演奏家を探すのに(交渉するのにも)、苦労されたのだろうと思います。
※ Twitter情報によると、マルタンさんが小菅さんの体調不良の事態を知ったのが開演10分前だったそうで、その時隣でリハーサルをされていた小曽根さんに代役をお願いしたとのことでした。でも、偶然とはいえ素敵なめぐり合わせでした。

続いてマリア・ケオハネさんのヘンデル。
たまたまたどり着いたブログの方が、「今年のラフォル・ジュルネはまずケオハネを押さえる!」と迷いなく書かれたのがきっかけで、私もチケットを取った次第です(笑)

ケオハネさんの声。
ものすっっっごく、素晴らしかったです!!! 綺麗〜vvv
見ず知らずのブログの方に感謝です(笑)

登場された時は、お顔がはっきり見える席では無かったので、ドレスは素敵だけど普通っぽい方だな、と感じました。
でも曲が始まり歌い始めると、ものすごく素敵で格好良くて! ヘンデルの曲っていいですね。
(指揮者もオケも、舞台上が全部格好良く見えました。)
週1でケオハネさんの歌声を聴きに行けたら、精神的な悩みなど吹き飛ぶだろうと。
聴いていてワクワクすると同時に、体にすーっと沁み入ってくるような、気持ちが楽になるのです。

聴きに行って良かったと思いました。
となりのおじいさんも、「いい公演に来れて良かったね〜 素晴らしかったね!」と大満足の御様子。

最後はモディリアーニ弦楽四重奏団さん。
友人にナントでの放送の録音を頼まれた際に(今回演奏したメンデルゾーンの弦楽四重奏曲第6番)私も聴いてみたところ、ものすごく格好良い演奏(曲そのものも良いのですが)で、私も生演奏聴きたい〜! とチケットを取ったもの。

いやーーーーー。

「超」 格好良かったです!>友人に大感謝!

個人的にはシューマンよりもメンデルスゾーンの方が曲的に好きだな、と思ったのですが、特にメンデルスゾーンの最終楽章。鳥肌が立つくらいに彼らの音楽と一体化出来たような気がします。
また聴きたいです〜 演奏している4人は これだけハモっているのですから、弾いてきて気分が良いだろうなぁと思いました。
弦楽四重奏っていいですね。聴いていて、楽しいですね。

会場を出ても最終楽章が頭の中を何度もリピートしていて、地下のCDショップで彼らのアルバムを購入しました。一段落したら聴くぞ〜!と。

地上に上がって家に帰ろうと歩いていますと、目の前には その彼らが歩いているでは無いですかっ!!! 4人とも同じメーカーの楽器ケースを担いでいます。そしてファンの方にお菓子を頂いたようで、嬉しそうにアンリ・シャルパンティエの袋を持っています。

うわ〜っ! メンデルスゾーンが ものすごく良かったですって伝えたい!
でも何て言ったらいいのか言葉が分からない!!
というか、考えてみたら 彼らの名前すら私は知らない!!! >最低(汗)

―― と、1人でパニックになりながら歩いていましたら、私、彼らを抜いてエスカレーターに乗ってしまいました(爆)

勇気の無い自分に反省しつつ、また機会があった時に…というより 機会があるように、来年もぜひ聴きに行きたいなと思いました。

今日はたっぷり、良い音楽に出会えました。

2010年5月4日 記

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