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バイエルン放送交響楽団
2009年 日本公演
【 2009年11月14日(土) at ミューザ川崎シンフォニーホール 】
首席指揮者:マリス・ヤンソンス / チェロ:ヨーヨー・マ


■ ドヴォルザーク : チェロ協奏曲 Op.104  VC: ヨーヨー・マ
■ ブラームス : 交響曲 第2番 ニ長調 作品73

アンコール
■ バリエール :2台のチェロのためのソナタ 第3楽章
          ヨーヨー・マ & Maximilian Hornung(セバ弟)
■ モリコーネ :ミッション ヨーヨー・マ 他
■ J.S.バッハ : 無伴奏チェロ組曲 第1番 前奏曲 ヨーヨー・マ独奏
■ グリーグ :ソルヴェーグの歌
■ ブラームス :ハンバリー舞曲 第5番 with ヨーヨー・マ
『 マリスヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団 2009年 日本公演 』 改め 『 ヨーヨー・マと愉快な仲間たち 』の最後の公演へ行ってきました!

… はい。今日の公演はヨーヨー・マさんが最初から最後まで「主役」の公演でした。これは多くの客席が望んでいたこと(恐らく)、そして、ヤンソンスさんとバイエルン放送響の皆さんが望んだことだったと思います。この3公演においての各自の思いがたっぷり込められた、涙・涙の公演でした。

「今日のドボコンを聴いてしまうと、ヨーヨー・マさんとの楽しい公演も最後なんだ…」と思うと、ホールに行く前から悲しくなってしまいました(楽しい公演はいつもそうです、涙)。
でも聴きたい! …気持ちは複雑です。

本日のミューザ川崎は座席がほぼ満席!
サントリーホールとミューザ川崎とを連続で通いますと、ミューザ川崎の方が舞台と客席が近いですし、温かな雰囲気が伝わってくるしで、良いホールだなぁと感じました。
音の聴こえも良いような気がします。

舞台にバイエルン放送響の皆さんが登場。

…今日は、チェロのセバスチャンがいませんでした(涙)

でも、代わりにおじいちゃんチェロの人(失礼な呼び方かも)が♪
お元気だったのですね! そして、東京にいらしていたのですね! と、嬉しくなりました。
いつものセバの席にセバ弟(セバスチャンを小さくしたような青年なので勝手にそう呼んでいます)が、セバ弟の席におじいちゃんチェロの人が、という並びでした。

そして、いつものようにヤンソンスさんと笑顔のヨーヨー・マさんが登場!
会場、大きな拍手!

マさんはチェロの皆さんとしっかりとアイコンタクトをし、ドヴォルザークの協奏曲が始まりました。
本当にこれで最後なんだ… バイエルン放送響の皆さんだってきっと「これが最後だ」って思って今、演奏しているはず… きっと3日間の思いを込めて弾いているに違いないんだ… と、色々考えているうちに、もう悲しくて悲しくて、涙で肝心のマさんの最後のお姿がよく分かりませんでした(爆)
私、馬鹿だわ… 今思うと。でもあの笑顔を見ても、やっぱり悲しくなっていたと思います。

見えない分、音色がいつも以上に耳に届きまして、チェロ協奏曲ってこういう音楽だったのか、と色々な部分で感じました。特に印象的だったのは、この曲ってチェロとヴァイオリン、ビオラはもちろんのこと、フルートやホルンなどの管楽器にも、次々にチェロとの会話の機会を持たせて、チェロの魅力を最大限に表現しているのだなぁと感じたこと。ドヴォルザーク、あなたはすごいよ!
前半のフルート(?)との対話、後半のヴァイオリンとの対話。美しすぎます〜!!!
また、いつも以上にマさんの音色が優しく私の耳に届きまして、再び 涙、涙、でした。

(少し思い出したので、追記致します。
私が涙、涙、で感動している中、1階席でスーハースーハーと規則的な音が聴こえるのです。
もしかして、これは寝息ですか?! こんな素晴らしい演奏中に寝るなんて、誰が出来るのっ?!
と思っておりましたら、これはマさんの息遣いでしたv ものすごかったのですよ〜
これまでの2公演で、マさんの呼吸がここまで大きく聴こえたことはありませんでした。
1音を出すためにここまで体を使うのか… と思いましたし、やはり最後の公演だから気合いと気持ちもたくさん入っているのかな… とも思いましたしで、目の前の光景はすごかったです!)

第3楽章。これを弾いたら本当にもうマさんの演奏は終わってしまうのに、何でこんなに笑顔で弾くのっ!!! と思う位に笑顔で皆と意思の疎通をはかり、ありったけの力を使って音色を出しているようでした。もう疲れたよ〜っという雰囲気もチラホラ見えたので(笑)、聴いているこちらも力が入ってしまいます。
ヤンソンスさんやバイエルン放送響の皆さんも笑顔の中でラストスパート。皆さん、とても楽しそう。
素敵な旋律が続く中、コンサートマスターさんとの最後のデュオ(ここら辺に来ると本当に曲の最後ですね、涙)。
いつも、マさんの笑顔に対して そっぽを向いているように見えたこのコンサートマスターさん。
この日はマさんに向かってニコッと笑ったのですよ!(とてもぎこちなく…)
やっぱり心はつながっているのだなぁ…、この笑顔に3日間の感謝の気持ちが込められているのだろうなぁと勝手に想像し、1人で感激してしまいました。
なぜバラさんの席に君が座るんだ…! と、いつも見るたびに彼には心の中で語りかけていましたが、意外にいい人でした。好感度アップですv あはは。コンサートマスターさん大迷惑ですね。

演奏が終わると、会場だけでなくオーケストラからも大きな拍手(といっても弓でですが)が!
マさんとヤンソンスさんは握手だけでなく、抱き合ってお互いを称えておりました。
私も胸が一杯でした… とても素晴らしい、ドヴォルザークの協奏曲でした。

そんな中、ビオラの人たちが楽譜を入れ替えていましたので、本日のアンコールはビオラの方たちと弾かれるのかな? と思いました。
連日、チェロをセバ弟に借りて演奏されていましたが、今日はおじいちゃんチェロのチェロを借りるの? と思ったり。マさんは絶対、今日も何かをやって下さる! と確信(期待)していました(笑)

ふと見ると、セバ弟がチェロのチューニングしています。そして喉がオエーって感じになって、ものすごく緊張している模様。弟くん、大丈夫?

…そうか。今日は弟くんが一緒に演奏するのですね♪ 何て分かりやすい人なんだ(笑)

チェロを持ったマさんが、おじいちゃんチェロに向かって「席貸してね〜♪」と。
緊張しているセバ弟と一緒にアンコールを弾いて下さいました。
でも弟くんは演奏が始まると先程の緊張はどこへ… といった感じ。さすがプロ! さすが首席チェロ! 素晴らしかったです。昨日のセバと同じ曲かな? と感じたのですが、楽章が違ったようです。

そして今日のマさんはこのパフォーマンスだけでは終わりませんでした。
その後、おじいちゃんチェロが「とても良かったよ!」とセバ弟の肩を叩きながらも 何となくソワソワされていたのですが、そうです。
今度はマさん、セバ弟、おじいちゃんチェロ(この2人はチェロの首席奏者です)、そして後ろからオーボエのこれまたハンサム君(こんな方が後ろで弾かれていただなんて…v)が登場し、モリコーネのミッションを。
これなら私も知っています! 3つのチェロが生み出す音色は素敵でした〜v
改めて、バイエルン放送響というオーケストラのすごさを感じました。

客席を楽しませ、同時に団員の方たちに弾く機会を与えてさりげなく指導をしているマさんの目線って、 どれだけ先のことを見つめているのでしょうね。人間としても素晴らしい方だと、尊敬すべき方だと思いました。
最後にマさんのバッハで前半のアンコールは終わりでした。でも、前回みたいに後半のアンコールにも登場して下さるかも…! と、私はどうしてもこれでマさんの演奏が最後とは思えませんでした。

後半はブラームスの第2番。これも楽しみです! いい曲ですよね。
オーケストラの皆様が舞台に登場されると客席からどよめきが起こりました。
どうしたのだろう…と思っていると、後ろから「さりげなく後ろの席に座るだなんて。その謙虚さがまた素晴らしいのよね…」みたいな会話が聞こえてきます。私の左隣のマさんファンと思われる御2人も騒いでいます。

…そうなのです。
マさんがチェロの末席に座っていたのでした(爆) 嘘みたいです。嬉しい〜っ!!!
「まだ終わっていない。」 そう思いました。

私の席からは丁度ビオラの方たちで隠れてしまい、マさんの姿ははっきりとは見えなかったのですが(楽譜をめくるために前かがみになられると、楽譜の上からマさんの目から上が見える状態でした)、でもマさんがいる。それだけで舞台上の空気が違いました。マさんの両隣に座ったチェロの人たちは終始笑顔で嬉しそうでしたし(この方たちは私の席から見えました)。コントラバスの人たちも笑顔でマさんを見ています。マさんの周りには、常に笑顔が存在します。

ブラームスの第2番はとても素敵な曲で、私も大好きです。それをマさんが弾いて下さるなんて、大感激です。元々バイエルン放送響の皆様だけの演奏だって素晴らしいはずなのに、それプラス、マさんですよ! 贅沢すぎます。

私の左隣の御2人は終始マさんだけを見ていまして(体の向きからして皆と違いました、笑)、楽章間に「…普通に弾いているわ♪」「本当、普通ね…v」みたいな会話をされていました(爆)

…普通に弾かれていたのですね(笑) いえ、普通で当たり前なのですが。でもその普通が聴き手の私たちにとってはとても嬉しいことですよね。幸せ〜v
弾いて下さるマさんもですが、それを(恐らく)快く了解したヤンソンスさんやバイエルン放送響の皆さんも素晴らしい。この関係っていいなぁ〜と舞台を見ていて何度も思いました。よっぽどお互いの相性が良かったのではと思います。それとも、マさんはいつもこのような感じの御方なのでしょうか。
本当、マさん バイエルンさんに入団すればいいのに。

希望に満ち溢れた第4楽章は圧巻! 思わず、体で一緒にリズムをとりたくなってしまい、その気持ちを抑えるのが大変です。
マさんも真剣に激しくリズムを刻んでいますし、中央にいるヤンソンスさんも指揮に熱が入ります。
舞台上全体が、みんな格好いい〜!!!

…この時の高揚した私の気持ち。分かっていただけますでしょうか。ぜひ、多くの方々と共有したい位のかけがえのないひと時でした。これだから音楽って止められないです。

もう一度聴きたい… と思わずにいられない、すごい盛り上がりでこの曲は終わりました。
マさんはあくまでもオーケストラの一員として、普通にお辞儀をし、椅子に座ったりを繰り返されていました。でも会場の目線は嫌でもマさんに集まります(笑)
アンコールのグリーグも、当たり前のようにオーケストラに交じって演奏されていました。

2曲目の際には、やはり中央の方へマさん用の椅子を用意し、マさんを前に呼ばれていました。その椅子を再び1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンの間に移動させ、次は一体何を演奏して下さるのかしら… と思っていましたら、ハンガリー舞曲第5番でした。
チェロでの5番は私は初めて聴いたのですが、ヴァイオリンとはまた違っていて素敵でした(マさんだったからかな?!)。

最初から最後まで、マさんずくしの1日。そして最初から最後まで大拍手のミューザ川崎でした♪

ヨーヨー・マさん。3日間、本当に素敵な思い出をありがとうございました(涙)
私はあなたの音楽の世界とお人柄に惹かれてしまいました〜v
またぜひぜひ、日本にいらしてください。そして、出来れば協奏曲をお願いします♪ なんて。
普通のコンサートは、チケット取るのが大変なのでしょうね… そういう意味でも、今回これほど色々なマさんを良いお席で見て聴くことが出来て、幸せでした。

ヤンソンス祭りも中盤に入りました。あと2公演、今度はまたどんなワクワクに出会えるのかしら?! とマさん最後の寂しさと同時にこれからの期待も膨らませながら、家に帰りました。

川崎駅の前は、クリスマス仕様に飾られていました!>とても綺麗でした♪
もう、このような時期になったのですね〜

2009年11月18日 記

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