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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 1日目
熱狂の日 音楽祭2009 「バッハとヨーロッパ Bach is Back!」
2009年5月3日(日) at 東京国際フォーラム
【121】 ホールB7
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン) 渡辺玲子(ヴァイオリン)
高木綾子(フルート) 中野振一郎(チェンバロ)
香港シンフォニエッタ イプ・ウィンシー(指揮)

■ J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BMV1050
■ J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BMV1043
■ J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調BMV1068
【132】 ホールB5
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

■ J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調BMV988
【163】 ホールG402
和波孝禧(ヴァイオリン)

■ J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調BMV1003
■ J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BMV1006

アンコール
■ J.S.バッハ:パルティータの何番からか一部弾いて下さいました♪
【154】 ホールD7
ブリジット・エンゲラー(ピアノ) アンリ・ドマルケット(チェロ)

■ J.S.バッハ / ジロティ:「オルガンのためのトッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BMV564」よりアダージョ
■ J.S.バッハ:「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番ハ短調BMV1017」よりシチリアーナ
■ J.S.バッハ:カンタータ「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BMV61よりコラール
■ J.S.バッハ:「ピアノ協奏曲第5番へ短調BMV1056」よりアリオーソ
■ J.S.バッハ / レオナードローズ:「管弦楽組曲第3番 BMV1068」よりG線上のアリア
■ J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BMV1008
■ J.S.バッハ / プゾーニ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BMV903
【146】ホールC
シャルロット・ミュラー=ペリエ(ソプラノ) ヴァレリー・ボナール(アルト)
ダニエル・ヨハンセン(テノール) クリスティアン・イムラー(バリトン)
ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル ミシェル・コルボ(指揮)

■ J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調BMV232
ラ・フォル・ジュルネの季節がやって来ました〜!
今年のテーマは「バッハ」。そして期間も3日間と前年に比べて縮小されていました(どうしてなのでしょう…)。注目度は年々高まっていますし、大ホール以外のチケットを取るのは今まで以上に大変だったと思います。これについては後ほど愚痴りたい(?)と思います。あはは。

初日は気合いを入れて1コマ目の公演からスタート。
9:30からの公演です(涙) 会場に向かう私たちも大変ですが、演奏される方々の方がもっと大変だよね、と思ったのはホールで着席してからでした。
(遅刻するのではないかとこちらも一生懸命でした、汗)

お目当ては、渡辺玲子さんとネマニャ君のダブルコンチェルトv
渡辺さんの演奏が久しぶりに聴きたかったですし、御2人の協奏曲はどのように仕上がるのか大変興味がありました。

1曲目はフルートの高木さん、ヴァイオリンの渡辺さん、チェンバロの中野さんをソリストにブランデンブルク協奏曲第5番でした。
指揮者は女性の方でした。香港シンフォニエッタさんといえば、昨年チューヤンとアンガールズの山根君に似ている人がいるなぁと思ったオーケストラだったのですが、今年もその2人は参加されていました(爆) そして山根君、コンサートマスターさんになっていました〜 ちょっと顔つきが変わられたかしら。

ブランデンブルク協奏曲は有名な曲ですが、私は初めて聴きました。
素敵な曲ですね〜v 特にチェンバロ! 中野さんすごく格好良かったです。
チェンバロのソロの部分があるのですが、素晴らしかったです。
ピアノと違って足のペダルが無いのも新鮮でしたし、チェンバロってヴィヴァルディの四季で後ろの方でジャン、ジャン、ジャン…と弾いている場面でしか聴いたことが無かったので新しい出会いでした。中野さんの公演、取っておけばよかったなぁと思いました。チェンバロがすごいのか、中野さんがすごいのかは、私には分かりませんが… それを確認する意味でも。

続いて渡辺さんとネマニャ君のダブルコンチェルト。
ネマニャ君はすごいですよね… 改めて、この方の力を見せつけられたような気がします。ため息が出てしまいます。パフォーマンス性がありますので(弾き方も、笑顔も!)小さな子供から楽しむことが出来ますし、演奏技術や表現力も素晴らしいので、音楽通の年配の方まで楽しめると思います。
今回2ndだったのですが、オケと一緒に弾き始める時のあの一体感。他のヴァイオリニストさんではなかなかあの雰囲気を出すことは出来ないのでは…と思いました。
そして、渡辺さんに合わせた弾き方をされているようで、個性を出しつつも音楽としてはきちんと1つにまとまっていて。ネマニャ君はどのような曲でも弾きこなすのだろうなぁと思いました。無伴奏とかよりも室内楽や協奏曲の方が魅力がより伝わるのではないかと思います。来年参加されるのなら、もっと公演取りたいです。

第2楽章って女性の母性というか、さらにはマリア様の大きな愛…にまで発展するような優しく大きな楽章だと思うのですが、ネマニャ君の世界は「男性的」でした。こんな2楽章初めて聴きました。どう聴いても男性。お父さんが子供を幼稚園に迎えに行ったり、料理作ったり… 小さく考えればそのような世界でした。大きく考えれば、マリア様では無くてキリスト、でしょうか(褒めすぎかも)。

どうすればそのような個性や表現を出せるのか分かりませんが、とにかくこちらにそのように伝わってくるのですよね。すごいなぁ…と何度も思いました。
第3楽章も渡辺さん、ネマニャ君のメリハリの付け方がとても格好良くて大満足でした♪ 早朝からこのような演奏を聴けるだなんて、贅沢過ぎました(笑)

続いてベレゾフスキーさんの「ゴルトベルク変奏曲」。
これは伯爵の不眠症を慰めるために作ったという曲。ですが、超有名なグレン・グールドのゴルトベルク変奏曲ってとても面白いのですよね。何度聴いても飽きないし、眠くならない。
(指揮者のジャナンドレア・ノセダ氏はグールドのゴルトベルク変奏曲を聴いてあまりの衝撃にピアニストの道をあきらめ、指揮者になったそうで…)
これなら私も大丈夫かも! と取った公演でしたが、やはり睡魔との闘いとなりました(涙) ベレゾフスキーさんの演奏は迫力満点で素晴らしい部分も何ヶ所もあったのですが、生演奏って耳の奥まで優しくピアノの音色が入って来ますので眠くなります〜>言い訳
今何番の変奏曲を弾かれているのか分かるほど聴き込んでもいませんので、曲の進行状況も全く分かりません。最後のアリアに戻って来た時のあのホッとした気持ち。あれは何だったのでしょうか…
とても幸せな気持ちになりました(こんな聴き方で良かったのかしら?!)。聴き終わった後の気持ちは清々しいものでした。

30分の間をおいて、続いて和波さんの無伴奏。
一度和波さんのヴァイオリンを聴いてみたいと思っていたので、大変楽しみにしていました!和波さんというと私はイザイの無伴奏のイメージがあるのですが…

ホールG402と言いますと、昨年ミシェル・ダルベルト先生が怖いマスタークラスを行った思い出深い会場です(汗) 先生のことを思い出しました。
金屏風の前に2つの明かりがあって、その中心で演奏するという異様な雰囲気の会場でした。

楽しみにしていた和波さんの最初の1音…

これは演奏者(和波さん)に対して、大変失礼なことだと思いました。
天井が低い部屋ですし、部屋のどこに座ってもヴァイオリンの生音しか聴こえないと思うのですが、その生音が変な音になってしまい、聴くに堪えられませんでした。
和波さんのヴァイオリンの音色はこんなものではないはず! 日本を代表するヴァイオリニストですよ!!! その方をこのような環境の中で弾かせていいものなのかと主催者の考えを疑いました。和波さんのマイナスイメージにつながります。

耳をふさぎたくなってしまうかのような、ヴァイオリンとは思えないような音色になってしまいまして(ありえませんよね?!)、それを無伴奏2曲もですから、本当に悲しくなりました。

ラ・フォル・ジュルネの企画に対しても考えを述べさせていただきたいのですが、ベレゾフスキーさんの公演、和波さんの公演は客席数が少ない上、1公演のお値段もお安くなっていたので、チケットを入手するのが大変だったと聞いています。聴きたくても聴けなかった方がたくさんいらっしゃったはず。それなのに、何であんなにまとめて空席があるのですか?! 4〜5席横並びで空いているのですよ。こういう公演の場合、行けなくなった場合に払い戻しとまでは行きませんが、どうにか上手く空席のやりとりを出来ないものなのでしょうか。演奏家にも失礼ですし、聴きたくて我慢している人たちにも申し訳ないです。

また、ゴルトベルク変奏曲や無伴奏曲って少し玄人的なプログラムだと思うのですが、親子連れ(4人位の)が多く、子供たちが最後まで聴き通すことが出来ずにグズグズする、それを両親が注意する…といった光景が多く見られました。これではご家族も周りの人も楽しめないのですよね。1列目席に限って親子の団体だったり。
曲の内容を分からずにお値段で取った結果だと思うのですが、プログラムを発表する際にそういう内容の説明もきちんと表示して欲しいと思いました。親子で楽しめるプログラムはホールAに組み込んでお値段下げて家族で行きやすくして、小ホールの場合はマニアック的な人向けにお値段高くするとか、そういうことって出来ないのでしょうか。今年はそのバランスが特にひどいと感じました。
チケットが売れればいいというものではなく、適材適所で皆で楽しまないと。お祭りなのですから…

話は和波さんに戻りますが、私の目の前のご家族は始まってすぐに子供2人が横になって曲を聴くことを拒否してしまい、個人的には視界が開けてラッキーだったのですが、この光景を和波さんが演奏中に直接知ったとしたらどのようにお感じになるだろうかと思いました。
といっても子供を責めるつもりはなく、あの音なら大人でも同じ行動をしてもおかしくないと思いました。むしろ長時間子供をしばりつけてしまうのが可哀想に思いました。
この公演を聴かれた方の感想を知りたいです。和波さんに失礼でしたよね(怒)
和波さんの演奏は 後日、きちんとしたホールに聴きに行きたいと思います。

次の公演まで少し時間があったので友人と合流して昼食を取り、再び会場へ。
この頃から私、体調がおかしくなりまして(館内の冷房と外の暑さのギャップのせいかと思うのですが)、頭がガンガンして吐き気がして…という感じで席に座っているのがやっとの状態でした。

チェロのドマルケットさん。ダルベルト先生と一緒にCDやDVDを出されているのでお名前だけ知っている方です♪
もっとコッテリ系の方かと思っていたのですが(演奏がではなく、お顔が)、シャープなあっさりとしたお顔の方! チェロの音色もとても活き活きとして「私の音はこういう音です」とはっきりと伝わってきて意外でした。もっと形が見えない演奏をされる方だと思っていました。とても良かったと思います。きちんとした体調でドマルケットさんの音色を吸収したかったです(涙)
2日目はマスタークラスがあるということで、参加できないのが残念でした。

続いてのコルボ氏のミサ曲。
ついに目を開けていることも困難になり、ラストのすごく楽しみにしていたネマニャ君のバッハの協奏曲を泣く泣く我慢して家に帰りました(涙) こういう時も、チケットをどなたかに渡すことが出来るシステムがあるといいのに…と思いました。チケット代はいりませんし、むしろ手数料を払ってもいいから、他の方に楽しんでいただきたかったです。

ミサ曲は、当たり前なのですが「ミサ曲」なのだなぁと思いました。
私、オペラっぽいものかと勘違いしておりました(汗) やはり人の声は素晴らしいですよね。
初めて座ったホールCの2階席でしたが、舞台を見渡せますし音も綺麗に届きますしで気に入ってしまいました。来年ホールCで聴く機会があったら、2階席がいいなぁと思いました。

何だかんだと会場のハシゴに追われてしまい、コンサート以外の部分を見渡せていない今年のラ・フォル・ジュルネですが、3日目はもう少し歩き回ってみたいと思います♪

2009年5月5日 記

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