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マリア・ジョアン・ピリス ピアノリサイタル
【 2009年5月2日(土) at 紀尾井ホール 】
チェロ:パヴェル・ゴムツィアコフ


■ ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ 第2番 ト短調
■ ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調

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■ ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調「テンペスト」
■ ベートーヴェン:チェロとピアノのためのソナタ 第3番 イ長調

アンコール
■ バッハ:パストラーレ ※チェロとピアノ
■ カザルス:鳥の歌 ※チェロとピアノ
天気に恵まれ、昼間のコンサートへ向かうには大変気持ちの良い日でした。
本日の公演は他公演に比べてチケットのお値段が良かったにもかかわらず、早々に完売(今回のツアー、ほとんどの公演が完売されていたようです。すごいですね!)。
連休初日ということと、紀尾井ホールという素敵なホールだったことが原因なのではと思います♪

本日の客層は老若男女入り混じっていて、特に「これ」という年齢層が目立つわけではありませんでした。
入口には、「『テンペスト』と『創作主題による32の変奏曲』の曲順を演奏者の希望により変更いたします」との案内が。それ以前に、今回曲目が全面的に変わっているのですが…(苦笑)

以前オーギュスタン・デュメイさんのリサイタルの際にも感じたのですが、ここのホールは客席からの拍手が暖かく響いて良いですね! 拍手している自分たちも嬉しくなってしまうような、拍手、拍手の嵐のなか、ピリスさんとゴムツィアコフさんが舞台へ登場されました。(曲について感じたことは、先に綴った5月4日の大賀ホールでの公演で書尽くしてしまいましたので省略します。)

今回私は右側の席でしたので、ピリスさんのお顔の表情が良く見えて良かったです。1曲1曲真剣そのもので、ショパンプロの時よりは笑顔が多かったかなと思います。そういう曲が並んでいたのだと思います。音の響きも格別です。紀尾井ホールの音の良さに惚れ直しました。いいホールです。

「曲間の拍手はご遠慮下さい」の注意書きが今回ありませんでした。
ピリスさんの公演にしてはめずらしい…と言いますか、拍手していいの?!という気持ちでした(拍手禁止が慣れてしまって、苦笑)。
1曲ごとに舞台を出入りされるピリスさんのお姿を見るのは初めてでしたが、拍手の中舞台を歩かれる間のようなものがあまりお好きでないのかな、と感じました。
舞台に再び登場されると、すぐに演奏を始められました。曲と曲とのつながりに一区切り付かせるのを嫌うかのように。

休憩中やコンサート後に周りでの会話が色々耳に入りましたが、皆様おっしゃるには「もっとピリスさんのソロが聴きたい!」と。>ごもっともです!
まるでチェロリサイタルかのような構成です。はい。
しかも、ゴムツィアコフさんはスーパーピアノレッスンを見た方にしか分からないのではないかと。
でも、ピリスさんが望んでのこのプログラムですから仕方がないことですし、チェロソナタでも十分にピリスさんのピアノの魅力が伝わって来ますので…

アンコールは2曲。最後の「鳥の歌」は、スーパーピアノレッスンでも流れた曲ですね! ピアノの主張する場面はない曲ですが(リズムを刻んでいることが多いと言いますか、左手はピアノの上に置かれている場面もあった位で)、でも曲の構成は明らかにピリスさんが作り上げていると伝わってくる所にピリスさんの力を感じました。

紀尾井ホール公演は特に客席からの「ピリスさん大好き度」が強く伝わってきたような気がして、皆で一体化して聴くことが出来た、素敵なリサイタルでした。

2009年5月5日 記

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