戻る

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 5日目
熱狂の日 音楽祭2008 「シューベルトとウィーン」
2008年5月6日(火) at 東京国際フォーラム
【565】
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)

■ ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」
■ ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110

アンコール
ベートーヴェンの曲でした(知識が無いので分からず…)
本日、連休の最終日。
そしてとても楽しかったラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008の最終日でもあります。
もう、ダルベルト先生のいない東京国際フォーラム… 足を踏み入れた瞬間、何だか寂しい。
(というか、明日から仕事というのが一番悲しいです、苦笑い)

本日最後に聴く曲はシューベルトではなく、ベートーヴェンです!
大変人気の高いアンヌ・ケフェレックさんの第31番です!!!
31番好きの私としては、それはもう、楽しみで仕方がありませんでした。

会場であるG409というホールは座席がピアノに近く、どの場所に座ってもきちんと音を楽しむことができると思ったので、自由席ですが本日は特に並びませんでした。
ダルベルト先生の公演の場合、開場になると一気にピアノの手の位置が見える席(左側、もしくは背中側)が埋まっていったのですが、本日は中央の席がぎっしり埋まり、ピアノの前と後ろの席がガラ空きでした。思わず、係りの方に座っていいのか確認を取って、ケフェレックさんの手が良く見える、背中側の最前列に座りました。>やったぁ!

ピアノの蓋が結構開いていたのが、これまで聴き続けたダルベルト先生と違うなぁと思いました。先生は半分位しかいつも空いていませんでした。全開だとホールが小さいから音が大きくなってしまうのかな…と思っていたのですが(ケフェレックさんの場合、この位の開きで丁度良かったです)。
とてもチャーミングなケフェレックさんが登場!
ピアノに向けられた2台の照明を少しずらしてから、椅子に座られました。いつも素敵な笑顔の写真を目にするのですが、演奏前のケフェレックさんのお顔は真剣そのものです。

最初は月光。
BSぴあのピアの月光の回で流れていた水面に映る月の映像が、頭に浮かんでくるような演奏でした。ケフェレックさんは、楽章間の間を取らずに一気に弾き通されました。
私は月光の最初の有名な部分しか聴いたことが無く、今回初めて全体の流れはこうなっていたのか…と知りました。アルバムはいくつか持っているのですが(ピリスさんとか仲道さんとか)、不思議と聴かないです。今度きちんと聴こうと思いました。

そして続いて待ちに待った第31番!
最初の穏やかな出だしを聴いた瞬間、鳥肌が立ちました。そして、昨年のピリスさんの演奏を思い出しました。似ているとかそういうのではなくて、この音楽を聴くと条件反射的にあの日のことを思い出してしまうようです。第31番大好きです〜〜〜vvv
ケフェレックさんの演奏も、間の取り方に特徴がありますが、大変素晴らしく、目がウルウルしてしまいました。涙流してしまうと照明が当たっている席なので、少し恥ずかしいから一生懸命に我慢しました。ダルベルト先生の時も涙出なかったのに…

と、出だしは(私の気分的に)好調だったのですが、クライマックスの第3楽章が私の想像していた世界と違ったのです…
これは好みの問題で、ケフェレックさんの演奏がどうとかそういうものではないのです。演奏後に会場から大きな拍手が湧きあがりましたし!

私は最後の「ジャーン! ジャーーン!! ジャーン!!!」という連打の部分を、ゆっくりと会場一杯に音色を響かせて、聴衆にイメージをする時間を与えてほしいのです。
私はその時、天上への扉が浮かんできます。そして、徐々にその扉へ向かうための階段が一段一段と現れて、フーガになると天上の天使たちと一緒に歌ったり踊ったりするのです。
そのイメージを作る作業がとても好き。自分も天国へ行ったかのように大変気持ちが高揚します。

ですが、ケフェレックさんの演奏の場合、1つ1つのジャーン!がとても速く、扉が頭の中にイメージされる前にフーガへ行ってしまいました。なので、階段も上がれませんし、天国の扉を開くことも出来ませんでした。天使も出てきませんでした。

そして、あれ?と、こちらが焦っているうちに、曲が終わってしまって!>きゃ〜っ!何てこと!!!

完全に不完全燃焼。気持ちが高揚しませんでした…

また、私の第31番探しの旅を始めます。頭にガツンとくる31番が聴きたいなぁ。

演奏が終わると、男性のファンの方から花束のプレゼントが♪ 素敵v
きっとこの方、花束を渡すための席を確保するために、ずっと前から並んでいらしたのだろうなぁと思うと、私まで嬉しくなってしまいました。追っかけ万歳!なんて。

ケフェレックさんも、その可愛い花束をピアノの上に置いて、アンコールを弾いて下さいました。ピアノの上に花束って素敵ですよね。花束には、しっかりとお手紙が貼りついておりまして、そうか、こうやって花束って渡すんだ…と勉強になりました。

私の期待とは少しずれてしまった第31番でしたが、でも素敵な演奏でした。
5日間楽しかったなぁ!!!
ダルベルト先生のおかげで、シューベルトのソナタが好きになってきたし。今年の熱狂の日はいつも以上に楽しかったです(というか、単に先生を追っかけていただけという話もある)。
来年はバッハだそうで。
バッハは、どの曲も裏切ることなく素晴らしいですよね。
ヴァイオリンだと無伴奏があるし! 協奏曲も素敵だし!
今から楽しみにしています♪ デュメイさん、来年こそは国際フォーラムに来て下さいね〜!!!

2008年5月6日 記

▲上へ
本嫌いさんの読書感想文〜カラマーゾフの兄弟はいつも貸出中?!
YUKIKOGUMA   All Rights Reserved