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バイエルン放送交響楽団 2007年日本公演
首席指揮者:マリス・ヤンソンス

【 2007年11月20日(火) in サントリーホール 】

■ メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
■ マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
ブラボー! ヤンソンスさん!!!
ブラヴィー! バイエルンの皆さん!!! ブラボー! バラホフスキーさん!!!


もう、声を大にして叫びたい。皆、ありがとう、と。
あなたたちは何て素晴らしい方々なんだ、と。
泣きたい位に素晴らしい演奏に出会うことが出来ました。
昨日の演奏が嘘のようです(…私にとって、です)。あれは今日の感動のための序章だったのだ、と思いたいです。そう思うことにします。>自己完結。

今日は、「あれ、もう雪こぐまさん帰っちゃうの?」と他の部署の人に言われながら、同じ部署の人が電話中であるにも関わらず、挨拶もせずにさっさと会社を後にしました(爆)
明日から心を入れ替えて頑張ります。

さすがに入口で配られる公演チラシの袋は失礼して(私はチラシ好きなのでいつもしっかりともらって帰るのですが)、サントリーホールへ入りました。
今日は入口にスーツを着た人が多数。招待客を待っているようでした。喫茶の所で横で聞いた話によると、どこかのお偉方とかがたくさんいらしているとか。(スポンサーの日興コーディアルさんかなぁなんて思ったりしたのですが!)ヤンソンスさんの写真が印刷された素敵な招待券をお持ちの方がたくさんいらっしゃいました。羨ましい…

そのせいか、私の席は前の方の席だったのですが、私の周りの平均年齢はとても高かったです。そしてクラシックファンとかそういう感じではなかったです。すごくマナーが悪くて(涙)普通だったら怒っているところですが、演奏がそれをかき消す位に良かったのでそれほど気になりませんでした。
ホール全体で言っても、昨日のお客様の方がマナー良かったです。今日はちょっと…

本日のコンマスさんはバラホフスキーさんでした! やった!!!
ですが、川崎ではスリムになった…と思っていたのですが、本日は今まで通りのバラさんでした(爆) あれは幻だったのかしら…でも、素敵なのには変わりありませんv
今日は丁度ハンサムなチェロの方を正面にした席。バラさん、ヤンソンスさん、チェロの方、ヴィオラの方(もチェック入れています。音が素晴らしいので!)という順で見まわしながら楽しませていただきましたv

蛍光系のブルーとピンクのドレスを着たサラ・チャンさんとヤンソンスさんが登場!
本日はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。私にとってメンコン=デュメイさんの曲。デュメイさん以外のソリストはなかなか受け入れられない曲です。

だから辛口、という訳ではなく、一般的な目線で言ってもそうだと思うのですが、本日のサラ・チャンさんの演奏はいけませんね…という感じでした。ヴァイオリンの調子が悪いのでしょうか。本来のチャンさんは(よく知りませんが)こんな演奏される方ではない、と感じました。
それでも最後までくじけず、よく弾ききったな、という部分に拍手を送りたい位でした(相当失礼なこと言っていますが、本当にそれ位よろしくなかったのです)。

出だしから音が出ていないし。無理やり音を出している感じがして、この音を最後まで聴くのは辛かったです。オケもこの演奏に合わせて弾いているからか、迫力がいまいち。ヤンソンスさんの指揮も、切れがありません。
チャンさんが川崎と同じく、ヤンソンスさんにじりじり近寄っていくものですから、ヤンソンスさんも思うように手を広げて指揮出来なかった、という見方もあります(笑い)
今日は積極的にコンマスさん(バラさん)に向かって弾かれていましたが、バラさんは終始下を向いて弾き続けられていました。でも、そんなチャンさんはとても好感持てました。音だけがだめでした。

これがチャンさんではなく、デュメイさんだったらどうなんだろう…と、途中から妄想し出しました(爆)左からバラさん、デュメイさん、ヤンソンスさん、チェロのハンサム君、ヴィオラの素敵な音色の方…。

…いいじゃないですか!!!

なんて、訳の分からないことを。きっとデュメイさんだったら、ヤンソンスさんの指揮を無視して自由に弾いてしまうのではないかと思います。デュメイさんのメンコンがまた聴きたいです。>と、思考が違う方向に行ってしまいました。

後半は、川崎でも大感動だったマーラー5番。
ものすごく大きな期待をしていたのですが、実際はそれ以上!!!
本日と川崎、両方聴きに行った友人とも興奮して話していたのですが、ぜひもう1回聴きたいです。テレビ放映でも、ライヴ録音でも、このバイエルン+ヤンソンスの組み合わせでやっていただきたいです。インターネットラジオでは今年2回ほどこの組み合わせで放送されているのですが、どちらも録音失敗して聴けていないのです。再放送に期待します♪
コンサートの前半がマラ5で、後半もマラ5 でもいいよねー、などとも話し合いました(爆)だって、飽きるまで聴きたいんですもの!

このマーラー5番は約1時間30分ほどある大曲です。
演奏する方たちはもちろんなのですが、聴き手のこちらもそれなりの気合いと心の準備をしてこの曲に向かわないといけないと思うのです。皆で心を一つにして聴かないと。
私は以前、ジョナサン・ノット指揮+バンベルグ交響楽団でマラ5を聴いているのですが、この時はこの曲についてさっぱり分かりませんでした。なぜ皆が演奏後にあれだけ熱狂されるのだろうか、と。
今回、ヤンソンスさんとバイエルンの方々とそしてバラホフスキーさんに、マラ5の魅力と楽しみ方を、たっぷりと教えていただいたような気がします。こんなに身近な曲だったのか、と。

素敵な管の音色から始まり、そしてヤンソンスさんの大きな一振りでジャーン!!!とオケが爆発します(まず、ここで一気にテンションが上がります)。鳥肌が立ちます。オケの皆も格好いい!!!

ヤンソンスさんの指揮も、昨日や本日前半とは違い、切れがあるし、よりダイナミックだし、唸っています(ヤンソンスさんも唸るんだ…と知りました)。
すごく輝いていて、そうそう、このヤンソンスさんの姿に私たちは引き寄せられるんだ…と再確認。

どのパートも音が際立っていて、でも全体的なバランスも丁度良くて。
バラホフスキーさんも熱い演奏をされますし、ヴィオラの方も上手いし音がいいし(こればっか)、チェロのハンサム君は一見今時の若者風なのですが、やる時はやるって感じで、すごく熱いし音もいいです。皆様熱心に弾かれる姿が本当に格好良い! そして中央で指示を出しているヤンソンスさんはもっと格好良いです! 今日は音を操られていました。ぴたっ、ぴたっ、と音が止まって、次は流れるように音が出たり。
それから、管の音色が良いと以前書きましたが、打楽器も良いです。管楽器と打楽器が良いと、良い演奏に恵まれることが多いですよね。

本日は第2楽章が終わってからだったでしょうか。
右端の方に座られていた御年輩だと思われる男性が激しく咳込んで。少しだったらいいのですが、演奏の流れを妨げる位に我慢もせずに咳込むものですから(もしかしたら我慢した上での結果なのかもしれませんが)、会場からは失笑が起こり、これまでの集中力がぶち壊し。もう最低。
おまけにその間に飴を舐めればいいのに、曲が始まりだしてから飴の包み紙をゆっくりと遠慮気味に開ける方が周りに続出(どうせ舐めるのであれば、遠慮せずに一気に開けていただきたい)。
私の何人か先の左側にいる男性は、何度も椅子を座りなおしていて(半分立つ位の勢いで)、きっと後の方は迷惑されていたのではないかと思います。私の前の老夫婦は演奏中にお話ししているし。

こんな調子だと、第3楽章の終わりには、またフライングブラボーが起こるのでは…と不安でしたが、本日は大丈夫でした(爆)良かった… 良かったけど、私の周りの環境は良くない! 左隣の男性もマーラーを楽しみにされていたようで、少しお怒り気味でした。
長い旅なのだから、皆で気持ちを合わせて演奏を聴かなくちゃ、って思うのですがね。だって今日の舞台上にはドイツの風がビュンビュンと吹いているのですから。もう、日本の空間では無かった。純粋にマーラーを聴きたい、という方たちだけで集まって、今日の演奏を聴きたかったなぁ。

第4楽章のアダージェットは映画「ベニスに死す」で有名な曲。
心がじーーーんとするような演奏でした。それ以上は、私の言葉では表現不可能です(笑い)

そして最後の第5楽章。これが良かった。ヤンソンスさんとオケと私たちとで手を取り合って、マーラーの世界を旅した感じ。
ズンズンズン…と、チェロを主体としたベースを刻むリズムがとっても良いです。ハンサム君もより輝いて見えた場面でした(笑い)バラさんもヴィオラ君も真剣そのもの。
気持ちの良いリズムに乗りながら、もうすぐこの世界も終わってしまうのだ…と思うと、悲しくなりました。いえ、心の中では永遠に残りますけれども。ずっとずっと聴き続けていたかったです。

最後は川崎同様、これでもかってくらいに盛り上がって文句なくフィニッシュ!
会場中、ブラボーが飛び交いました。
(私の2席向こう隣の男性は、演奏中ずっと寝ていたにもかかわらず、終わる頃には手を拍手するために準備して待ち構えていたのが怖かったです。)

今回、ヤンソンス+バイエルンでマーラー5番が聴けて良かったです。
本当に素晴らしかった…
もちろん好みもありますし、全員が全員絶賛するとは思いませんが、でも私的には大満足♪
今日も皆様ありがとう、という気持ちでサントリーホールを後にしました。

2007年11月20日 記

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