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バイエルン放送交響楽団 2007年日本公演
首席指揮者:マリス・ヤンソンス

【 2007年11月19日(月) in サントリーホール 】

■ R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」Op.30
■ ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 Op.68

アンコール
■ ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番
■ R.シュトラウス:「ばらの騎士」よりワルツ
先日の川崎公演の興奮冷めやらぬ中(というか、マラ5 第3楽章のフライングブラボー男のトラウマが頭から離れない中、爆)、仕事そっちのけでサントリーホールへ向かいました!
先日のゲルギエフさん@サントリー公演は仕事優先で遅刻してしまいましたが、今日と明日は前々から手回ししているので(掃除当番も代わっていただきました!)、比較的無理が効くのです(笑い)

本日は平日ということもあって、空席がちらほらありました。私の視界からは8割位の入りだったのかな、と思います。
私が席に座ってまず確認したのが、コンマス席です。今日もバラホフスキーさんだったらいいなぁって。でも席に座布団のような腰当てが用意されていたので、「あ、これはもう絶対に違うな」と(爆)
バラさんは腰当て不要ですから! 本日は正規のコンマスさんです。
大変素晴らしいヴァイオリンソロで、結果的にはこの方で良かったです(きっとバラさんだったらここまでの音は出ないと思う…)。

拍手の中、バイエルンの方々が登場。バラさんはいないけど、ハンサムなチェロの方はきちんといらっしゃいます。そして、素敵な音色のヴィオラの方も。それだけ確認出来ればOKです(笑い)
続いて本日の主役の(?)ヤンソンスさんが登場! 指揮台に上がるとすぐに演奏が始まりました。

私が上手く発音できない「ツァラトゥストラはこう語った」。
2001年宇宙の旅で使われた出だしのサビ部分しか知らない曲です(爆)
一応、予習はしましたがそれでもさっぱり…
皆さんのブログを拝見しますとサントリーホールのパイプオルガンが使われなかったとの感想がいくつもあり、言われてみればそうだな…と私も思った次第です。電子オルガンにスピーカーで音を出していました。(問い合わせた方の書き込みによりますと、サントリーホールのオルガン(443Hz)とオーケストラのピッチ(442Hz)が違っているのでより良い演奏を提供できないため、だそうです)

ツァラの時はカメラが回っておりましたが、きっとバイエルン放送の方によるものなのではないかと思います。日本でもぜひ見たいですね!というか、ツァラではなくマーラー5番を録っていただきたかったです。今回、日本の放送局は録画一切無しだったのでしょうか…残念。

とても楽しみにしていたコンサートだったのですが、本日はヤンソンスさんのメッセージと私の波長とがどうも上手くかみ合いませんでした。頭の中では「すごい演奏だ!」って分かっているのですが、心の底から興奮するような、あのキャーキャー感(普通、こういうものは無くてもいいのですが、苦笑い)が何にも無くて。私、どうしてしまったのだろう…と悲しくなりました。
こういう状態になると恐ろしいもので、あの華麗なヤンソンスさんの指揮も頭の中を素通りしてしまうのですよ!!! 自分自身が信じられません(苦笑い)
ヤンソンスさんは川崎公演に比べてだいぶお疲れのように感じますし(舞台の出入りの足の運びが)、指揮と音に切れが無いというか。…恐らく、私の体調が良くなかったのだと思いますが。気合いは十分だったのですけれども。

ツァラも後半のブラームス第1番も、どちらもだめでした。
ブラームスは第1楽章のテンポがちょっと… ヤンソンスさんは少し溜め気味でブラームスの世界を表現されていました。私としては勢いに任せてどんどん突き進んでいくような1楽章が好きなので。
初めて生演奏で聴いたジャナンドレア・ノセダ氏+東京交響楽団さんの演奏の方が私は好きだなぁと思いました。音の響きはもちろんバイエルンの方が遙かにすごいと思うのですが、ノセダ氏の激しく「ターン・タ、ターン・タ…」と大きく歌いながらダイナミックに指揮されていた姿が未だに頭から離れなくて。きっと、あの時のリズムが私にとってのブラームス1番のリズムになったのだと思います。

第4楽章は良かったです。早目のテンポで切れも良くて、最後の部分でこういう演奏が聴けて良かった…と思いました。

でも一番良かったのはアンコールの2曲。
私の目にはヤンソンスさんがかなりお疲れのように見えたので、もうアンコールはいいから…という気持ちでしたが、ヤンソンスさんもバイエルンの皆さんも弾け飛んだかのような活気のある演奏をされました。

ブラームスのハンガリー舞曲第5番はヴァイオリンのリサイタルでもよく演奏される曲ですが、今までに聴いたことのないような、変化溢れる第5番でした。同じ一つの曲で、ここまで雰囲気の違いを出せるものなんだ…と感じました。少しヤンソンスさんのクセが強いかな、と思いましたが、でも素晴らしかったです。(デュメイさんの第5番も私には強烈でしたけれども。余談ですが。)

ばらの騎士は私はよく知らない曲なのですが(オペラは気になりますが!)、でもバイエルンの皆様がこれでもかって言う位に夢中になって弾かれていて(ハンガリー舞曲第5番よりももっとすごいです)、またそのお姿と曲が大変合っていました。このオケはこういった曲が得意なのかな、と。ワルツはヤンソンスさんにとても良く似合いますね!

大好きなブラームス第1番を心に焼き付けて帰ることが出来なかったのは残念でしたが、でも素晴らしい演奏だったことには間違いありません。残り2公演も今日みたいだったらどうしよう…という気持ちと、いやいやそんなことがあるはずがない、という気持ちを闘わせながら(爆)雨が降り始めた中、サントリーホールを後にしました。

2007年11月25日 記

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