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ヒーリング・クラシックス
バラホフスキーとノヴォシビルスク室内合奏団
【 2007年7月28日(土) in 東京オペラシティ 】
 ヴァイオリン:アントン・バラホフスキー フルート:マリア・オシポワ **
 室内楽:ノヴォシビルスク室内合奏団


■ ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲「四季」より“夏”
■ クライスラー : 愛の喜び
■ ショパン : ノクターン 第2番 第20番(遺作)
■ エルガー : 愛のあいさつ
■ ビゼー : 「アルルの女」より“メヌエット” **
■ パラディス : シチリアーノ
■ パガニーニ : ラ・カンパネラ
■ グリーグ : 「ペールギュント」より“朝” **
■ ビゼー : 「カルメン」より“間奏曲” **
■ マスネ : タイスの瞑想曲
■ ポンセ : エストレリータ
■ グルック : 精霊の踊り(歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より) **
■ フォーレ : 夢のあとに
■ サラサーテ : ツィゴイネルワイゼン

アンコール
■ ベッリーニ : 「ノルマ」より
■ ヴィヴァルディ : 「四季」より“冬”第2楽章
■ ウィリアムス : シンドラーのリスト
■ ポルトラツスキー : 思い出
バラホフスキーさん&ノヴォシビルスク室内合奏団の方たち
オーチン・ハラショー!!!
>きゃ〜っっっvvv

すごく微妙な入間公演から約2週間後の本日の東京オペラシティ公演です。
彼らは驚くほどに進化していました… 1曲目の「夏」の出だしからして違っていました。
「やれば出来るじゃないのっ!」 と、思わず素人のくせに高飛車+上から目線で感想を述べてしまいたい位に(笑い) とても良いコンサートでした。

本日は(いえ、本日も?!)時間ギリギリです。初台駅に到着したのが開演時間の14:00でした。
オペラシティでは各空間で大道芸などの催し物が開かれており、人が結構集まっていました。人をかき分け、エスカレーターの右側をガンガン駆け上ってコンサートホールに向かいました。
本日は大変暑く、眩暈がしてきてしまったので途中で休憩したりもしました(爆) あの短い距離を!
ものすごく気持ちだけが焦っていたようです、私。
でも、開演時間を少し遅くして下さっていたようで、何とか間に合い最初から聴くことが出来ました。

本日の公演は客席がほぼ埋まっています! 3階席は使わなかったようですが、1階席は満席に近い感じ、2階席両サイドも埋まっていることは確認できました。さすがオペラシティです。
客層はクラシック・ファンというよりも、ソ連時代に仕事か何かで行ったことがあるというような年代の方やロシア好きが集まっていたような気がしました。年齢層は高かったです。
私の後ろの席の若い女の子たちは恐らく「金色のコルダ」(というアニメやゲームがあるのです←見たらハマりそうなのであえて見ていませんが!)ファンの方たちだろう、と自然と耳に入ってきてしまう会話から感じました。「愛のあいさつ」をとても楽しみにしていたようでした。
彼女たちは帰る時に「すごく良かったね〜!」と感激して帰っていったので、コンサートに足を運ぶきっかけがあるというのはいいことだなぁと感じました。そして、偶然とはいえバラホフスキーさんの演奏に出会えるなんてラッキーな方たちでしたね♪

さて、舞台にノヴォシビルスク室内合奏団の方々、続いてバラホフスキーさんが登場し、ヴィヴァルディの四季「夏」が始まりました。前回同様、皆さん立っての演奏です。
前回は楽譜にある音符以外の余計な音がオケから聴こえてきたのが気になったのですが、今回はきちんと皆が1つにまとまっています! そして、バラホフスキーさんとのバランスがとても良いです。
この2週間 色々な公演をしていく中で、音楽が完成されていったのだなぁ…と その成長と工夫が感じられて嬉しかったです。明らかに入間と違うのですよ。それは素人の私ですら感じられることでした。入間は初めての日本での公演でしたので、緊張されていたのかな…とか勝手に想像したり。

曲目は前回と同じですので各曲の感想は省略して、前回と明らかに違ったと感じた点を述べたいと思います。

まずは演奏者さんたちの気合いの入り方。前回比が1:5位はあるのではないかと思います。
中心になるバラホフスキーさんも、弾く時の体の動きが大きくなっていますし!(大変素敵でした>好みもあると思いますが、笑い) 音の強弱・メリハリもはっきりとしていて、表現したいことが何となく伝わってきましたし、今日の皆は格好良いよ…って、聴きながら思いました。
前回無表情だった、フルートのマリア・オシポワさんも終始笑顔、ですよ! びっくりです。
2階席にもきちんと挨拶をし、1列目中央には顔見知りの方がいらっしゃるように感じました。元々素敵なフルートの音色を出される方だとは思っていたのですが、笑顔がプラスされるとさらにいい感じがします。

それから、音の響きも違ったように感じました。あまりこういうことを感じた事って無いのですが、入間の音よりもすごく情報が詰まっているというか、入間の音が1つの平面的な丸だとしたら、オペラシティの音は小さな球体がいくつも集まって、それで1つの音を出している、みたいな感じです。平面が立体的になったというか、次元が1つ多いのですよね。それだけ1つのものに対して色々なことが見えるというか。コンサートホールの空間が違うように感じました。

最後の1つは、やはり客席の熱気(笑い)
客席のパワーって演奏者にも伝わるのだろうなぁ…って感じました。
各事情は私には分りかねますが、主催者は客を集める努力をしていただきたいです。聴いているこちらも気持が全然違ってきますし! 少人数だからこその優越感とか、そういうのは存在しませんから。多い方が断然いいです。

私一押しのタイスの瞑想曲は、周りの反応が結構良くて(感嘆の声があがっていました)嬉しかったです。ラストのツィゴイネルワイゼンもすごく気合いが入った演奏で、皆で聴き入り、最後はブラボーの声が!

アンコールも大サービスで(?)、今回はヴィヴァルディの四季より冬の第2楽章がプラスされていました。これが、すごく良いラルゴだったのです! ノヴォシビルスク室内合奏団さんたちのピチカートは、暖炉の薪が燃えるパチパチ音に聴こえましたし(さすが寒い国の人たちです…)、バラホフスキーさんの旋律は、ヴァイオリンが軽やかに歌っているようでした。温かいとか優しいとかではなく、美しく暖炉の前で歌っているのですよね。自分のイメージとは違う表現方法でしたが、こういうのもアリだなぁと感じました。このままアンコール2曲で終わってもいい、って思った位です。>出来ればもっと聴きたいけど。
…こうなってくると、バラさんの演奏で「四季」をフルで聴きたくなりますね(笑い)

ベッリーニの「ノルマ」は、バラさんのヴァイオリンがピチカートで伴奏してオケが主旋律を奏でる部分があったりして、バラさんの魅力全開ではない所が逆に心地良くて、何度聴いても良かったです。

コンサート終了後はアルバムを購入した人対象にサイン会がありました。
アルバムと言いますと、バラホフスキーさんはワディム・レーピンさんの「ライヴ・アット・ルーヴル」というアルバムのプロコフィエフ「2つのヴァイオリンのためのソナタ」で1stヴァイオリンをされています。アントン・バラショフスキーと書かれているのが、このバラさんです。こちらにサインをしていただくのもいいですね! >いいのか?!

バラホフスキーさんの音色の虜になった人たちが(?それとも本日の記念に?)、長い列を作りました。本当はもっと1人1人が感想とか挨拶とかをバラさんに伝えられるお時間を作っていただければ良かったのですが、もうバラさんはサイン製造機のように、横に並べられたアルバムに休む暇なくサインを書かされていて、こちらはそれを受け取るだけ、というようなものでした(いつものごとく、オペラシティのお時間の関係でしょうか)。
多くの方が本日のコンサートを楽しみましたので、その気持ちを少しでも皆で伝えることが出来れば良かったのに…とその段取りには残念でした。

次は12月のリサイタル、「麗しのヴァイオリン」です。
ピアノはアルバムでも伴奏されていますミシュクさん。楽しみにしています!

2007年7月29日 記

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