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新日本フィル 室内楽シリーズW
響きあう街と音楽2007 第4回 〜弦楽四重奏で聴く「10人の作曲家の肖像」〜
【 2007年7月26日(木) in すみだトリフォニーホール 小ホール 】

■ ハイドン : 弦楽四重奏第77番ハ長調『皇帝』op.76-3
  第1ヴァイオリン 竹中勇人 第2ヴァイオリン 一重弘子 ヴィオラ 高橋正人 チェロ 花崎薫

■ ブルッフ : 七重奏曲変ホ長調 op.16
  クラリネット 重松希巳江 ホルン 阿部雅人 ファゴット 坪井隆明
  第1ヴァイオリン 西江辰郎 第2ヴァイオリン 山崎恵子 チェロ 川上徹 コントラバス 廣嶋嘉人
新日フィルさんの室内楽シリーズは、会員さんが、しかも年間購入しないと手に入らない… と聞いたことがあります。この話の100%本当かは分かりませんが、でも一般ではなかなか購入出来ないのは事実です。
今回は、ある方の御厚意により(ありがとうございます!)、その謎に包まれた(?)コンサートに行くことが出来ました。

すみだトリフォニーホールは大好きなホールの1つですが、小ホールは初めてです。最初入口が分からず、レストランに間違えて入ってしまったりして(←馬鹿)迷ってしまいました。大ホールと違って、上にあがってはいけないのですね(地上のまま行けば、すぐにたどり着きます)。

ホールに着きますと、小ホールだからかもしれませんがいつものコンサートとは違った、ちょっと通っぽい雰囲気(どんな雰囲気だ、笑い)が入口から立ち込めています。
開演15分前からプレトークがあったのですが、すでに始まっていました。私も途中から立って横で聞かせていただきました。開演前だからかもしれませんが、立って聞いている人以上に空席が見えたのがもったいないなぁと思いました。きっと、行きたくても(チケットが手に入らなくて)行けない方が多くいらっしゃると思うので。

お話しされていたのは、新日フィルの第2ヴァイオリン奏者 篠原英和さん。
内容はほとんど忘れてしまいましたが、とにかくお話しが上手な方でした。途中から聞いても面白いですし、皆さんが話に引き付けられているのが横でよく分かりました。
新日フィルさんの紹介を交えながら、今回の演奏曲目の説明、演奏者の紹介、最後に2曲目で演奏される西江辰郎さんが登場してのお話(どのような流れで登場されたのかが覚えていないのですが)…というような感じでした。
西江さんが大変人気のある方だとは何となく聞いておりましたが、本当に人気のある方ですね! 登場されるや否や、私が立っていた周りに座られていた方たち(年齢問わず)の笑顔が輝きだして、西江さんのお話に大きくうなずきながら聞かれていました。大好きなのね…ということが良く分かりました。好きな演奏家がいるということは、大変に素晴らしいことです(笑い)

1曲目のハイドン弦楽四重奏。
ハイドンの弦楽四重奏と言うと、私はザ・リンゼイズが頭に浮かびます(以前テレビでリンゼイズのハイドンシリーズをいくつか見て感動したので)。色々な部分にハイドンのメッセージが含まれている曲なのだなぁというイメージがあります。

この曲は第2楽章にハイドンがオーストリアの人たちの忠誠心を活気づけるために(当時はナポレオン率いるフランス軍にオーストリアは侵略されていたから)作ったオーストリア国歌「皇帝賛歌」(現在のドイツの国歌)の変奏曲を使ったことに由来して「皇帝」と名前が付いているそうです。
ハイドンはこの旋律をすごく気に入っていたと、どちらかのHPに書かれていたのを読んだことがあります。

篠原さんの説明によると、この第2楽章は最初の2つのヴァイオリンで天上を表現しなければいけない。そして、ヴィオラが女性の声、チェロが男性の声となって、人間の世界を表現し、そしてまた最後に全体で天上を表現する…
うろ覚えなので、ほぼ記憶違いかもしれませんが(爆)そのようなお話をされていたと思います。

実際の第2楽章の演奏はどうだったかといいますと、第1楽章とはガラッと雰囲気が変わって、天上の輝かしい世界が目の前に見えてきたのでびっくりしました。素晴らしい第2楽章でした。>さすが、新日フィルさん! 本日のコンサートで一番気に入った部分でしたv

休憩の後はブルッフの七重奏曲。
すごく馴染みやすい(聴きやすい)曲で、曲全体としてはこちらの方が私は好みです。
さすが西江さん、と言うべきか、前半よりもまとまりが良かったようにも感じます(前半ももちろん、まとまっていましたよ!)。弦から管へ、管から弦へのつなぎが多くありまして、そのつなぎがとても上手かったので、楽しく聴くことが出来ました。
私の目の前にクラリネットの重松さんが座られていたのですが、クラリネットは2種類用意されていて(何楽章だったかに使い分けられていました)、クラリネットを立て掛ける木の道具も見慣れていないので新鮮でしたし、楽章が終わるごとに布でクラリネットの中をお手入れされていて、皆さんはそのお手入れ待ち…のような状態が続いたのも面白かったです。
クラリネットは私は普段は接する機会がほとんど無いのですが、重松さんの音色はとても素晴らしいと感じました。比べる基準が無いので直感ですけれども。良い音色でした♪

コンサート後は希望者はミニパーティーに参加できたのですが、私は用事がありましたので先に失礼しました。終始勝手が分からないままドキドキしながら参加したコンサートでしたが(笑い)、新日フィルさんがファンの方たちに音楽を伝えたいという姿勢が伝わってきましたし、またファンの方たちに音楽の知識を提供していく場でもあるのかな、と思いました(最初のプレトークとか)。ファンも一緒に成長していくというか、成長させていくのもオケの仕事の1つだと考えるとすれば、それはとても良いことだなぁなどと、意味の分からないことを考えながらトリフォニーホールを後にしました。

2007年7月30日 記

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