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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 【 2日目】
「熱狂の日」音楽祭2007 民族のハーモニー
2007年5月3日(木) in 東京国際フォーラム
【 ホールA ドストエフスキー 】 212
  ヴァイオリン:渡辺玲子  ビルバオ交響楽団  指揮:ファンホ・メナ


■ マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲 第2番 H.293
■ バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116



【 ホールC カフカ 】 244
  ヴァイオリン:ルノー・カプソン  香港シンフォニエッタ  指揮:葉詠詩


■ シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
■ シベリウス:交響詩「フィンランディア」 作品26



【 ホールA ドストエフスキー 】 214
  ソプラノ:アナ・キンタンシュ バリトン:ピーター・ハーヴィー ロザンヌ声楽アンサンブル
  シンフォニア・ヴィルソヴィア 指揮:ミシェル・コルボ


■ フォーレ:レクイエム 作品48



【 ホールB5 ガルシア・ロルカ 】 236
  ヴァイオリン:樫本大進  ピアノ:ベルトラン・シャマユ


■ グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 作品13
■ グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45



【 ホールC カフカ 】 247
  チェロ:ゴーティエ・カプソン  シンフォニア・ヴァルソヴィア  指揮:飯守泰次郎


■ ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

アンコール
■ 曲名分かりません…可愛らしい曲でした♪
とても良い天気の中、熱狂の日・2日目に行ってまいりました。
昨日よりも人がグーンと増えて、食事をしたくても座る場所が無い…(涙)という状態でした。どこも人・人・人!

本日の1公演目は渡辺玲子さんのマルティーヌ・ヴァイオリン協奏曲第2番です。
全く知らない曲… ですが、渡辺さんの演奏が聴きたくて、その情熱があれば(予習していなくても)壁をのりこえられるだろう、と思って楽しみにしていました。

今回のフォル・ジュルネ。いいなぁと思ったのは、開演前に「演奏中のショッピングバックの開閉は御遠慮下さい」とアナウンスが入ること(笑い)
そうです! 演奏中のショッピングバック(特にコンビニのビニール袋と思われる類のもの)の開閉は罪悪です。ですから、今回はそういった騒音は昨年に比べて聴こえなくなりました。ただ、3歳以上可の公演がほとんどですので、お子様の声は所々で聞えて来ます(これは仕方無いと思います。未来の音楽家がこれで誕生していくのだと思うと…笑い)。

渡辺さんはとても動きやすそうな緑の服で登場(森の精かと思いました…)! 渡辺さんはこのようなスタイルが多いように感じます。髪は以前よりもさらに短くされていました。
以前感じたような、安心して聴ける完全な音色で協奏曲が始まりました。嬉しい〜! と思っていたのも束の間、この曲自体が私には難しかったようで、ものすごく睡魔が襲ってきました。
…ですので、この後の記憶がほとんどありません。バルトークの曲に至っては、全くというほど(爆)
弾く側にとっても難しい曲のように感じたのですが、途中から渡辺さんはしきりに御自分のヴァオイリンの弦を気にされていて(合間に指で弾いて音を確認されているようでした)、第3楽章の途中で一度音を止められてしまいました。
そして改めてチューニングのし直しです。チューニング後の渡辺さんの演奏は、残念ながら音量が落ちてしまいました(演奏自体は良かったです)。ヴァイオリンの体調を見ながらの演奏だったのでしょう。改めて、自分のコンディションだけでなく楽器のコンディションも良くないと良い舞台は生み出せないのだという、演奏するための難しさを感じました。

続いては、昨日大変気に入ってしまったルノー・カプソンさんのシベリウス!
やはり、お兄さんのヴァイオリンのくっきり・はっきりとした音色は素敵でした。
シベリウスはオケもソリストも演奏するのが難しい曲だと思っているので、基本的にはいつも期待していないのですが(笑い、先日の諏訪内さん+ノセダ氏+東響が素晴らしかったので、自分の中ではそれで満足だったりもします)、やはり今回もこの素敵なヴァイオリンの音色があっても完璧…ではなかったと思います。ただ、オケがバラバラしていた割にはソリストの音色を壊すような強い主張も無かったので、お兄さんに集中出来ました。

演奏前に友人に「香港シンフォニエッタの第2ヴァイオリンにアンガールズの山根さんのような人がいる」と聞いていたので、それも確認しました。確かに髪型、痩せ具合が山根さんでした(爆) そしてその横はチューヤン…

お兄さんは、すごく背中を反らして演奏をされていて(昨日は座っていたので分かりませんでした)、背筋力すごいのだろうな…とまずそちらに感心してしまいました。
で、指揮者さんの方にズリズリと近づいてしまわれて(最終的には指揮者さんに向って弾かれていました)、左手に座っていた私としては「あっちへ行かないで〜!!!」という気持ちでした(笑い) こちらからどんどん離れてしまいました。>いいけど。
シベリウスもソリストお休みのところが結構あると思うのですが、その時はきちんとヴァイオリンを下ろして前で持って、目を瞑って天井を見上げて、曲の中に入り込まれていました。
頭の中で曲を歌われていたのだと思いますが、先日ジャナン・ドレア・ノセダ氏が「タタ・ターーーン!」と大きな声で歌われていた部分では、お兄さんも『パパ・パーーーン!』と口を動かされていました(笑い) ヴァイオリンは鳴っていなくても、気持ちはオケと一緒に演奏されているのですね。

お兄さんの演奏には2〜3ヶ所程「あれ?」と思った部分がありましたが、それでも私の大好きな熱く情熱的に弾いていただきたい部分などは期待通りに弾いて下さいましたし、第3楽章もとても良かったと思いますので、結果的には満足な公演でした♪

続いてフォーレのレクイエム。せっかくなので、今回背伸びしてレクイエムも聴いちゃえ!的な気持ちでこのチケットを取ったのですが、私には10年早い世界だったようで(涙)、最初から最後まで完全熟睡してしまいました(爆) すごく贅沢な癒しの時間となりました…
でも、バリトンとソプラノの方の声はとても素敵だったし、その声が体に心地よく染み渡ってきたことだけは感じました。
指揮者のコロボさんはとても人気のある方のようで(私は知りませんでした)、大きな拍手と「ブラボー!」の声を沢山頂いておりました。会場は盛り上がっていました。

樫本大進さんのグリーグ2番3番。
こちらは自由席だったのですが、開演45分前に会場に行きますと、すでに長蛇の列!
席は後ろの方だったため、全く御2人の姿を見る事は出来ませんでした。
樫本さんの演奏は昨年のフォル・ジュルネで初めて聴いて、何て綺麗で繊細な音色の持主なんだろう…と感動した記憶があり、その記憶を1年間持ち続けて今回も楽しみにしていたのですが。
私の記憶が美化されすぎてしまったのでしょうか。今の樫本さんの音色は昨年の音色とは全く別物のように感じました(もしかしたら、先程聴いたお兄さんの音色の影響かもしれませんが)。
細くて、それでもきちんと芯のある綺麗な音色だったはずが、太くて、しかも余計な音まで聴こえてくるような音色になっていました。「こういう音を出したい」という樫本さんの要求をヴァイオリンは答えることが出来ず、それでも樫本さんは無理に要求し続けるためこのような音になってしまうのかな…と。ヴァイオリンとのコミュニケーションが上手くできていないように感じました。
以前は「癒し」のように気持ちよく演奏を聴けたのですが、今回は逆に緊張してしまったといいますか、あまり…でした。樫本さんの曲に対する熱意のようなものはすごく伝わってきただけに、余計に残念でした。ピアノの伴奏も私の好みでは無かったです… 遠慮がちに弾いているような気がして。
といっても私が思い込んでいるだけなので、そこは御了承下さい。演奏後には、大きな拍手が起こりましたし!

本日のラストは弟君のドヴォコンです! こちらも昨日から楽しみにしておりました。
弟君、そして指揮者の飯守さんが舞台に登場。相変わらず弟君は素敵です。スタイルも良いです。
以前ドヴォコンを聴いた時に、居眠りしてしまった前歴があるのですが(涙)、今回は違いました。ものすごく曲に引き込まれてしまって、あっという間にラストまで。もっと聴きたいくらいでした。

まず、指揮者の飯守さんの指揮が素晴らしい。分かりやすい指示の出し方をされていて、しかも隅々にまで気を配って的確にオケをまとめられているような気がしました。
そして、シンフォニア・ヴァルソヴィア。こちらは先程のフォーレで演奏されていた方たちだったと家へ帰ってから知ったのですが(笑い)、皆さん弦の上げ下げが揃っていて見た目的にも格好良いですし、1人1人が熱い演奏をされているので、本当に盛り上がります。昨年のオーヴェルニュ室内管弦楽団さん(こちらも良いオケです!)で感動したのと同様、気に入ってしまいました。
そんな良い環境の中、弟君の熱い演奏! ドヴォコンっていい曲なんだな…と今更ながらに知ることが出来ました。

この曲はソリストが入るまでにすごく時間があるのですが(格好良い曲ですよね!)、その間ずっと何もせずに舞台で待ち続ける弟君。何かソリストでそこに居るのを忘れてしまう位、美しかったです(爆)赤いバラの花束を背景に散りばめたくなってしまうといいますか。指揮台よりは低めの台に上がってピアノの長いすに座られていたのですが、まるで生贄のようです(何の?)。>きっと1日聴き続けて疲れていたので、そういう妄想に走ってしまったのでしょうね…

昨日は弟君はとてもクールな方だと感じたのですが、それは間違いだったようです。今日はとても熱い演奏をされていました(曲が曲だけに当たり前なのかもしれませんが)。そして激しくても優しい、心地よい音色でした。
時々荒い鼻息が聞こえたのも、指揮者の飯守さんではなくて弟君だったのだと思います。
チェロの演奏をじっくり見る機会は今まであまりなかったので、今回弟君が演奏される姿を見て、何だか不思議に感じました。まるでカブトムシみたい…というもありますけれども(笑い)、左手の動きがヴァイオリンと全然違いますよね。上下に指を動かしていって。こういう演奏なら、チェロも今後は聴きに行きたいと思いました。新しい発見でした。

演奏後は、もちろん会場大きな拍手!
弟君はサービス旺盛な方のようで、袖の裏でスタッフの方に何やら言って、スタッフの方も腕時計を見てから頷いて(…という光景を私の席からは見えました)、嬉しいことにアンコールで1曲弾いてくださいました。私には何の曲かは分かりませんでしたが、ポン、ポン、と最初に弦を弾いてリズムをとって、とても可愛らしい曲のように感じました。

今年のフォル・ジュルネでのカプソン兄弟がこれで終りなのは残念ですが(トリオがもっと聴きたかったです!)、この素晴らしい兄弟の存在を知ることが出来ただけでも私には大きな収穫(?)でした。本当、素敵な兄弟ですね!

4日はスーパーピアノレッスンで御馴染みのダルベルト先生が待っていますv 知らない曲ですけれども眠ることの無い様、しっかりと聴いてきたいと思います。

2007年5月4日 記

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