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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 【1日目】
「熱狂の日」音楽祭2007 民族のハーモニー
2007年5月2日(水) in 東京国際フォーラム
【 ホールB7 マラルメ 】 123
  ヴァイオリン:ルノー・カプソン  チェロ:ゴーティエ・カプソン  ピアノ:フランク・ブラレイ


■ ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ短調 作品65

アンコール
■ クライスラー:ウィーン風小行進曲
久しぶりにキャーキャー言ってしまう様な演奏に出会えた日でした。この気持ちが高揚している今、この瞬間に、感想を綴ってしまいたいと思います(爆) 何て幸せなのでしょう…v

昨年とても楽しかった東京国際フォーラムでのクラシックのお祭り、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンが本日から始まりました。
私としては、なぜ平日の本日から始まるのかしら…と多少不満なのですが(笑い)、会社を早退させていただいて(家族には内緒です!)カプソン兄弟のトリオを聴きに行ってまいりました♪

ヴァイオリニストのルノー・カプソンさんは、私がずっとオーギュスタン・デュメイさんが所持されていると思い込んでいたクライスラーの1721年製ストラディヴァリを現在お持ちの方で、それがきっかけで名前を知りました(あまり聴いていないので何とも言えませんが、シューマンのピアノ五重奏でも一緒に演奏されています)。さらに、アイザック・スターンが50年間弾いていたグァルネリも所持されています!なぜこんなすごいヴァイオリンを2種類もお持ちなのだろうか…と不思議に思っています(本日どちらを使われていたのかは、素人の私には分かりませんでした>グァルネリのような太い音が出ていたように感じましたが)。

チェロのゴーティエ・カプソンさんは弟さん。このカプソン兄弟とピアニストのアルゲリッチさんとはよく演奏をされるようで、ネット・ラジオでベートーヴェンのトリプルコンチェルトやシューベルトの曲(確か)を聴いたことがあります。
でも、ラジオを聴いた限りでは私にとっては普通…といいますか、あまりこの兄弟の魅力が分からなかったのです。ですので、本日初めての生演奏は大変楽しみにしていました。

ホールB7は私は初めてで(昨年はこのホールは行きませんでいた)、7階までエスカレーターで上がる時、ものすごくワクワクしました(笑い)小学校の頃に友達と泊りで出かけたつくば万博(古い…)、あの時のことをなぜか思い出しました。
会場に入ってびっくり。このホールは特設されたもので、他のホールに比べると椅子とか舞台の雰囲気とかが少し物足りないです。でも、これこそ『音楽祭』という感じもしました。音的にマイナス面はありませんでした。
追記:と、当時は思ったのですが、Bホールを何度も聴きに行くにつれ、このホールの音の悪さが身に染みました(爆)

開演ブザーが鳴りますと、舞台の左手奥からキィーキィーとヴァイオリンをチューニングされているような音が聴こえました。これを聴いただけでも、結構好きな音色かも・・・♪と(笑い)

そして、カプソン兄弟、ブラレイさんの3人が登場!!!

まず目に入ったのが、弟君の髪の色がとても優しい茶色で、ふわふわしているということ(そこか!) そして、ブラレイさんも負けずにふわふわされているように見えたことです。お兄さんは普通でした。弟君がかなり格好良く見えました。

本日の演奏曲、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲 第3番は知らない曲です(予習もしていません、涙)。トリオそのものを生で聴くのも今日が初めてでしたので、最初のうちはピアノだけ音が浮いているようなのが気になりました。第2、第3楽章と進むうちに3人の音色は一体化されていきました。

私の右側の席からはブラレイさんは弟君に見事隠れてしまい、どのような演奏をされていたのか分かりませんでしたが、正面から見えるお兄さん、そして横顔が見える弟君をじっくりと見てきました。
私は今までにあまりチェロの音色を聴いたことが無いのですが、弟君のチェロの音色(そのもの)は今までで聴いた中では1番かな、と思いました。クールな感じで素敵な音色を次々と生み出していく弟君が格好良くて、さらに演奏中に左手で髪の毛を掻きあげる姿がまたまた格好良くて! 時々キラッと光る右手の指輪もいいですし。ファンは沢山いらっしゃるとお見受けしました(爆)
チェロの音色って、安心感があるというか、すごく癒されるなぁ〜という気がしました。

ですが、本日の主役はお兄さん! すごかったです。ラジオでの音色とは全然違いました。
クールな弟君に比べて、お兄さんは大変熱い魂をお持ちの方に感じました。
ヴァイオリンの音が良く響くのです。すごくはっきりと、しっかりとした音色なのです。そして上手い。音が掠れるなんて心配は全くありませんでした。高音もガンガンに出ますし。
この曲は、各楽章に盛り上がる部分がいくつかあるようなのですが、その盛り上がり部分の弾き方が、椅子いらない…というか むしろ邪魔なのでは、と思うくらい激しいものでした。
いくらすごいヴァイオリンを使っていたとしても、弾き手の力がないとヴァイオリンも音色で答えてくれないと思うのです。宝の持ち腐れです。でもお兄さんは、ヴァイオリンの持つ力を最大限に活かされていました。気持ちを高めたい時は、音色もものすごく盛り上がりますし、逆に抑えたいときはとても静かになります。ヴァイオリンとの意志の疎通がきちんと出来ているんだなぁと感じました。
若いのにこれだけの演奏が出来るんだ…と、感動すると同時になぜかショックでした。世界ってすごいなぁと、改めて思いました。
最終楽章では盛り上がりすぎて当然のごとく、弓の毛が気持ちよくスパッと数本切れました。
この演奏の光景を上手く説明する事は出来ませんが、とにかくすごかったのですよ!

演奏後は、会場からとても大きな拍手が!
嬉しいことに、アンコールまで演奏して下さいました。こちらも素敵な演奏でした。ウィーン風小行進曲ってチェロが入るとさらにいいな、と思いました。
このどちらも素晴らしい御2人が兄弟だなんて… 贅沢な兄弟ですね(笑い)
明日はそれぞれのコンチェルトを聴きに行く予定ですので、ソロでの活躍も楽しみです。
熱狂の日以降も、また機会があったらぜひ聴きに行きたい兄弟でした。今度、アルバムも聴いてみたいと思います。

2007年5月2日 記

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