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五嶋龍&ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ
WFPチャリティーコンサート
【 2005年8月3日(水) in 東京芸術劇場大ホール 】
  指揮:ケン・シェ      オルガン:高橋博子


第1部
■ サン=サーンス : 「サムソンとデリラ」 よりバッカナール
■ ストラヴィンスキー : ヴァイオリン協奏曲  with 五嶋龍

第2部
■ ヴィターリ : シャコンヌ ト長調 (シャルリエ / 高橋博子編)
   ヴァイオリン:五嶋龍      オルガン:高橋博子
■ ワーグナー : 楽劇 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 より前奏曲
■ レハール : ワルツ 「金と銀」
■ ヨハン・シュトラウスU & ヨゼフ・シュトラウス : ピチカート・ポルカ
■ ヨハン・シュトラウスU : ポルカ 「雷鳴と稲妻」
■ シベリウス : 交響詩 「フィンランディア」

アンコール
■ シュトラウスU : トリッチ・トラッチポルカ
■ クライスラー : 愛の喜び  with 五嶋龍
発売開始から2時間でチケットが完売してしまったという、大人気の五嶋龍くん(正確には『&ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ』)のコンサートに行ってきました。
私は川畠成道さんのトロイメライに収録されているヴィターリのシャコンヌが大好きで、ずっと前から生で聴きたいと思っていました。川畠さんの今年のコンサートではなかなか聴く機会が無く、丁度龍くんのちらしを見て「これだ!」と思ったのです。五嶋龍くんのコンサートは、もちろん今回が初めてです。

開場前から入口には多くの人が集まっていました。辺りを見回しますと、家族連れが多いのです。制服を着た小学校低学年と思われる子供を連れた親子、中学位と思われる女子学生さん、などなど。
私の前でも、家族4人分のチケットを持った男性が!

な…何で、チケット入手困難と言われていたのに、あなた方はこんなにも沢山チケットを持っているの?

―― そう思いました。
ジュニア・フィルのご家族だったり、フジテレビ関係の優待券だったり、色々するのかしら…下世話な考えかもしれませんが、頭をよぎりました(笑い)>その方の持っていた券のデザインが違ったのです。
少し女性が多かったように見えました。でも、老若男女が全体的に集まっていたようです。
チケット即完売とは言うものの、ひょっとして1階席などに空席があるのでは? と考えていましたが、1階から3階の後ろまでびっしり満員! この集客力は素晴らしかったです。
そして本日は五嶋龍くんのファーストアルバムとフォト&エッセイ集の発売日!
売場には早速人だかりが… 皆さん、席に着く前にまずはCD、という感じで(笑い、私もその1人)

龍くんは、2曲目のストラヴィンスキー 「ヴァイオリン協奏曲」 で演奏します。1曲目が終わってからの舞台上での楽器や席の移動がとても長く感じました…

そして、黒いスーツに白いネクタイ、爽やかな笑顔で龍くんが登場!
ホール全体は拍手の嵐でした!>やっぱり、龍くんがお目当てですからねー♪

ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲を聴くのは初めてでしたが、第1,2,3楽章の始まる最初の1音を弾く龍くんの表情がとても良かったと記憶しています。
どれも最初に 「ウィ―――ン(一応ヴァイオリンの音色を表現しています、汗)」 と弾いてから始まるのですが、確か一歩足を前に踏み出して 「ウィ―――ン」 と弾いていたのですよね。両足を軽く曲げて、ちょっと前かがみ気味に。
(あ、龍くんの前に譜台はありませんでした。←コンチェルトの時は普通暗譜されるのかしら?)

ジャケットの前ボタンを全部外して演奏されているせいか、背筋が伸びていないせいか、髪型のせいなのか、ヴァイオリニストというよりも今どきの青年を思わせる雰囲気でした(いえ、今どきの青年であることには間違いは無いのですが、笑い)。
笑顔が、純粋な笑顔とまた一味違った笑顔なのですよね…この笑顔の裏には照れが隠されているというか。若さゆえの照れというか!>ファンの方、申し訳ありません。
第1楽章の時など前足を軽く踏みながら演奏する姿は、本当に若さが溢れていて、楽しく聴くことが出来ました。龍くんは弾きながら前後左右にステップ(?)を踏みましたので、1階席の前辺りに座られていた方は嬉しかったのではないでしょうか。

―― パンフレットにこのような言葉を載せています。

『 今回、僕が取り上げるのはストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲です。これは本当にかっこいい曲です。クラシックの枠から完全にはみ出して、とにかくかっこいい。もうジャズです、リズムがね。《 略 》 僕は最近、勝手に僕の五大協奏曲というのを決めたんです。このストラヴィンスキーがトップで… 』

正に この通りでした。龍くん、リズムに乗っているなぁ…という感じがしました。その姿を見ていると、自分たちもリズムに乗ってきて、そして応援したくなってくるのですよね。今までずっと応援されているファンの方の気持ちが少し分かったような気がしました。

3階席でしたのでオペラグラスをずっと覗いていたのですが、演奏後の龍くんは汗でびっしょり!
あごに当てていたハンカチは、汗でヴァイオリンに貼り付いていました。そして、そのハンカチで一生懸命に額の汗を拭いている姿が会場の拍手を一層大きなものにしました。(拍手喝采でした!)

休憩時間が終わると、パイプオルガンがある2階席に照明が当たりました。
そして、オルガン奏者の高橋博子さん、続いて龍くんの登場です。>会場、大きな拍手。

2階席は まるでバルコニーのような(笑い) ステージ上での演奏とはまた違って、とても素敵な雰囲気でした。1階席の方は見上げる感じになるのです。3階席の私は、先程より近くなって嬉しかったり。
…この情景だけでも大満足♪ 楽しみにしていた、ヴィターリのシャコンヌです。

オーケストラとの演奏とは違い、オルガンとの演奏でしたので先程よりは龍くんのヴァイオリンの音色が聴こえて来ました。 で・す・が…!!!
オルガンの音が広がりすぎてしまい、次々と弾き方が変っていくヴァイオリンの音色と噛み合っていないと私は思いました(涙)>この曲はオルガンでなくても良いのでは…と生意気にも思ってしまいました。

噛み合ってはいませんでしたが、ヴァイオリンの音色は私の期待を裏切りませんでした。

“ だから私はこのシャコンヌが好きなんだ ”

―― そう、再確認させていただいたと思っています(笑い)

シャコンヌが終ると、プログラム上では龍くんの演奏は終り。
1階、2階席で何人もの方がお帰りになられる姿をこの目で見ました。皆さん、帰るには色々な理由があると思うのですが、龍くんの演奏(だけ)を楽しみにして来ていたのだなぁと改めて感じました。

でも残念! 本当の最後。アンコールの2曲目に、(ジュニア・フィルと一緒の)赤いネクタイに代えた龍くんが再び登場して「愛の喜び」を演奏してくださったのですよね。
個人的には、愛の喜びが今回の演奏の中で一番良かったような。私の知っている曲だったというのもあるのですが(笑い) >もちろん、ストラヴィンスキーも聴き応えありましたよ!
最後の拍手は、客席に照明が点くまで鳴り止みませんでした。

正直に書いてしまいますと、今回私は 「これが五嶋龍の音だ!」 というのを発見出来ませんでした(そういうタイミングが無かったというか…)。
でも、五嶋龍というヴァイオリニストの魅力は一杯吸収して来たつもりです(笑い)
また機会があったらぜひ聴きに行きたいですし、そうしているうちに龍くんの音というものについても少しずつ分かってくるのではないかと思います。>素人が1回聴いただけで全てを知ろうと思うのが、間違っているのですよね。
しばらくは、NEWアルバムを聞きながら次の機会を楽しみに待っていようと思います。

2005年8月5日 記

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