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アナスタシア・チェボタリョーワ ミニコンサート
【 2005年7月15日(金) in 銀座・山野楽器    イベントスペース 】
【 2005年7月17日(日) in 渋谷・タワーレコード イベントスペース 】
  ピアノ:アンドレイ・ジェルトノーク


■ チャイコフスキー : 「くるみ割り人形」より『花のワルツ』
■ チャイコフスキー : 「眠れる森の美女」より『ワルツ』
■ チャイコフスキー : 「くるみ割り人形」より『トレパック』
■ リムスキー=コルサコフ : くまんばちの飛行
6月22日…アナスタシアさん6枚目のアルバム、『ヴァルス・ドゥ・フルール〜花のワルツ』の発売日に偶然CDショップへ私は行きました。クラシックスペースには、ヴァイオリンと一緒に微笑む素敵な女性のピンク色のジャケットが並んでいました。

うわーっ、誰なんだろう。すごく綺麗な人だなぁ…!

これがアナスタシアさんを知ったきっかけです。今回、アルバムの発売記念ミニコンサートが東京の各地で開かれるということでしたので、私も早速行くことにしました♪

アナスタシア・チェボタリョーワさん。
1994年チャイコフスキー国際コンクール・ヴァイオリン部門で最高位を取得。現在、くらしき作陽大学音楽学部の特任教授として教壇に立たれていて、今年ロシアで "ロシア連邦功労芸術家" の称号を授与したばかり。ロシア国家コレクション1729年製ストラディヴァリ "Zubowsky" を使用されていることで有名なようです…

15日には65人位、17日には40人位が集まっていたと思います。どちらも男性が多かったです。若い女性は1人もいない…(汗)女性でいるのは、生粋のクラシックファンと思われる年配の世代と、私のようなアナスタシアさんの美貌を羨ましがる夢見る微妙な世代(笑い)>あんなに美しかったらなー(ため息)…みたいな!

どちらのミニコンサートも同じ曲を同じ順番で演奏され、曲の合間のトークも同じ質問をされていました。質問をする方、通訳さんとも2日間同じ方でしたので、そういう進行になっているのでしょうね。

―― どのようなトークだったかといいますと。

Q : 今回のNEWアルバムでは、チャイコフスキーの代表的なバレエ音楽、通常ではオーケストラと一緒に弾かれるような曲がヴァイオリンとピアノだけで演奏するようにアレンジされていますが、どのように感じていますか?

A : チャイコフスキーの曲は大好きです。チャイコフスキー国際コンクールで賞もいただきましたし、私はチャイコフスキーと共に歩んできたといっても過言ではありません。

Q : 難しいプロコフィエフのソナタも収録されておりますが、これについては…

A : この曲は、16歳の時に(と記憶しているのですが、違うかもしれません)コンクールで初めて弾いた曲です。特に第1、第3楽章が私は好きです。

Q : 今年の春にロシアで "ロシア連邦功労芸術家" という名誉ある称号を授与されましたが。

A : 最年少での受賞でした。音楽部門では私1人で、受賞したもう1人は舞台関係の人でした。

愛用しているストラディヴァリ"ズボウスキー"については、『私には無くてはならないパートナー』というような表現をされていました。私の赤ちゃん…とも言っていたような。
日本でのデビューから今年で10年だということや、他にも色々お話されていました。
8月には新しいアルバムの収録に入られるそうで、今度はオーケストラと一緒だということ、有名な小品が中心でクライスラーやサラサーテなど、それ以上の事はシークレットです、とも(笑い)

素敵な金のドレスで演奏されたアナスタシアさん。
私は川畠成道さん以外のヴァイオリニストの演奏を聴くのは今回が初めてでした。ですので、他の方の演奏ってどんな感じなのだろう…ととても楽しみにしていたのです。

まずは当然なのかもしれませんが、「楽譜」です。
アナスタシアさんの前には楽譜があるのですよね。楽譜、あるんだ…と最初に思いました。
そして、演奏しながら自分でめくっているのが不思議でした。ピアノには譜めくりさんがいるのに、主役のアナスタシアさんは自分でめくるのね、と。(本来のコンサートではどうなのでしょう? 今後他の方のコンサートへ行く時が楽しみです♪)

それから、山野楽器さんのイベントはきちんと席が用意されていてこじんまりとしたホールっぽい雰囲気の所で演奏を聴いたのですが、タワーレコードでは売場の一部での演奏。…後者のタワーレコードが、普通のコンサートでは体験出来ないことでとても嬉しかったのです!

座席は24席しか用意されていない、スペース的にも用意出来ない場所でしたので、私が売場に行った時には席は埋まっていました。そして、前列の席の横にロープが張られていて。
「席が無いので、立って聴いてくださいね。このロープまで前に出ていいですから。…ほら、ここなんて丁度ヴァイオリンがよく見える場所ですよ。」
と、係りの人が場所を確保してくださいました(笑い)大股3歩でアナスタシアさんが届いてしまう身近な所。楽譜置きの向きの正面でしたので、本当に良く見えました。しかも立って聴きますので、アナスタシアさんと目が合ってしまいそうで(目線の高さは同じですし)、ずっとヴァイオリンと指先を見て聴きました。普通のコンサートではありえない距離ですし、これがインストアイベントの醍醐味なのかな♪と思いました。

アナスタシアさん、ピチカートされている時の姿が華麗なのです!
中指、もしくは人差し指で、ポン・ポン・ポン、と上品に弦を弾かれていて。
…笑顔と一緒に!(笑い)>ここ、ポイント高いです。
何というか、幻想的な世界…現実ではない世界へ連れて行ってもらっているような演奏でした。聴き終わった後の充実感がありました。アナスタシアさんの弾いている時の表情も豊かですので、楽しい演奏でした。うん、とても楽しかったです。

それから、気になるストラディヴァリの「音」です。
素人ながら、名器と呼ばれるストラディヴァリは一体どのような音を奏でるのか気になっていました。CDでは、とても素敵な音色を奏でていましたが、生ではどうなのだろうと。

山野楽器では、高音が見事に(?)潰れていました。すごく高い音が出るような感じなのですが、出ていませんでした。コンサートホールではないから、こういうものなのかな? と思ったのですが…
素敵な「花のワルツ」の世界もCDのようには展開されませんでした。
その分、低音気味の「くまんばちの飛行」は素晴らしかったです!
ヴァイオリンによって(そして、演奏される人によって)音って違うのだなぁと、実感しました。

タワーレコード。こちらの方が店内の一角での演奏ですし、音の反射的にも不利のような気がしたのですが…

すごく、良かったです!!!

「花のワルツ」はCD以上の素晴らしい世界を感じることが出来ましたし、「これがストラディヴァリよ!」という雰囲気が非常に伝わってきました。(『古典的な味を含めている音色』みたいな気が私はしたのですが。)高音も店内を響き渡りました。1曲目が終わった時、少し興奮してしまいました(笑い)素敵な音色につられて、段々と人が集まってきました… 当然です。
それにしても、CDが陳列されている棚の横に立って生演奏を聴くなんて、不思議な光景です。

どちらのミニコンサートも、あっという間に終わってしまったのでした。

最後にピアニストのアンドレイ・ジェルトノークさんについて。
とても大きな方で(体格もがっちりとされている)、アナスタシアさんと並ぶと「美女と野獣」といった感じがします(笑い)>眠りの森の美女でなくて、美女と野獣だよ、と演奏中に思いました。
用意されていたピアノよりも体の方が大きいようで、演奏後に足をピアノの下で伸ばしたりして、長い足を持て余しているような感じでした。

面白いのは、サイン会で並んでいた時、私の後ろにいた二人組みの女性の会話です。
アンドレイさんのことを「KEN(ケン)」と呼んでいたのです。
何で、KENなの…???

改めてアンドレイさんを見ますと、見た目が松平健さんにそっくりなのです(笑い)
顔は強いて言えば、渡辺謙さん似。
そう気がつくと、可笑しくて、可笑しくて…私も、心の中でアンドレイさんのことをKENと呼ぶことにしました。

ホームページなどを読みますと、アンドレイさんはアナスタシアさんのパートナーのようですので、アナスタシアさんのコンサートの足を運んだ時にはまたお会いできるかなぁと思いました。
とても、優しそうな方ですよ!

12月にはアナスタシアさん、日本でのデビュー10周年のコンサートを開かれるそうですので、ぜひきちんとしたコンサートホール(オペラシティです)で聴いてみたいと思いました。

世の中には、一体、どれだけ素晴らしいヴァイオリニストの方がいらっしゃるのでしょう! そして、私はどれだけの方の生演奏を今後聴く機会に恵まれるのでしょう?! ヴァイオリンは深いですね。ヴァイオリンに限らず、ピアノだって、チェロだって、きっと…

2005年7月17日 記

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