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新日本フィルハーモニー交響楽団 2006年 『 第九 』 特別演奏会 鹿島クリスマスコンサート |
【 2006年12月23日(土) in オーチャードホール 】 指揮:広上淳一 ソプラノ:大隈智佳子 アルト:黒木香保里 テノール:佐野成宏 バス:堀内康雄 合唱:栗友会合唱団 合唱指導:栗山文昭 コンサートマスター:西江辰郎 ■ シチェドリン:ベートーヴェンの第9交響曲のための前奏曲(1999) (日本初演) * * * * * ■ ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 「合唱付き」 作品125 |
ああ友よ、そんな調べではだめなのだ! 声を合わせてもっと楽しくうたおうではないか、 もっとよろこびにあふれる調べで! −ベートーヴェン作詞− (本日のパンフレットより / 喜多尾 道冬 訳) 昨年 日本フィルさんの第九を聴きに行った私は、仕事の関係で第4楽章しか聴くことが出来ませんでした(涙、しかも立ち見) 今年は同じような間違えはしないぞ! と 年末には少し早いですが、週末の確実に行ける本日の新日本フィルさんのコンサートに行ってきました。 渋谷なら家から近いし♪ と気を緩ませていたら、開演10分前に渋谷駅に到着(汗) クリスマス前の渋谷駅はいつも以上に混雑していまして、「Bunkamuraが目の前に見えるのに、どうしてこんなに遠いの〜!」 と叫びたくなる位、人混みで前に進むことが出来ませんでした(爆) でも、何とか間に合うことが出来ました。 初めてのオーチャードホールです。 私は12列目の席でしたが、それでも舞台より低い席なのでびっくりしました。もっと後ろがいいのかもしれません。でも音が頭上に飛んだ感覚はなかったので、問題はありませんでした。 最初の曲、「ベートーヴェンの第9交響曲のための前奏曲」(初めて聴く曲です!)が始まるや否や、お隣のおじ様が居眠りし始めました。 … 早っ!!! でも、気持ち分かります。そんな曲です。しかも、きっとこの方は一週間一生懸命に働いてお疲れなんだろうなぁ…と同情していたら、私も眠ってしまいました(爆)>私も疲れています(涙) 最後の辺りで、ギロと何かの楽器で ♪ジャカ、ジャカ、ジャカ、ジャカ、ポカ、ポカ、ポカ、ポカ… という、印象的なメロディーが入るのですが、その部分で私たち二人は ビクッ! と起きました(ははは) このおじ様とは、まるで初対面な気がしませんでした。すごく親近感が湧いてしまいました。 これではいけないと休憩中にコーヒーを飲み、後半メインの第九に挑みました。 私は先日ベートーヴェンの第8番を聴いてから、ベートーヴェンの曲が好きになりつつあります(今までも好きでしたが、それ以上に興味があります)。なので、本日の第九は余計に楽しみにしていました。いくら疲れていても、寝るわけにはいきません! 話は少し変るのですが、ヴァイオリニストのオーギュスタン・デュメイさんは 「演奏家は聴衆のために演奏するのではなく、神のために演奏するのです。聴衆は、その儀式の承認者なのです。」 というようなことをお話されています。 本日の第九を指揮される広上さんの姿を見ていて、この言葉が頭に浮かんできました。 広上さんの指揮は癖があって、私好みではないのですが(笑い) でも神とは言わないまでも、作曲家のベートーヴェンに対して敬意を込めて指揮されているような気がして、その部分で私はじーんときてしまいました。私たちはそれを見守るために、今ここにいるのだなと思いました。 どうして広上さんがここまで腕に力を入れて振り切られているのか(パントマイムをしているかのようでした)、楽譜をめくる時にもあんなに力を入れてめくらなくてはいけないのか。>そんな指揮でした。そして唸ります。 疑問も沢山あったのですが、何となく、分かる…ような気もしました。 私もベートーヴェンのことを考えて、この曲を理解した上で指揮をするとしたら、あのような指揮になってしまうかも、と思いました。とてもいいメロディーなので、思わず力が入ってしまいそうでもありますし。壮大で、そして喜びに満ち溢れた曲ですね! 第2楽章が終わると、広上さんが指揮台から降りました。 どうしたのかしら?と思っていたらソプラノ・アルト・テノール・バスの4人の方が登場されて、広上さんの目の前に座られました。女性のお二人は、緑のドレスと、サンタクロースをイメージされた赤いドレスでした。正にクリスマス! とても素敵でした。 4人の方の椅子の下にはペットボトルの水がそれぞれ置かれていたのも興味深かったです。 その後、第4楽章の出番までずっと座って待たなくてはいけないのですから大変ですよね!(オケの後ろに最初から座られていた合唱団の方々はもっと大変!)出番の直前には、女性の方御二人は口をモゴモゴ動かされて軽い口のストレッチ(?)をされていました。 バスの堀内さんの歌声から、合唱は始まりました。 (これを聴くと、カラマーゾフの兄弟のミーチャを思い出す私です、笑い) 前にいらっしゃる4人の方々の歌声は本当に素晴らしいのですが、それと同じ位、合唱団の方々の歌声も素晴らしかったです。上手いとか下手とかそういうのではなく(そこら辺のことは分かりません)、沢山の声が1つにまとまると、すごい力を生み出すのだな…と改めて感じました。 人の声って、心に通じるのではなくて、同じ人間として心臓に直接通じてきますよね(笑い)なぜか涙が出てきそうでした。無性に感動してしまいました。 新日フィルさんの演奏も良かったのですが、でも人間の声にはかなわないなぁ…と思いました。来年は機会があれば、そちらの方面のコンサートにも行ってみたくなりました。 これが私にとって2006年最後のコンサートでした。 最後のコンサートをこのような気持ちで聴くことが出来て、とても幸せです。 来年末も、またどこかの第九を聴いて年を終えることが出来たら、と思います。 2006年12月23日 記 |
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