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World Orchestra Series 20006 バンベルグ交響楽団
【 2006年5月29日(月) in サントリーホール 】
 指揮:ジョナサン・ノット  ヴァイオリン:庄司紗矢香


■ プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 op.63 with 庄司紗矢香
《 アンコール 》
□ レーガー:プレリュードとフーガ第1楽章(庄司紗矢香)

■ マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
《 アンコール 》
□ ドヴォルザーク:スラブ舞曲第5番
これで遅刻したら、もう会社なんて辞めてやるーーーーーっ!!!
と思いながら、半泣きで会社を出たのが18:40。本日の開演は19:00です。
とても楽しみにしていた庄司さんのプロコフィエフでしたので、仕事も放り投げて会社を出てきた私です(爆)明日が怖いです…

乗換え駅の永田町で南北線に乗ったのが18:55。
それから先は怖くて時計を見ることが出来ませんでした。六本木一丁目駅の改札を出ますと、会社帰りの私を含む約4名が猛烈ダッシュでサントリーホールへ向いました(笑い、仲間がいて心強かったです)
そして何とかたどり着いた入口で「今オケの方々が入場していますが、まだ間に合います。大丈夫ですから!」の心強いお言葉をいただきました。良かった… でも、疲れました(汗)

座席に着くなり、指揮者のジョナサン・ノットさんと庄司紗矢香さんが登場!
前回、庄司さんのリサイタルでは私はP席でしたのでよく分からなかったのですが、なんて小さな細い方なのでしょう! バンベルグ交響楽団の方々が大きいだけに、余計にそう思いました。
庄司さんとノットさんとが笑顔でアイコンタクトをして、プロコフィエフ第2番は始まりました。

プロコフィエフ第2番。私はこの日のために、先週のモーツァルトの予習もせずに(?)ギル・シャハムのCDで予習をしました。ギル・シャハムの演奏は、魔界とか、不思議な世界を思い起こさせるような演奏でした。『妖しの森』とかそういった空間に住む人間ではない生物のお話みたいな(個人的には、一昔前にとても流行った『魔天道ソナタ』という漫画のイメージです、笑い)。

不思議なことに、庄司さんの演奏は魔界のような世界は少しも感じませんでした。特別「これ」というイメージが浮かんでこなかったです。ただただ、とりつかれたようなものすごい集中力で弾き続けられる庄司さんの姿に見入ってしまいました。
庄司さんのコンチェルトは、以前ショスタコーヴィチとブラームスをテレビで拝見しましたが、本当にすごい! ヴァイオリンが庄司さんを操っているかのような演奏でした。なので、庄司さんのコンチェルトは1度は生で聴きたいなぁとずっと思っていたのです。
弦をポンと弾く、その1回ごとに込めていく気迫。何をイメージして…とかではなく、庄司さんの魂そのものを音に現わしたような演奏でした(欲を言えば、第2楽章だけは情感を強く表現されてもいいのではないかなと思ったのですが>自分の好みですが)。

気迫がバンベルグ交響楽団さんに全然負けていないのです。
対等に、いえ、それ以上にリードして演奏されていました。
各楽章が終わると、演奏中の形相が嘘のように素敵な笑顔でノットさんと確認されていたのも良かったです。

あっという間に終わってしまい、会場からは「ブラボー!」が飛びました。
舞台をちょこちょこっとした感じで出入りされる庄司さん(この動きが無駄がなく、結構速い)。すごく可愛かったです! 緑っぽいスカートの後ろにはひまわりのような花が付いていたのも素敵でした。

アンコールは私の知らない曲を。聴いていてジプシーとかそういう世界が広がりました。>すごい適当な感想で申し訳ないのですが。レーガーって名前自体、初めて聞きました。

後半は、マーラー5番です。
マーラー。私には「クラシックおたくが好む音楽」というイメージを今まで勝手に作っておりました(爆)
実際、本日聴いてみても…意味が分かりません! そして長い!>5回ほど寝ましたけれど、それでもまだ終わっていませんでした。

マーラーの曲がそうなのか、5番がそうなのかは分かりませんが、これは指揮者を主役にさせる曲ですね! 楽譜を使わずに熱い指揮をされたノットさんに視線が集中してしまいました。楽章間で背もたれによりかかり、少し休まれるノットさん。それだけの体力を使っての指揮なのでしょう。
>これだけ指揮者を魅せる曲を作るマーラーなら、12月3日のサントリーホールは頑張って取らなければ!と(笑い)

第1楽章の始まり。
まるで地球にある全てのエネルギーが地の中から飛び出してきたような、ものすごい大音量と勢いで始まりました。そして、宇宙の始まり…でしたっけ、ビック・バンを想像させるような迫力ある演奏が続きました。指揮者もそうですが、演奏される方々も相当の体力が必要とされる曲に思えました。
もう「楽器の音全てお聴かせします!」とでも言うような、どの楽器もビリビリする位に音を出しているのです。最初はびっくりしましたが、最終楽章に入る頃にはこの世界にどっぶりと浸っている自分がいて(笑い)分からないなりに、楽しむことが出来ました♪ (おかげで、前半の庄司さんの素晴らしいプロコフィエフよりも、こちらのマーラーの衝撃の方が強く記憶の中に残っています。)
演奏後は、2階席の右側に座られていた外国の方が「ブラーヴォ!」と何度も何度も言っていました。相当感動されたようでした。

アンコール終了後、観客もオケの方々もほとんど皆退場している中、ノットさんが再び挨拶をしに舞台へ戻って来てくれたのでした。
私が丁度通路に出た時で、特別ファンでもないのですが周りに流されるまま舞台まで行き、間近でノットさんに拍手をしてきました(笑い) とても観客を大事にされる方なのだな、と思いました。

無理をしてでも今日はサントリーホールへ聴きにきて良かった…そんな素晴らしいコンサートでした。

2006年5月29日 記

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