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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 【4日目】
「熱狂の日」音楽祭2006 モーツァルトと仲間たち
2006年5月6日(土) in 東京国際フォーラム
【 ホールA 】 411
  フルート:工藤重典 ハープ:吉野直子 指揮:沼尻竜典 / トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ


■ 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 K.527 序曲
■ フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K.315
■ フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299



【 ホールC 】 442
  ピアノ:仲道郁代  指揮:大友直人  /  長栄交響楽団


■ ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
■ 交響曲第29番 イ長調 K.201
今日で今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは最終日!>残念(涙)
午後には川畠成道さんのグランド・ファミリーコンサートがあるので、最終日は午前中の2公演となりました。(いえ、チケット取得時は、川畠さんのコンサートと重なっていることに気がついていませんでした…)

まずは沼尻さんが指揮をされているということで、「0歳からのコンサート」です。
さすが「0歳から〜」ということで、ホールAに向う途中で多くの乳母車に出会いました(笑い)今までとは雰囲気が違います(ちっちゃい子が沢山なのです!) お手洗いなどでも、お母さん同士の小規模の井戸端会議らしきものが始まっています。まるで幼稚園の催しのような感じ!

指揮者の沼尻さんの司会を中心に、このコンサートは進みました。
なので、司会者目当ての人は結構おすすめ…! 私もちょっと嬉しかったです。
3公演目にしてやっと、沼尻さんのお姿を確認できたような気がしました(笑い)

《 『ドン・ジョヴァンニ』 というお話は、例えば幼稚園で○○ちゃんに会った時に「僕が好きなのは○○ちゃんだけだよ!」 と言っておきながら、その後△△ちゃんに会ったら「僕が好きなのは△△ちゃんのことだけなんだよ!」と言って、これを何千人もの人にくりかえし言い続けた悪いおじさんのお話です。そしてそのおじさんは最後に地獄へ堕ちちゃうんです。 》

というような説明でした(笑い)>多少違うかもしれませんが

《 そして序曲と言うのはその場面場面が散りばめられていて、これを聴くと本当のオペラが聴きたくなってしまうんです。最初は地獄に落ちたときの場面から始まります。その後、ドン・ジョヴァンニの色々なキャラクターが表現されています。 》

ふむふむ。と、私が勉強してしまいました。大変良く分かる説明でした。
笑ってしまったのが、この演奏が終わった後の沼尻さんの一言。

「皆もお家に帰ったら、『パパは天国へ行けそう?』 と聞いてみて下さい。」

…どういう意味なのでしょう(笑い) 面白い方ですね、沼尻さん。
その後、フルートの工藤さん(金のフルートがとても輝いていて素敵でした!)、続いてハープの吉野さんが紹介されて演奏となったのでした。

沼尻さんのトークはとても楽しいのですが、このコンサートの特徴は演奏のBGMに赤ちゃんの泣き声が入ると言うことです(爆) 嬉しくなると、お話も始めちゃうぞ、みたいな。
なので、まともに演奏を聴こうと思われる方はお薦め出来ません。
…半端な泣き声ではないですよ(ははは)
フルートの工藤さん、ハープの吉野さんと言えば、フルートもハープも知らない私でもお名前だけは知っているので、恐らく色々な所でコンサートをされているすごい方たちだと思うのです。そのすごい方たちの生演奏を聴くことが出来るというのは、こどもたちにはとても良い経験となったと思います。

私としては通常のコンサートで、パンフを落としたりガサガサされる雑音より、いい大人の演奏中のひそひそ話より、当然の権利であるかのごとく無遠慮にされる咳より、赤ちゃんの泣きわめく声の方がよっぽど良いと思いました。(モーツァルトとか聴くと赤ちゃんは無条件で眠りにつくのかな…とか思っていたのですが、そういうものではないのですね、笑い)

何というか…赤ちゃんは泣くのは当たり前ですし、自分も昔はその道を通ってきたわけですし、『生命』というものと『音楽』というものの融合のように感じたのです。すごく音楽の原点に戻った感じがしました(普段、赤ちゃんと接する機会が無いからなのかもしれないのですが)。
本当、このBGMがものすごくて(途中退場する赤ちゃん多数!)、フルートはほとんど、ハープなんて全然聴こえませんでしたが(爆) 自分の中ではとても楽しいコンサートとなりました。

続いて、次のホールは仲道郁代さんのピアノ協奏曲です。
長栄交響楽団さんは、全員緑色の服を着ていたのが印象的でした。

舞台に指揮者の方と一緒に登場した仲道さん!
歩く姿も相変わらず美しく、美のオーラを全開されていました。360度どこから見ても美しい方です。
仲道さんは、自分の演奏以外の部分は常に指揮者の方、そしてオケ全体を見回していて(なので観客には背中が見える状態)、足でリズムを取り、時々小さく指揮をしながら、この演奏と一体化されているようでした。なので、ピアノの入り方のタイミングがとても自然なのです。
ピアノの音色を聴いた瞬間、私は昨年の川畠成道さんとのソナタシリーズ、プーランクのソナタを演奏されていた仲道さんの姿を思い出しました(あれは素晴らしかった!)。あの時と変らず、仲道さんがイメージされている世界が、音としてきちんと反映されているように思いました(ピアノの事はよく分かりませんが、なんとなくです)。
ピアノ協奏曲は私には馴染みが無いのですが、最後まで楽しんで聴くことが出来ました。昨日の3台のピアノのための協奏曲はピアノの音がぼやけていましたが、今回ははっきりと仲道さんのピアノの1音1音を聴くことが出来たと思います。ホールの違いなのでしょうね…

仲道さんだけでなく、指揮もとても良くて印象に残りました。聴いている時はどなたなのか分からなかったのですが、あとで確認をしましたら、大友直人さんでした! この方が…!!! (名前だけはよく聞いていました。) 今後大友さん指揮のコンサートに行こうと思っているものがあるので、とても楽しみになってきました。

大友さんの指揮は、オケにどういう演奏をして欲しいのか、という部分が観客の私たちにも分かりやすいと思います。とても良かったです。
そして、中でも気に入ったのが交響曲第29番の第3楽章。
同じようなフレーズがずっと続くのですが、毎回毎回違う表現の注文をオケにしているように感じたのです。なので、聴いていてこちらも気分が盛り上がってきますし、鼻歌歌えるくらい頭に残りましたし(笑い)、楽しくなりました。
今年のお祭りの最後がこの指揮、この曲で良かったです!

とても充実した連休を過ごすことが出来ました。来年もぜひ開催していただきたいですし、私もまた連日のように通うことが出来るといいなと思います♪

2006年5月6日 記

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