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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 【1日目】
「熱狂の日」音楽祭2006 モーツァルトと仲間たち
2006年5月3日(水) in 東京国際フォーラム
【 ホールA 】 111
  ヴァイオリン:山田晃子  指揮:沼尻竜典  /  トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ


■ 交響曲第39番 変ホ長調 K.543
■ ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」 K.219



【 ホールA 】 112
  クラリネット:ロマン・グィヨ オーボエ:オリヴィエ・ドワーズ ファゴット:ロラン・ルフェーヴル
  ホルン:エルヴェ・ジュラン 指揮:沼尻竜典 / トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ


■ クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
■ 協奏交響曲 変ホ長調 K.297-b



【 ホールC 】 143
  ヴァイオリン&指揮:ゴルダン・ニコリッチ  オーヴェルニュ室内管弦楽団


■ ディヴェルティメント ニ長調「ザルツブルグ交響曲第1番」 K.136
■ ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218



【 ホールC 】 144
  ヴァイオリン:樫本大進  指揮:葉詠詩 / 香港シンフォニエッタ


■ 歌劇「フィガロの結婚」 K.492 序曲
■ ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261
■ ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調 K.211
昨年から日本でも始まった熱狂の日。ベートーヴェンに引き続き今年はモーツァルト…あまりにも多くの方が演奏されるので何が何だか分からないままチケットを取って行ってきました(笑い)
私にとっては始めてのこのお祭り。東京国際フォーラムに行ってみると、沢山の人が!!!
入口には屋台が並んでいて、オムハヤシとかナンカレーとか美味しそうな食べ物も沢山。お土産用のショップもありますし、無料のコンサートも開かれていますし、チケットが無くても1日楽しむことが出来る空間がそこにはありました。…これは、はまりますね〜!

さて、本日最初のコンサートは指揮者の沼尻さん、そして大好きなVN協奏曲「トルコ風」を聴くのを楽しみにしておりました。

…が、またまた私はやってしまいました(汗)

丁度家を出るときに荷物が届いて、それを色々見てしまったので5分ほど遅刻してしまったのです。
しかも会場であるホールAは有楽町駅から1番離れたところにあって。
昨年末の第九に引き続き、また沼尻さんのコンサートを立ち見することに…(暗)

トルコ風から後ろの空いている席に座らせていただきました(自分の席に座ってはだめって言われたのです>このことで私を含めた何人かの遅刻組は係りの方ともめました、苦笑い)。

座ってしまうと今度は日頃の疲れがどっと出てしまい、モーツァルトの曲って気持ちよく眠れる曲ですので(笑い)この後の協奏交響曲まで、まるで体内の毒物が出て行くかのごとく眠ってしまいました。
なので、楽しみにしていた沼尻さんの指揮の姿が全く記憶に無いのですよね…あの後姿は本当に沼尻さんだったのだろうか、と思える位に。>今度、with 日フィルさんでリベンジしなくてはと決意しました。

そんな中 お気に入りのトルコ風ですが、ヴァイオリンの山田さん。若くて素敵な方でした。山田さんのドレスがステージに華を添えた感じ!
ただ音色は、私の視点では「良くも無く 悪くも無く」といった感じでした。個性が無かった気がします。つい、デュメイのトルコ風と比べて聴いてしまいました。デュメイだったらここはきっとこういう表情で、こういう構えで弾くんだろうなぁ…って(実際に聴いたことはありませんけれども、爆)
演奏後は、ファンと思われる方が山田さんにステージに花束を渡されていました。ブラボーの声も出ていました。

―― ということで、次の回のクラリネット協奏曲は何も感想がありません(汗)記憶もありません…
ファゴットという楽器が面白いなぁと思ったのと、演奏時間が延びましたので次のホールの開始時間まであと8分程しかなくなってしまい、ホールAとホールCは離れておりますので、演奏後の拍手もほどほどにホールCのチケットを取っている何人かの方たちと非常階段を使いながら走って向いました。
予定演奏時間は大体5〜10分は延びますので、チケットを取る時は気をつけた方がいいと思いました(今回も予定では15分の間隔がありました)。無理ではないのですが、演奏後の余韻と言うものが全くありませんので、演奏された方々に申し訳ない気がします。

何とか間に合ったホールC。今度はヴァイオリン協奏曲4番です。こちらもやはりデュメイ…なのですが(笑い)、デュメイのオフィシャルHPでBGMで流れる御馴染みの曲です!
ホールCは、ホール全体の雰囲気がいいですね。音響も良かったと思います。

こういう言い方は失礼だとは思うのですが――

これは、大当たりでした!

次の樫本大進さんのコンサートまでのつなぎとして取ったものだったのですが、本日1番のお気に入りとなったのでした。ゴルダン・ニコリッチさん最高です!
ゴルダン・ニコリッチさん。現在ロンドン交響楽団のコンサートマスターをされているそうです。
何と言いますか…映画で言うと、エディー・マーフィーとかの映画を観ている感じ。アクションあり、コメディーありで、観た後にスカっとする映画! そんな演奏をされる方でした。

最初のザルツブルグ交響曲第1番。
先日の川畠成道さんのモーツァルト:クラリネット五重奏で、川畠さんのあまりにも座ったままで自由に演奏される姿が印象的だったのですが、そ…そんなものではありませんでした(笑い)
もう、椅子に座ったまま駆け足していて、何度も何度も中腰で立ち上がってしまう位に盛り上がって演奏されていました。だったら立って演奏したほうがいいのでは…と言いたくなるほど。
そして、その勢いのある姿に、ニコリッチさんの魅力に、観客全員がくぎづけ! オケの中で、その姿は完全に浮いているはずなのに、全然おかしく無いのです。その姿をこちらも自然と受け止めることができました。すごくニコリッチさんの表現したいこと、伝えたいことが、受け止められたような気がしたからだと思います。

この曲はモーツァルトが16歳のときに作曲したそうで、私は「神童」と呼ばれるモーツァルトは近寄りがたい雰囲気があるのですが、この演奏を聴くと、青春真っ只中の「普通の青年モーツァルト」が見えてきたのですよね(当時の16歳がどのような環境なのかは知りませんが)。
サウンド・オブ・ミュージックのオープニングで出てくるような草原(?)をずっと駆け抜けて行く、爽やかなモーツァルトの姿が見えました。

続いてヴァイオリン協奏曲第4番。>「軍隊」と呼ばれるのがこの曲だったと本日知りました。
今度のニコリッチさんはオケの中央に立って弾き振りです!
座ってあれ位なので、立ったらどうなるのだろう…想像がつきませんでした。

!!!!!

す、すごい… 今度は、本当に前後左右に駆け回って、ジャンプして、演奏しています(爆)
私の中での第4番の曲のイメージが崩れ去りました。こんなの、アリなんだ、と。
何度も譜台を蹴っ飛ばしてしまうのではないかと、オケにぶつかるのではないかと、思うくらいに前に突進してきたり。聴いていて、見ていて、とても楽しかったです。
楽しいだけではなくて、ヴァイオリンの音色も素晴らしかったです。

演奏後は当然、大きな拍手が! これはニコリッチさんに向けられたものであることは間違いありません。スタンディングオベーションも出ました(最初は前に座っていた2名の方が。それに続いて10名ほど立ち上がられたのではないかと)。

ホールを出るときに、「モーツァルトってこんなに楽しい曲だったっけ?」と話している人がいました。私も同感です! すごく楽しかったのです。
今度、ニコリッチさんのリサイタル等があったら、ぜひ聴きに行きたいと思います♪
素敵な演奏家を、また1人知ってしまいました。

次は樫本大進さん。友人が注目しているアーティストであり、いただくチラシ等でも樫本さんのお名前を見かけることがありましたので、どんな演奏をされる方なのだろうと非常に楽しみにしておりました。

オケは香港シンフォニエッタ。同じ東洋人とはいえ、女性がスマートで素敵! 何でこんなにスリムなんだろう…と(笑い)
指揮者の葉詠詩さん。女性の方だったのですね! 同じく、小柄で素敵な方でした。

初めて樫本さんのヴァイオリンの音色を聴いて 『何て綺麗な音を出す方なんだろう』 と思いました。
デュメイは「美しい音」、樫本さんは「綺麗な音」なんです、私の中では。樫本さんの音には無駄が無いと感じました。そして、男性だからこそ出せる音だとも。
女性が1番求めている感覚や表現って、実は男性にしか表すことが出来ないと思うのです。女性が女性らしさを追求し続けると、最終的には男性っぽくなってしまうと(勝手な考えですけれども)。
近所のフラワーショップもそうなのですが、ここは男性の店員さんの方が素敵にラッピングをして下さいます。花の組合せとかメルヘンチックであり、可愛く、綺麗に、希望通りに包んでくれるのです。
>腕の問題ではなく、感覚の問題なのですが。
話はそれますが、樫本さんの音もそんな感じで、とても繊細であり、綺麗な音でした。

特に、協奏曲第2番 第2楽章。
かなりひいき目で聴いているデュメイのCDよりも、情感が伝わってきました。すごく胸が熱くなってしまいました(笑い)とても良くて、ため息が出てしまう位です。
この音色にはまる人は、相当どっぷりとはまるだろうな…と想像出来ます。
体格の良い姿から、あれ程の繊細な音を出すギャップも、また良いのですよね。
独奏部分も何事も無いようにさらっと問題なく弾かれて、気持ちよく最後まで聴くことが出来ました。

演奏が終わると、もう20時! 外も暗くなっていました。
あっという間の半日間でした。前半は寝てしまいましたが(笑い)、後半はどちらも素晴らしい演奏を聴かせていただき、新しい発見も出来て大満足でした。
残りの3公演も、同じように楽しめたらいいなと思います。

2006年5月4日 記

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