戻る

川畠成道 ニューイヤーコンサート 2009
新たな日々へ向けて
【 2009年1月31日(土) at 紀尾井ホール 】
ピアノ : ロデリック・チャドウィック


■ ドヴォルザーク:ソナチネ ト長調 作品100
■ ブラームス:ヴァイオリンソナタ 第2番 イ長調 作品100
■ メンデルスゾーン:歌の翼に
■ ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番
■ リスト:コンソレーション
■ リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
■ グノー:アヴェ・マリア
■ ワックスマン:カルメン幻想曲

アンコール
■ ピアソラ:オブリビオン
■ モンティ:チャルダッシュ
■ パガニーニ:カンタービレ
■ ディニーク:ひばり
■ バッハ:アリア
昨晩から今朝にかけて東京は大雨が降り、せっかくのニューイヤーコンサートなのに残念だな…と思っていたところ、家を出る午後には太陽が出ていました! 太陽が出ていて明るく暖かいのに霧雨が降っている…という不思議な状態の中、紀尾井ホールへ向かいました。

最初から余談ですが、紀尾井ホールに着くと掲示板には5月2日のマリア・ジョアン・ピリスさんのリサイタルのチラシが♪ オール・ベートーヴェンプログラムなのですよ。チラシたくさんいただいてきてしまいました〜vvv わーいv

本日は強風&大雨のため(?)常磐線が止まってしまい会場に来られなかった方もいたとのことです。何事もなく会場入りが出来た私はラッキーだと感謝しないといけませんね。その方たちの分まで、たっぷり楽しむことは出来たと思っています。

御2人とも黒のスーツで舞台に登場! ロデリックさんの中のブラウスはワインレッドだったと思います。素敵でした。

1曲目のドヴォルザークのソナチネ。
たぶん、知らない曲… こういった川畠さんが普段弾かない曲がプログラムに載るのはとても良いことだなぁと思いました。常にコンサート会場へ足を運ぶファンは(私などはまだまだ甘い方で、私の何倍も足を運んでいる方はたくさんいらっしゃいます!)、普段聴かないような曲を求めているのですよね。こちらも色々な曲に出会いたいのです。曲の素晴らしさを教えていただきたいのです。

出だしを聴いた瞬間、「あ、これは以前どこかで聴いたことがあるな…」と(笑)
たぶん川畠さんの演奏で。そしてこの曲は誰かのアルバムで相当予習した記憶があります。だから記憶にあるのです。その記憶が確かならば、元気でノリの良い第4楽章が私は好きなんだよな〜と思っていましたら、やはりその記憶の通りでした。
ですがこの曲は子供でも楽しめるようにドヴォルザークが作った曲のはずなのに、ロデリックさんの伴奏(川畠さんもかもしれませんが)はちょっと真面目すぎて、演奏そのものは素敵だったと思うのですが、こちらが曲に入って楽しむことは難しいなと思いました。本当だったらこちらも体が動いてしまう位に客席に手を差し伸べてくる曲だと思うのですよね。思わず一緒に曲を口ずさんでしまうような、といいますか。

でも開演前までは疲れていてとても眠かったのに、演奏が始まると眠気が吹き飛んでしまいましたので、そう考えると良い演奏だったのだと思います。
(家に帰って調べてみると、これは一昨年のソナタシリーズで仲道郁代さんとの演奏で聴いておりました。私が予習に使ったアルバムはギル・シャハムさんのものだったようです。結構頭の片隅に記憶として残るものなのですね〜 すごい。)

続いてブラームスのヴァイオリンソナタ第2番! これが私の本日のメインでした!!!
ブラームスの2番は生演奏であまり聴いたことがなく(もしかしたらこれが初めてなのでは…と思う位です)、また先日Webラジオで聴いたヒラリー・ハーンの2番がとても良かったので、川畠さんの演奏も楽しみにしておりました。
本日用の予習としてはデュメイ&ピリス、ベルキン&ダルベルトの私としては最強のラインナップを使い、気持ちを高めておりました(笑)>相当、本気でした。

本日の私の席は左手側で、ロデリックさんの手がとても良く見える席でした。
この曲は(もしかしたらブラームスのソナタは全部そうなのかもしれませんが)、ピアノが大変忙しい曲だったのですね。アルバムを聴いているだけでは、メインのヴァイオリンばかりが耳に入ってくるので気が付きませんでした。何となく聴こえない部分でも、ピアノの手は一生懸命細かく動いていました。

昨年、デュメイさんの演奏でブラームスの3番に(私的に)目覚めて以来、ブラームスのヴァイオリンソナタは何番を聴いても頭の中に無理なく入って行くようになりました。今日もすごく川畠さんとロデリックさんの放つ情報が頭の中に入ってきたと思います。川畠さんの演奏で2番が聴けたということが嬉しかったですし、ブラームスの曲そのものも1番3番と同じく良かったですし!

私は最後の10秒間位のヴァイオリンの重音と、流れるようなピアノの音色が重なって終わる部分がとても好きなのですが(その数秒間が聴きたくて全3楽章を聴くと言っても過言ではないかもしれません)、今日もとても良い終わり方だったのです! 川畠さんの重音は元々素敵ですし、ロデリックさんもこういった表現は得意な方ですし、そして最後にロデリックさんが川畠さんを見上げて終わりを揃えた光景が、1枚の絵のように輝いていて素敵だったのです〜v
>好きな曲を聴く時は、違う世界へ行ってしまうものですよね(笑)

ブラームスの全集を出してほしいな…とまでは言いませんが、今後もコンサートで聴く機会があるといいなと思いました。とても良かったです。大満足です。

後半は誰もが楽しめるような小品が6曲。
前半の2曲と比べて聴きやすいのか、あっという間に6曲終わってしまいました。

グノーのアヴェ・マリアの時がロデリックさんのピアノがとても活きていたように感じ、全体的にヴァイオリンとピアノの相乗効果があったように思います。
逆にワックスマンのカルメン幻想曲はロデリックさんのピアノは真面目過ぎて、こちらが曲の中に入り込むことが出来ませんでした。ラストの盛り上がりなども、こちらの心がついて行けないのですよね。テレビの前で演奏を見ているかのようでした。本当はものすごくワクワクして、今すぐもう一度聴きたい!って思えるような曲なのです。アルバム聴いていてももう一度リピートする位、いい曲なのですよね。>大好き!
ピアニストさんにも、合う曲合わない曲があるのだな…と。(個人的にはカルメン幻想曲は、アレンジしまくるダニエルさんが最高だと思います。聴いていて楽しいです。) といっても、ピアノだけの責任ではなくヴァイオリンもそうだったのだと思いますし、もしかしたら聴き手の私の気持ちが一番の問題だったのかもしれません。でも、会場は拍手喝采でした! とても盛り上がりました。

アンコールは5曲。
大きな声では言えませんが、私は後半の曲よりもアンコールの方が素晴らしかったと思います(笑)

特にオブリビオン。ロデリックさんのピアノは最高でした!
ロデリックさんはマンシーニのひまわりも好きなのですが、そういうピアノが徐々にドラマティックに盛り上がりを見せるような曲をたくさん弾いていただきたいなぁと思いました。
格好良かったし、ピアノの音色も美しかったし、もちろん川畠さんのヴァイオリンも良かったしでため息が出るくらいでした。アンコールの時は、どの時も川畠さんは満面の笑みを浮かべていました。

曲の合間に色々お話があったのですが、いつもニューイヤーコンサートを行うたびに昨年のコンサートはどのようなものだったか思い起こすし、昨年の自分よりも成長した今の自分でありたい、というようなことをお話しされていたのが印象的でした。

コンサート終了後は久しぶりに友人たちと話をし、「次は文京シビックホールの昼・夜公演だね!」と次の楽しみに期待しつつ(チャイコフスキーのコンチェルト+オーケストラ版詩曲ですよv)、ホールを後にしました。

余談:
BRAHMS Ein deutsches Requiem
本日、サイン会で用意されていたサインペンは(黒も銀も)紙にもCDにも乗りが悪いし太すぎたような気がします。きちんと書けるメーカーのペンを用意して下さると嬉しいなぁと思いました(こちらも本気の時は持参しますが、笑)。紀尾井ホールのペンなのでしょうか。
というのも、ロデリックさんが「ここにイラストがあるからね…どこに書こう…」とずっと迷った末に気合いを入れて書いて下さったのですが、書いている途中でインクがドバッと出てきたのですよ(汗) それはないよねーと。

…と これは本当の余談で、本日のピアニスト、ロデリック・チャドウィックさん。ブラームスのドイツレクイエムのアルバムを出されています!(これはあなたの演奏ですか?と確認してしまいました。ピアノの音色だけでは私には分からなかったので、苦笑)
これはオーケストラではなく2台ピアノの伴奏版で、私にはどちらがロデリックさんの演奏かなどは到底分らないのですが、素敵なアルバムです。

Ein deutsches Requiem by Brahms
Vasari Singers / Jeremy Backhouse - Conductor
Jeremy Filsell & Roderick Chadwick - Piano Duet
Guild (B000EMG6YI)

2009年1月31日 記

▲上へ
本嫌いさんの読書感想文〜カラマーゾフの兄弟はいつも貸出中?!
YUKIKOGUMA   All Rights Reserved