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モーツァルト
生誕250周年記念 ツィクルス 第2回
【 2006年5月27日(土) in 浜離宮朝日ホール 】
  ピアノ:小川典子


■ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ホ短調 K.304
■ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 変ロ長調 K.454
■ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 K.526

アンコール
■ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 K.301 第2楽章
再び、大失態です!

本日は私用のため、開演時間の13時30分に間に合いませんでした(涙)
>そういえば、「また…?」と誰かに言われたような気が… 「また」って(汗、間違っていないけれど)
開演時間に、というよりも1曲目、まるまる間に合いませんでした。丁度1曲目が終わる頃に、私は雨が降る中 浜離宮朝日ホールへと到着したのでした。

1曲目が終り、川畠さんと小川さんが舞台上でまだお辞儀をしている中、私は係りの方に「早く席に向ってください!」と背中を押され、「…えっ、今ですか…?(まだ川畠さんたちがいるのに?)」と、恥ずかしながら座席に向いました。
遅刻した私が1番悪いのですが、でも席に向うタイミングって「今」ではないよね、と。
周りの皆様、申し訳ありませんでした。

私にとっては本日1曲目の(!)K.454が始まりました。

先日(サントリーホールでのトルコ風)とは全然違います!
今日はすごく心に染み渡ってくる演奏でした。演奏…という以前に、川畠さんの奏でる『音』そのものが体の中に自然に入ってきました。今日のプログラムもほとんど予習していなかったのですが、それでもとても楽しんで聴くことが出来ました。

たった3日間しか違わず、私のモチベーションは先日と変化は無く、協奏曲、ソナタという好みも私には特に無く(どちらかというと協奏曲の方が好きですし)、この音の受けとり方の大きな違いというのはどこから生まれてくるのでしょう。不思議です… 今日の2曲はとても素晴らしかったです!

K.454とK.526は、会話形式と言うよりも同じようなメロディを一緒に弾かれる部分が多い曲だと思いました(楽譜のことは知らないので感じただけですが)。
それが、川畠さんと小川さん。実にぴったりと息の合った演奏をされたのです!
どの部分も全部!!!
すごいなぁ…と驚きました。まるで本能的に合わせているとしか思えませんでした(実際は合わせる様にお互いが努力した結果なのでしょうけれども)。

私が始めて川畠さんの生演奏を聴いたのはモーツァルトのK.301。そしてその時のピアノ伴奏は本日の小川典子さんでした。
もしかしたら、小川さんとのデュオだったからこそ、川畠成道の音色にここまで私は興味を持ったのかな、そして今日この場でこの演奏をきいているのかな…と、今まで気にもしていなかった当時の小川さんの存在の大きさ、大切さに気がつきました。
川畠さんと小川さんの演奏されるモーツァルトは非常にバランスが良いと思います。今後も定期的に(!)、御2人のコンサートを開いていただきたいな、と思います。

本日の曲目についてはイメージを広げるほど聴き込んで行きませんでしたので(汗)、1ヶ所だけ述べさせていただきたいと思います。

それはK.454の第2楽章。本日私が1番気に入った部分です。
『 若い恋人同士の愛の言葉のやりとり 』 みたいな演奏に私には聴こえました(爆←激しい妄想ですね)
ヴァイオリンの音色がすごく色っぽく、そして優しく奏でられ、それに応えるように温かいピアノの音色が流れました。「素敵な部分だなぁ〜v」と思って聴いていると、川畠さんが小川さんの方にかなり体を寄せられて、少しの間ですが御2人で体を寄せ合いながら弾かれたので、自分のイメージはますます膨らんでしまいました。恋愛映画を見ているかのような時間でした。

私にとっては2度目となる小川さんですが、前回は紀尾井ホールの2階席でしたので全く姿を見ることが出来ませんでした。でもその音色で小川さんというイメージを自分なりに作っていました。
そして本日、実際の小川さんの演奏を実際に見て。私のイメージとは全然違う方でした!
とても男性的な(失礼な表現かもしれませんが、ハキハキしていて好感が持てました)、ダイナミックな方でした。ピアノを弾かれている後姿は、以前聴いたことのある青木洋子さんにとても似ているように思えました(この方もハキハキとされている方のようでした)。
曲が終わると、川畠さんに「ブラボー!ブラボー!」と笑顔で声を掛けられていたのが印象的でした。

「モーツァルトの音楽は『聴くに易し弾くに難し』といいますが、本当にそうで… 今年はモーツァルトの曲を色々弾く機会があるのですが、自分なりのモーツァルト像を見つけることが出来たらいいなと思っております。」

――のようなことを、最後に川畠さんはお話されていたと思います(いつもに増して記憶があいまいなのですが)。

そしてアンコールとして「K.301 第2楽章」。
何度も書きますが、これは私にとって川畠成道原点の曲!!! とても嬉しいアンコールでした。
1年半前にタイムスリップさせていただきながら、満喫させていただきました(笑い)
聴いていて思ったのは、この曲は今年に入って何度も弾かれていますし、きっと今までも弾かれている回数が本日演奏された曲の中では1番多いのではないかと思うのですが、川畠さんの曲に対する入れ込み具合が全然違うな、ということです。
この曲に対しては御自分のモーツァルト像をきちんと確立されているように思えました。弾いている時の乗り方が違いましたし、弾き慣れている感が伝わってきました。聴いているこちらも、とても気持ちよくコンサートを終えることが出来て大満足です♪

来月最後のモーツァルトツィクルス第三回は弦楽四重奏!
一体どのような演奏を聴くことが出来るのか、今から楽しみです。

2006年5月28日 記

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