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第301回 名曲コンサート
with 日本フィルハーモニー交響楽団
【 2005年6月11日(土) in サントリーホール 】
  指揮:沼尻竜典   ゲスト:川畠成道


■ グリンカ : オペラ 《ルスランとリュドミラ》 序曲
■ チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35(with 川畠成道)
〜 休憩 〜
■ ムソルグスキー(R=コルサコフ編曲) : 交響詩 《はげ山の一夜》
■ チャイコフスキー : 幻想序曲 《ロメオとジュリエット》

アンコール
■ チャイコフスキー : 組曲 《くるみ割り人形》 より『行進曲』
コンサート前に参加した『大人のためのオーケストラ探検隊』が想像以上に充実していたため、私としてはすでに1日が終わった気分になっていました。

で・す・が!!!

これは終りではなく、ここからが始まりだったのです(笑い)今度は正面入口からの入場です。
サントリーホールに一歩踏み入れると、そこは先程とは全く違った世界が広がっていました。
暖かな照明が赤いカーペットを照らしていました。そして着飾った多くのお客様たち。人々の熱気がサントリーホールの格調(?)をより高くしているように感じました。

《ルスランとリュドミラ》 序曲が始まりました。
…先程とは全く音が違う! これが私の想像していたサントリーホールだ!!!
ホール全体に響き渡る音色を体で感じ、私は鳥肌が立ちました。
先程の探検隊で、探険隊長・奥田佳道さんが「客席全体に人がいないのといるのとでは、音の響きが違う」とおっしゃっていたそうです(私は聞いていませんでした…汗)。その響きが、客席が埋まってない方と埋まっている方、どちらが響くのかは分かりませんが。私の耳は断然本番の方が響いていました(他の方の感想を読んでいると逆のような気がしているのですが…要は気持ちの問題なのかしら、汗)。

そして2曲目。川畠さんの登場です!
私の位置からは、川畠さんを見上げるような感じだったのですが(私の目線よりも、川畠さんの立たれている舞台の方が高いのです)、その見上げる感じとスポットライトの明かりとで、川畠さんがいつも以上に輝いて見えました。川畠さんの音色も抜群です! 目線は川畠さんに釘付けに。

私の席からは川畠さんのお顔の表情はよく見えなかったのですが(7列目の席です)、非常に険しい顔をされているな…という気配を感じました。
苦しんでいるのではなく、あちらの世界へ行っちゃっているような――
「あちらの世界」とは、チャイコフスキーの世界のこと。私たちも川畠さんに一生懸命について行かないと! という気にさせられました。
ただただ この世界観に圧倒されつつ、第2楽章での弱音器の取り付け取り外しだけは しっかりと確認し、第3楽章のラストまで超特急のように流れていきました。

チャイコフスキーのコンチェルトを、生でここまでの演奏を聴くことは可能だったのか…!

大拍手と「ブラボー」の声が飛び交う中、私は胸にジーンときてしまいました。
川畠さんの素晴らしさだけでなく、その魅力を引き出しつつ、その演奏に上手く追いついていった日フィルさんも素晴らしい! 演奏後の満足そうな日フィルの皆さんの笑顔を見るだけでも、今日の演奏は素晴らしいものだったのだと再び胸がこみ上げて来て…

そんな中で、川畠さんは指揮者の沼尻さんと一緒に舞台を4〜5往復されて挨拶をされたのでした。
(拍手をするためにもダンベルで腕を鍛えなければ…と少し思いました。段々腕が下りてきてしまって。)川畠さんの投げキッスも皆で受け止められましたしv 本当に本当に素晴らしい一時でした。

先程の探検隊。本番の楽しみが無くなってしまうと言うことで2曲しか聴くことが出来ませんでしたが。
なんと、日フィルさんの隠し玉があったのですね!(…と私は思っています。)

『はげ山の一夜』が始まりました――
 ♪ ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ…

何と! めちゃめちゃ、指揮者の沼尻さんが格好良いのです!!!

先程の私服のときとは雰囲気が違っていて。
曲自体が激しい曲ではあるのですが、右腕を激しく振り切るその姿に、会場の全ての女性が(恐らく)夢中になったと思います(笑い)
沼尻さんの気迫…とでも言うのでしょうか、十分に伝わってきました。素敵な指揮でした。

この「はげ山の一夜」についても先程の探検隊で奥田さんから説明がありました。
ムソルグスキーという人は、大変素晴らしい曲を書く人ではあるのですが、制作の途中でお酒が入ってしまって最後まできちんと書きあげたものは少ないらしいのです。ですので、後の人が彼はこういう曲を書きたかったのではないか…と、編曲して仕上げて演奏する。
今回の曲もリムスキー=コルサコフという人が編曲したもの。最近では、ムソルグスキーが最初に書いたままの原典版も見直されているので、聴き比べて違いを楽しむのもいいですよ、と言われていました。

「はげ山」というインパクトの強い題名。沼尻さんの素敵な指揮。「原典版」という興味深い存在。
――これは もう、原典版を聴くしかないでしょう!(笑い)
ということで、後日聴き比べてみようと思いました。

今回、川畠さんだけでなく、日本フィルさんという素晴らしい楽団の存在を知ることが出来て良かったです。また沼尻さんの指揮の時に、聴きに行きたいと思いました。(年末に第九があるようなのですが…沼尻さんの指揮で今年を終えたいものですね。)

2005年6月17日 記

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