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〜生命の輝き〜
チャリティコンサート
【 2005年4月15日(金) in 横浜みなとみらいホール 】
  ピアノ:鷲宮 美幸


第1部
■ F.クライスラー:前奏曲とアレグロ〜プニャーニの様式による〜
■ L.V.ベートーヴェン:ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》

第2部
■ A.ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第2番
■ A.ドヴォルザーク:ユモレスク (コンサート初登場!)
■ B.バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
■ C.グノー:アヴェ・マリア
■ C.サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチョーソ 作品28

アンコール
■ ウィリアムス:シンドラーのリスト
■ サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20
■ マスネ:タイスの瞑想曲
今日は週末、19:00開演のコンサート!
仕事帰りに、いつものオペラシティよりも時間をかけて横浜みなとみらいホールまで行ってきました。
――だからでしょうか。秘密の集まりのような、非常に贅沢な時間を過ごしに来たのだという雰囲気がホール全体を包み込んでいました。昼間のコンサートとはまた一味違いました。
そして私も、仕事疲れを通り越して、テンションが大変高くなってしまいました…
(今回の感想は、自分としてはかなり高いと思っています。ご了承下さい。)

ピアノはダニエルさん急病のため、鷲宮美幸さんに変更されました。そして、それに伴い(?)プログラムも当初の予定より少し変更されました。
ここで、今年に入ってから川畠さんのコンサートへ足を運んでいる私の成果が出たようです(笑)
曲を知らない私は、いつも予定されている曲目を即席ながら頭に入れてからコンサートへ向っているのですが、今回のプログラムの変更には動じることなく受け入れることが出来ました。(つまり、全て知っている曲だった、と。)パンフレットを見ながら、1月からのことを思い出したりしました。

みなとみらいホールでの音は、3月のオペラシティのコンサートに引き続き、とても良かったと私は思います。良く響いていました。

今回は、今までで一番川畠さんに近い3列目の席でした。
3列目ともなりますと、よ…良く見えます! すごいです。まず指の動きが見えます。左手の関節も見えます。ヴァイオリンがスポットライトにで反射して光っているのも良く分かります。同じく、川畠さんのメガネが光で反射しているのも分かります。

――ですが。
肝心の川畠さんのお顔がなぜか見えません、見えないのです! 左手までは良く見えるのに、顔になりますと、丁度光の影になっているようなのです。それとも私の視力の限界なのでしょうか。(残念)

まずは指です。ヴァイオリンをどうやって弾くとあのような音が出るのかというしくみは分からないのですが、非常に指を激しく動かして弾くものなのですね。(悪魔のトリルなんて、もっと、もっと激しいのでしょう…)
私事ですが、ブラインドタッチで文章を打つ時に、自分の頭の中で求める速さに指がついていけなくなることがよくあるのですが、その私の頭が求めているブラインドタッチの速さよりも川畠さんの左指は速く動いていた気がしました。(元々、比較の対象にはなりませんけれども。それだけ速い、と。)そして右手で弓を動かすわけですから。その左右の指の激しい動きの上、川畠さんは気持ちを込めて(今回お話された言葉を使えば『魂を込めて』)演奏されるわけですから、頭の中は正にフル回転されているのでしょうね。指自身の動きは、頭でなく体で弾かれているのでしょう。今更ながら、改めて、すごいと思いました。

第2部に入りますと、友人が席を代わってくれたので(ありがとう〜!大感謝です)1席分川畠さんに近づいて聴くことが出来ました。

…すると、どうでしょう。
1席違うだけで、念願の川畠さんのお顔を見ることが出来ました! 後半は、川畠さんの全体像と指とお顔をめまぐるしく色々見ながら(私も目線をフル回転しました)、楽しみました。

今度は髪です。体全体を使って演奏されるのですから当然なのですが、髪を振り乱して演奏される姿がしっかりと目に入ってきました。この髪の動き、1本1本からして川畠さんの演奏の全てなのだ… とその時思いました。でも髪が動くって事は、相当大きな動きをされているってことですよね。(髪が動くまで体を動かしてみてください。ちょっとやそっとでは、動きませんから!)想像以上にダイナミックな動きをして演奏されているのだなぁと、これも改めて感じました。

脇道ばっかりな感想ですが、演奏も私なりにしっかり聴いてきたつもりです(笑)
その中で特に感動した1曲。私にとっては、今日の『アヴェ・マリア』は大変に素晴らしかったです! 今年に入ってアヴェ・マリアを何度か聴かせていただきましたが、その中でも今日の演奏が一番私好みでした。

鷲宮美幸さんがとても可愛らしく、素敵な方だった…というのが1つの原因です。
ピンクの衣装でピアノを伴奏される鷲宮さんは『女神』のようでした。本当に! 女神でなければ天女かしら。アヴェ・マリアの美しい旋律と一体化されていました。
その傍でヴァイオリンを演奏される清楚な川畠さん。この2人の組み合わせが大変に素晴らしかった! 『神聖な』と表現できる、一時でした。
この2人を照らすスポットライトの明かりは、先日見てきたジョルジュ・ド・ラ・トゥール展の「聖ヨセフの夢」で描かれている、何とも表現しがたい(素晴らしすぎて適当な言葉が無い、という意味です)あの光に見えて。今回のダニエルさんの急病は心配であり、残念であったのですが、鷲宮美幸さんのピアノを聴けたということは、とても良かったと思いました。そして、またぜひ聴きたいと思いました。

アンコールでの「ツィゴイネルワイゼン」は予定されていたプログラムに入っていた曲です。私はこの曲も楽しみにしていたのですが。
先日の4月12日『徹子の部屋』に出演された時に、黒柳徹子さんが今日のコンサートではツィゴイネルワイゼンも演奏されるとお話をしたこともあり(確かに黒柳さんはそうおっしゃっていました)、アンコールで演奏してくださったのでした。もちろん、聴くことが出来て大満足です。

今日は、『川畠成道さんの笑顔度:200%』 とも言える、いつも以上に(と私は思いました)演奏時でもサイン会時でも笑顔を絶やすことのなかった川畠さんですが、その笑顔の裏ではかなりお疲れだったのだろうなぁと家に帰ってから思いました。あんなに激しい演奏を、何曲も、しかも夜にされていたのですから。その後に、私を含め、多くの人たちにサインをして下さったのですから。自分も見習って、笑顔の絶やさない人になりたい… そんなことを考えると、ますます次のコンサートが楽しみになってしまうのでした。

2005年4月16日 記

《追記 / 4月17日》
アンコールで「ツィゴイネルワイゼン」を弾かれていた時のことです。
途中から、弓の上下にたこ糸のような釣り糸のような、細い糸が踊り始めました。弓が切れたのかなぁ、それとも高音を出すための何かの装置を付けているのかなぁと、その時は意味が分かりませんでした。そして途中でその糸を川畠さんは外しました。
コンサート後に友人が、あれは弓が切れたのだと教えてくれました。
弓が切れる? 弓っていくつかの糸の集合体なの???
(私はヴァイオリンを間近で見たことがないのです。)

――ということで、少しネットで調べて見ました。

バイオリンの弓は、約150〜200本以上の馬の尻尾の毛でできています。この”弓毛”に松ヤニを塗り、弦のひっかかりをよくすることによって、音が出るのです。
よく弓は、1つのまとまった物だと思ってらっしゃる方が居るのですが、実は毛の束です。演奏会中に1本や2本切れても、切れた毛だけを元からカットしてそのまま弾き続けられます。

                            長岡支部ホームページ『バイオリンの起源』より引用


…こういうことだったのですね。正に、このことがツィゴイネルワイゼンの演奏時に起こっていたのですね。私は弓は毛ではなく、何かの皮で出来ているのかと思っていました(笑)
今度機会があったら、楽器店で確認したいと思います。
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