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川畠成道 & 小川典子 デュオコンサート
Sonata Series 2004 〜古典から現代まで〜
【 2004年10月10日(日) in 紀尾井ホール 】
  ピアノ:小川典子


第1部
■ モーツァルト:ソナタ ト長調 KV301 (293a)
   第1楽章 Allegro con spirito
   第2楽章 Allegro

■ フォーレ:ソナタ 第1番 イ長調
   第1楽章 Alegro molto
   第2楽章 Andante
   第3楽章 Allegro vivo
   第4楽章 Allegro quasi presto

第2部
■ プロコフィエフ:ソナタ 第1番 ヘ短調
   第1楽章 Andante assai
   第2楽章 Allegro brusco
   第3楽章 Andante
   第4楽章 Allegrissimo

アンコール
■ 3つのオレンジへの恋 / シチリアーノ
私が川畠成道さんのコンサートに行こうと思ったきっかけ

クラッシックなんて今まであまり聞かなかったし、ましてヴァイオリンなんて…
映画「ミュージック・オブ・ハート」が好き、というくらいしか接点がありません。
そんな私がなぜ川畠成道さんのコンサートに行きたいと思ったのか、それは7月25日の日本テレビ「いつみても波瀾万丈」、ゲストが川畠成道さんの回を見たからです。

…そうです、私はとてもテレビの影響を受けるタイプなのです。
(ドストエフスキーとの出会いもテレビ番組がきっかけですし。)
ダイジェストながらも川畠さんのこれまでの人生を知り、最後にスタジオで弾いた「アヴェ・マリア」の美しかったこと…!!!
何というのでしょうか、音楽をろくに聞いていない私が言うのも変なのですが、この音の中には川畠さんのこれまでの人生の喜怒哀楽、そしてご家族をはじめとする周りの方々の惜しみない協力と愛情が感じられました。
アヴェ・マリアは元々好きな曲ですが、その中でも川畠さんの奏でるアヴェ・マリアはまるで別物でした。
そこには世界全てを包み込むような大きな温かさがあったのです。

そんなことがあり、番組を見終わった後に急いでCDを借りに行き、色々な曲を聴いているうちに、自然と「生で演奏を聴きたい…!」という思いが強くなったのでした。

■ 初めてのコンサートということで…

クラッシックのコンサートは学生時代に授業で聴きに行った事がある位で、個人的に行くのは初めてです。
とてもくだらないことかもしれませんが、「どの様な服を着ていけばいいのだろう?!」とずいぶん悩みました。自分の中では「フォーマルドレスもしくはスーツ」みたいな正装というイメージがあったのです。でも、もし特に正装でなくてもいいのなら「この人、一人でスーツ着て気合入りすぎじゃないの?」って周りの人に思われないかなぁ…とか、頭の中でグルグルして気持ちが落ち着きませんでした。今にして思うとスーツなんてそんなに気にするほど「正装」ではないのですけれどね、その時は思いっきり正装しているような感じがしたのです。(そして、スーツで行くことに)

昨日は、なかなか寝付けませんでした(笑)子供みたいですが…とてもこの日を楽しみにしていたのです。ワクワク感と緊張とで、目はぱっちりと開いていました。

■ 待ちに待ったコンサート!

結局、スーツは正解でした。きちんと正装…とまではいかないまでも(正装されている方もいましたが)、皆様、それ相応の身なりを整えた格好をしていらっしゃいました。

10月10日、紀尾井ホール…
初めて見る入口の扉の大きさからも、まるで別世界へ行ったような気分になりました。
そして、14:00に開始のブザーが鳴りました。

舞台に川畠さんとピアニストの小川典子さんが登場――
(このお二人を見た瞬間、緊張感がほぐれてホッとしたのはなぜなのでしょう。)
最初に何かあいさつでもするのかしら? と思っていましたが、即、演奏開始!(こういうものなの?!)

モーツァルトのソナタ…
正直、私の知らない曲です(知っている曲自体が少ないので)。でも、最初の音からなんと澄み切った世界を演じてくれるのでしょう! 私のイメージでは「パステルピンク」の世界ですね。この色が頭の中に広がり、春…という感じがしました。明るくて、可愛くて、リズムが良くて。
「聞きに来て良かった〜!」と瞬時に思いました。
川畠さんのヴァイオリンを弾いている姿を初めて見て、その姿勢(背筋がピンと伸びていて、素敵ですよね)、弓のしなやかな動き、全てが新鮮でした。とてもCDを聴いているだけでは味わえない感動と興奮!

ピアノの小川典子さんも素敵な方で、ヴァイオリンとの息はぴったり! 舞台を出入りする時は小川さんが川畠さんの背中を両手で押して行き先を誘導するのですが、とても仲の良さそうなお二人に見えました。

2番目のフォーレのソナタは気持ちがあまりにリラックスしてしまいまして…
半分、夢見心地…>つまり、寝たわけです、ええ… 申し訳ありません
とても気持ちが良くて、半分ぐらいで目が覚めたときには全身と心の疲れが全て取れた感じがしました。申し訳ない気持ちもありますが、私としてはものすごくスッキリできたので有り難かったです。
川畠さんが、ヴァイオリンの弦をポンポンはじいていたのが印象的でした。次の曲でもはじいていましたが、そういう曲ってよくあるのでしょうか。
※ 「ピチカート」という弦楽器だと指で弾く奏法だそうです。シュトラウスのピツィカートポルカという曲にも出会いました。(追記)

最後のプロコフィエフのソナタ。
とても重々しい曲だと感じました。精神に直接訴えてくる、という雰囲気の。
私は聞いていて「『悪霊』(ドストエフスキー)のピョートルの曲だ!!!」と思いました。そんな感じの曲です。そう思うと、舞台で演奏されている川畠さんと小川さんがスタヴローギンとリーザにだんだん見えてくるから不思議(笑)
…スタヴローギンとリーザの奏でた曲は、それはもう、素敵でしたよ。

(妄想の世界へワープ中…)

今回、ヴァイオリンってここまで表現が豊かなものだったのか! ということを切に感じました。明るかったり楽しかったり、暗かったり切なかったり…まるで自分の感情が手を引かれてその世界へ案内されているような。演奏者の作り出す世界に入っていけていると言うことでしょうか。
素晴らしい時間と空間でした。また来たい、強くそう思いました。

■ 最後はサイン会!

川畠さんのコンサート後にはサイン会がある…
現在もそれが続いているのかは半信半疑でしたが、一応CDを持って行きました。
ロビーに「終了後にサイン会があります」という札を見つけ、心の中でガッツポーズ!

終了後、長蛇の列の後ろにつき、しっかりといただいて来ました。
皆さん、CD自体にサインをいただいている方が多く、私としては歌詞カードに書いてもらうものだと思っていたので(好き好きだと思いますが)、思わず後ろの人に「通常はどこに書いてもらうものなのでしょうか」と確認してしまいました(笑)順番が近づくごとにうろたえてしまって… CDに書いていただくと、段々爪で削れてくるのではないかと思ったのです。

でも、このアホな質問をきっかけに後ろに並んでいた方とその後、お話しすることが出来ました。本日の熱〜い感想を延々と語り合ってきたのです(笑)
この方はファンクラブに入会されている方で、今日も仙台から来られたそうです。「今日は川畠さん、いつもよりリラックスされているように感じるわ」と言っていたので、私もいい日に聞きにきたものだと思いました。
再び、どこかのコンサートで会えることを約束して別れました。ああ、良い出会いだった…

写真もお願いすれば快く撮ってくれます(握手もお願いできますよ!)。でも、私はあまりにも恐れ多くてお願い出来ませんでした。今後のお楽しみ、ということにします。

演奏でかなり疲れていると思うのに…とても優しいのです。ご本人も周りの係りの人も、そしてファンの方々も。とても良い場所に来ることができた、本当にそう思った1日でした。全てに感動しっぱなしです(笑) かなり気持ちが高ぶっているため、ここの文章も変だと思いますが、ご理解いただけると嬉しいです…

2004年10月10日 記 (後日、少し改稿)

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